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夏休みも生活リズムを整えることで2学期もスムーズにスタートできる! サッカーにも生かせる、脳の使い方とは?

サカイク

夏休み、学校がないので子どもがダラダラしている姿が気になってイライラしがちな保護者に向けて、宿題や課題を自ら行うようにするには「脳の使い方」が大事だと前編でお知らせしました。

脳の使い方とは、脳が動きやすいに設定をつくってあげること。それによって、誰でもパフォーマンスをあげることができるとのことでしたが、後編ではサッカーに活かせるポイントを『あなたの人生を変える睡眠の法則』の著者である菅原先生に教えていただきます。

生活リズムを整えることは、スムーズに2学期をスタートするためにも大事なことなので、ぜひ皆さんも参考にしてください。
(取材・文 木村芽久美)

 

 

<<前編:夏休み、ダラダラ過ごす子どもにイライラ! 親をイラつかせるダラダラ解決のカギはたった4日間の「脳の使い方」にあった

 

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■生活リズムを整えるために、「光環境」に気を配り睡眠ホルモンを出そう

前編でも生活リズムについてはふれましたが、まずは脳の設定の前に、朝の光が大切だということをお伝えしました。同様に、夜の光環境にも注意が必要なのだそうです。


「例えば、夜、部屋の照明が天井の四隅がきれいに見えるくらいの明るさ(500ルクス)で3時間位過ごすと、メラトニンという物質が大人だったら半分位、お子さんの場合は90パーセント位減るっていうデータもあります」と菅原先生は話します。

メラトニンとは脳の松果体と言われる部分から分泌されるホルモンのことで、自然な眠りを誘うためにとても重要なことから「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。夜に明るいところで過ごしていれば単純に眠くならなくなってしまいます。

お子さんに早く寝てほしいのであれば、生活に支障のない範囲で部屋を暗くしてみて眠くなる環境を作ってあげることが大切です。

 

 

■生活リズムがうまく刻めているかどうかはどうやって判断すればいい?

朝の光と、夜の暗さでメラトニンのリズムが整うと、「早く寝なさい!」と注意しなくても、自然に眠そうな様子になるそうです。

「例えば、浴室の照明を消して脱衣所の照明だけで入浴したり、入浴後はリビングの照明を暗くするなど、生活スタイルに合わせて暗くなる時間を決めておけば、自然に眠くなるリズムが出来上がります」と菅原先生は言います。

子どもは、眠くなると眠気に抗ってはしゃいだり、大きな声でしゃべったりすることがあります。これは、脳の中で起きている神経の活動と眠る神経の活動がせめぎ合っている状態。

このせめぎ合いは脳にとって負担なので、眠い時に眠っておけば脳はラクになるし、脳をラクにしてあげれば明日の朝は頭が冴えるよ、ということを伝えることも大事です。

脳のために行動しよう、と考えれば、睡眠を上手に使おうと考えることができるはず。

「おやすみ」と言って、お子さんが自分から寝に行ってくれたら、それは「メタ認知」(自分と脳を切り離して認知し、客観的に把握すること)を使って、リズムをつくることができている証拠です。

 

■上手に昼寝をするためにはどうすればいい?

成長期のお子さんは、練習の後など、昼寝をすることもあると思います。菅原先生によると、これから眠くなることを見越して、先に昼寝をしておき、昼寝後の頭をスッキリさせることは、大人になってからも使える、高い技術なのだそうです。

子どもの頃から、上手に昼寝ができるようにしておきましょう。

座って寝られるのであれば睡眠の脳波は出ないので、起きた時もすんなり起きられますが、横になって寝るのであれば、10分後に起きるのか、それとも1時間後に起きるのかなど、どの位で起きるのかを設定しておくと良いと言います。

「昼寝をする前に『○分後に起きる』頭の中でつぶやけば、その時間には心拍数が上がってきて、スッキリ目覚めることができます。しかも、練習するほどピッタリ起きられるようになります。

もし昼寝の途中でお子さんを起こす場合には、「何分後に起こす?」などと先に話しておくといいでしょう。

また最低7時間は起きている状態で夜をむかえた方が良いので、夕方は昼寝をしないように気をつけた方が良いそうです。

 

■サッカーノートを続けるカギも「4日」だった

「サッカーノートを書くことが難しい」「うちの子はなかなか続けられない...」といった声をよく耳にしますが、環境設定を工夫し、難易度を低くしてあげることが大切なのだと言います。

ノートを決まった場所に置いておき、練習を終えて帰宅したらそのままノートの前に行く動線をつくってみましょう。また、練習の前に日付だけ書いておくなど、ちょっとだけ手をつけておけば、脳は、続きを書きたくなります。」

前編で脳が苦手なことを避けると良いとお伝えしました。

※脳が苦手なこと:あいまいな予想や予定、同じ場所で色々なことができてしまうこと、2つ以上のことを同時に行うこと

ですので、書く場所を決めておく、帰宅からノートまでの動線をつくる、「ノートを書く」と言う。そして、それらを4練習日続けると、無理なく自然に続けられるでしょう。

 

■サッカーのパフォーマンスアップにもつながる、メタ認知の習得

前編でも触れたメタ認知(自分と脳を切り離して認知し、客観的に把握すること)ができれば、夏休みの宿題や苦手な教科も、脳を上手に使うための材料になり得ます。

課題(宿題)をどうやってクリアしていくのか、脳がどうやったら宿題をやりやすくなるのか、まるでゲームをするように考えられたら、お子さんも楽しくできそうな気がしませんか?

「脳の設定ができる力がつけば、それはサッカーのパフォーマンスアップに繋がります」と菅原先生は言います。

大好きなサッカーであっても、やっていく中で小さな課題がたくさん出てきます。その小さな課題のクリアの仕方を、夏休みの宿題を通して覚えることができるのです。

夏休みもあと残りわずかですが、宿題も意図して取り掛かかれるといいでしょう。

 

 

菅原洋平(すがわら ようへい)
作業療法士、ユークロニア株式会社代表、アクティブスリープ指導士養成講座主宰

国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニアを設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などがある。

 

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