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麻生区黒川西光寺 天井絵「雲龍図」5月に公開 市制100周年事業に認定〈川崎市多摩区〉

タウンニュース

雲龍図を描く作者の姫路氏=西光寺提供

12年に一度、辰年だけ特別公開される「雲長山西光寺」(山中聡英住職)=麻生区黒川=の天井絵「雲龍図」。今年春の公開日が5月13日(月)から22日(水)までに決定した。川崎市の市制100周年記念パートナー事業にも認定され、広く一般公開される。山中住職は「公開日は、直接解説もしたい。多くの方に見ていただければ」と思いを語る。

同寺本堂の天井に描かれた「雲龍図」は、厚さ1寸(3・3cm)の香杉の板に胡粉と言われる牡蠣の殻の粉末と墨を使い、昔ながらの技法で直に描かれている。その大きさは縦横4・5m。

作者は、日本画家で仏教美術の彩色師として活躍していた姫路青峯氏。姫路氏が3年かけて制作し、2000年に同寺の檀家である故・志村虎吉氏によって寄進された。以降、公開されるのは12年に一度、辰年だけ。完成後の01年1月と12年に、地元住民向けに公開されて以来、今年で3回目となる。

1日5回、10日間

今年の公開は春と秋に予定されており、このほど春の日程が決定した。5月13日から22日までの午前10時・11時・午後1時・2時・3時の1日5回で各回定員40人。各回45分入れ替え制、要事前申込み。拝観料は1人500円で大学生以下は無料(学生証など提示)。

午前11時の回のみ、禅寺料理(有料)も提供される。申込みは4月15日(月)から特別サイト(https://sites.google.com/view/saikoji-event2024)の受付ページから。電話や直接の申込み、問い合わせは受け付けない。

解説にこだわり

公開に合わせて、山中住職や関係者は京都まで視察。墨絵で描かれた、これほどまでに大きい雲龍図はなかったという。加えて、現地で感じたのが住職自ら解説をすることの大切さだった。「文化財ができた経緯や、貴重性などを住職が解説すると説得力が違う。丁寧にお迎えし、感動して帰っていただきたい」と山中住職は各回の解説へのこだわりを示す。作者である姫路氏は「白黒で描いた龍の構図、迫力ある龍の顔を見てほしい」と見どころを語る。今回、姫路氏が天井絵を制作する際に用いた下絵も公開されるという。

また、今回の特別公開は川崎市市制100周年記念パートナー事業にも認定されている。麻生区の担当者は「市制100周年を北部エリアから盛り上げていきたい。こうした貴重な文化財が麻生区にあることを知ってもらい、南部からもぜひ足を運んでもらいたい」と期待を寄せる。

山中住職は「今年、偶然にも市制100周年と一緒になった。周年をお祝いする意味でも、広く公開することで、より多くの方に見ていただければ」と話す。なお、秋の公開は11月頃の予定。

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