長沢駅周辺商店会 「低山ハイク」に商機 三浦富士、大根石伝説で誘客
初心者でも気軽に挑戦できる「低登山」ブームを受けて、京急長沢駅周辺に広がる「長沢サンリヴ商店会」では、三浦富士(標高181m)のハイキングを促す仕掛けづくりに取り組んでいる。付近の散策路に「大根石」と呼ばれる人の背丈を超えるおむすび型の巨石が鎮座しており、大蛇が住んでいたという民話がある。この逸話を掘り起こして観光客誘致につなげる考え。伝説にちなんだツアーの造成や関連商品の開発を進めている。
大根石は久里浜霊園の裏山にあり、大蛇が住んでいたという言い伝えがある。その蛇が対岸の房総半島の鋸山にいる雌の蛇に会いたいと願い、海を渡るために投げ込んだのが北下浦海岸にある「三ッ磯」とされており、干潮時に姿を現す。「大根石の大蛇」の民話では、この石に願をかけると恋愛が成就することが語り継がれており、同商店会では運気が上がるパワースポットに位置づけて地域の宝として育てていく。
アウトドアアクティビティを提供しているYOKOSUKAOUTDOORSでは、駅近の立地を生かし、三浦富士の登頂に絡めて伝説を紹介するガイド付の散策ツアーを計画。夜間にライトを照らしながら現地を訪れるユニークな企画も検討している。洋菓子店のカシュカシュは、大根石を模ったクッキーの販売を開始したほか、飲食店でも三ッ磯をモチーフにしたメニューづくりを急ぐ。取り組みの主導者のひとりである原良一さんは、「埋もれた小さな歴史を磨き上げて地域に元気を呼び込みたい」と意気込んでいる。