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【昼飲みでほろ酔い】こだわりの蕎麦と日本酒で楽しむ大人の昼飲み(福岡・六本松)

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蕎麦

「デビ高橋の昼飲みでほろ酔い」の昼飲みとは、明るいうちからお酒を飲むという事で、ここではランチタイムや夜より少し早めの15~16時くらいからお酒が飲める店舗を紹介します。

六本松エリアは、近年の再開発で洒落た店が次々とオープンし、グルメスポットとして注目を集めている。その一角にあるのが『蕎麦切り かんべえ』だ。カウンター8席のコンパクトな店内ながら、実力派の蕎麦屋として知られ、「食べログ そば WEST 百名店 2024」にも選ばれている。

ここで楽しみたいのは、大人の昼飲み。ランチタイムにしっぽりと酒を楽しみ、最後に蕎麦でシメる粋な時間。単品もあるが、昼ならばコースを頼むのが間違いない。特におすすめは、シメに2種類のもり蕎麦がついた「盃膳(さかずきぜん)」(4,400円)。最近は、気軽に楽しめる「そば三昧膳」(2,750円)も人気だ。
なお、昼はコースの予約客が優先されるため、確実に楽しみたいなら予約が必須。

「盃膳」での昼飲みの流れとしては、まずはビールの小瓶から始めるのが粋。昼間に飲むビールの背徳感が心地いいね。そして、アテをつまみながら、グラス酒を2、3杯重ねるのが理想的なスタイルだ。

最初に提供される「蕎麦豆腐」は、一般的な豆腐よりもややもっちりとしていて、胡麻豆腐に近い舌触り。蕎麦の風味がほんのり感じられるのが特徴的だ。

出汁をたっぷり使った「玉子焼き」は、まさにつゆだく!出汁の香りがふわっと立ち上がり、甘みと旨みが一体となった優しい味わいが広がるよ。
これに大根おろしを添えていただくと、大根おろしの爽やかな辛みが出汁の甘みを引き立たせ、最後まで飽きずに楽しめる。

「旬菜天盛」は日本各地から、店主がお気に入りの旬の野菜を仕入れたもの。
この時は、福岡のカリフラワー、八女のたけのこ、佐賀のふきのとう、山口の岩国れんこん、愛知のエメラルド(スナップエンドウ)、青森のほど芋だった。

「焼そばがき」は、外側の香ばしさと内側のもっちり感の対比が印象的。蕎麦粉の素朴な甘みがじんわりと広がる。

つゆに浸された「焼鴨」の肉は、しっとりと柔らかく、脂の旨みがたまらない。出汁の旨みが鴨の脂と混ざり合い、より深みのある味わいに変化するんよ。
そして、この出汁を残しておくのがこの後の楽しみ。最後に蕎麦をつけて食べると、これがまた最高なのだ。

最後に十割と二八の「もり」が合盛りで提供される。つまり十割蕎麦の良さ(そば粉の旨み)と、二八蕎麦の良さ(のど越し)を一度に楽しめるのだ。

店主の佐々木次郎さんは、こだわりの強い職人で、醤油は旨み調味料を使わない糸島の「北伊醤油」を使用し、キリッとした関東風のつゆに仕立てている。
蕎麦そのものにも哲学がある。彼は毎日蕎麦を食べるため、香りが強すぎると飽きるという考えから、香りよりも甘みを重視。十割蕎麦は群馬県産、二八蕎麦は福井県産の蕎麦粉を使用し、江戸前蕎麦のような滑らかなのど越しを追求している。
また、蕎麦の食べ方にも流儀がある。「蕎麦は粋の文化。カッコつけて食べてほしい」と佐々木さん。具体的には、

- つゆには蕎麦の先端だけをつける(浸しすぎるのは野暮)
- 薬味は蕎麦の上にのせず、蕎麦を食べた後に口に放り込む(この方が粋)

私自身、これまで薬味を蕎麦の上にのせていたが、確かに食べにくい。次回からはこの流儀を試してみようと思う。

酒のラインナップも充実しており、ひやが5種類、冷酒が8種類ほど。つゆのキレと日本酒の旨みが絡み合い、互いを引き立てる。
もっと贅沢に楽しみたいなら、10品のコース「蕎麦懐石」(6,600円)がおすすめ。更科、十割、季節の変わり蕎麦、二八、花まきと、5種類の蕎麦を味わえる。さらに、この「蕎麦懐石」や「おまかせコース」なら5名から貸切も可能で、特別な食事会にも最適だ。
そして、4月からは新メニュー「酒三昧膳」(価格未定)も登場予定。3種類の日本酒を小さめのグラスで飲み比べて楽しめる新コースに期待が高まるね。
なお、4月から価格改定が予定されているとのこと。これは、値上げ前に訪れる絶好のタイミングだ。昼からゆったり酒を嗜み、蕎麦を手繰る。たまには、そんな大人の楽しみ方をしてみてはいかがだろう。

蕎麦切り かんべえ
福岡市中央区梅光園1-1-1
092-732-3569

デビ高橋
福岡グルメや福岡ランチを紹介しているブログ「デビログ」を運営。「お肉博士1級」の資格も持ち、グルメ関連のキュレーター・講師・審査員を務めたり、福岡のテレビ・ラジオで活躍中。著書は「15年間毎日外食して、1万軒を食べ歩いた『デビログ』が見つけた福岡グルメの答え全100店」(KADOKAWA)。インスタID:devi_takahashi

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