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【冬も出没する可能性あり】新潟県がクマ出没特別警報を2024年1月31日までに延長、「対策疲れ」に注意喚起

にいがた経済新聞

令和5年度第2回新潟県鳥獣被害対策緊急本部会議(新潟県自治会館)

新潟県は11月29日、第2回新潟県鳥獣被害対策本部会議を開催し、現在発令中の「クマ出没特別警報」を2024年1月31日まで延長することを決定した。

今年度、県内におけるクマによる人身被害は9件で、そのうち5件が市街地や民家敷地内で発生した。夏に高温となった年にクマの出没や被害が多く発生する傾向があり、1月の出没(痕跡も含む)は、高温だった平成21年度では7件発生した。また、クマが多く出没した令和元年度と2年度においても、年を跨いだ出没が多く記録されている。

さらに今年は暖冬が予想されていることから、クマが餌をとりやすい条件が継続すると見られている。これらの条件から、クマの冬眠が遅れることや冬眠をしないことも予想されており、人里や市街地への警戒と対策を継続する必要があるとし、延長が決定した。

新潟県副知事で鳥獣被害対策本部の笠鳥紘一本部長

アドバイザーとして出席した新潟大学農学部の箕口秀夫教授

アドバイザーとして出席した新潟大学農学部の箕口秀夫教授は、クマ出没特別警戒を延長することによる「対策疲れ」に言及。「もう大丈夫だろうと警戒意識が緩みがちになってくる。また年末年始には、本県の状況を理解されていない方も多く来県する機会がある。再度注意を喚起し、引き続き人里、市街地での対策に取り組んでいく必要がある。

クマ出没への警戒や対策について、新潟県の鳥獣被害対策支援センター所長の渡部浩氏は、「山には食べるものが無い状況で、クマが人里に降りてきている。畑や果樹に食べられるものがあると分かるとそこで食べている状況が散見されている。まずはクマを近づけるものを無くしていただかなければならない。(食べられるものを)早く収穫したり、木を伐採したり、匂いがする食物の残りなどは埋めていただくなどの対応が必要だ」と話した。

加えて、「出没が見られる地域では、朝に家を出た時に出没し、出会いがしらにいきなりやられてしまうことが起っている。そのような地域では、朝に自宅を出る時には十分に注意していただきたい」と呼び掛けた。

新潟県鳥獣被害対策支援センター所長の渡部浩氏

「クマ出没特別警報」は2024年1月31日まで延長

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