大根を下茹でしないとどうなる?仕上がりの違いを徹底検証
下茹でをしないと臭みや苦みが出る!
大根を煮るときは、下茹でをするのがとても大切。下茹でしないと苦みや辛みなどが出てしまったり、味がなかなか染み込まず大根だけが浮いたような味わいになったりします。
また煮崩れやガズッとしたような口当たりで、食感が悪くなることもあります。本記事では、下茹でありなしと2通りの下茹で方法を比較検証してみました。
大根の下茹での効果
大根のアクによる苦みや辛みが抜ける
味が染みやすくなる
しっとりやわらかくなり口当たりがよくなる
基本の大根の下茹で方法。2通りで比較検証
大根の煮物を下茹でなし、米の研ぎ汁で下茹で、電子レンジで下茹で、の3つで作り仕上がりを検証します。まずは米の研ぎ汁と電子レンジを使う下茹で方法をご紹介します。
米の研ぎ汁を使って下茹でする方法
大根は2cm程度の厚さに切り、皮近くに筋が多いため3〜5mm程度厚めにむきます。そして深さ5mm程度十字に切り込みを入れて味を染みやすくします。この下ごしらえは、下茹でなし、電子レンジで下茹での大根も同様におこないます。
下ごしらえが終わった大根と米の研ぎ汁を鍋に入れ、中火にかけます。煮たってきたら弱火にし、15〜20分ほどゆでます。竹串を刺してみて、スッと中まで通ったらゆであがりです。
電子レンジで下茹でする方法
電子レンジで下茹でする場合は、耐熱容器に下ごしらえした大根を並べて、米大さじ1杯弱ほどと大根がかぶる程度の水を加えます。ふわっとラップをし電子レンジ600Wで5分加熱します。
一旦取り出して裏返し、ラップをしてさらに5分ほど加熱します。竹串を刺してみて、スッと中まで通ったらゆであがりです。
仕上がりの違いは?煮物を作った結果米の研ぎ汁が一番おいしく仕上がる!
2通りの方法で下茹でした大根と下茹でなしの大根を使って煮物を作ります。材料と手順は以下の通りです。下茹でなしの大根は、火が通るまで煮ます。
【材料】
・だし汁……300cc
・しょうゆ……大さじ1と1/2杯
・みりん……大さじ1杯
・きび砂糖……小さじ1杯
【手順】
1. 鍋に下茹でした大根とだし汁、みりん、きび砂糖を入れて火にかける
2. 煮立ったら弱火にして5分ほど煮る
3. しょうゆを加えて15分ほど煮る
下茹でなしの場合(硬めで苦みあり)
下茹でなしの大根の煮物は、カットしてみると中心部分はまだ白色のまま。まわりは味が染みていましたが、中までは染み込んでいませんでした。
食べてみると大根の苦み、えぐみ、辛さなどが残っていて、大根の臭いもあります。大根特有のジュワッとしたやわらかさはなく、ガズッとした硬さを感じました。
米の研ぎ汁で下茹でした場合(甘みがありジューシー)
米の研ぎ汁で下ゆでした大根の煮物は、中まで味が染みてやわらかく、とにかくジューシー。
口いっぱいに大根の風味と甘み、だしの香りが広がりおいしかったです。大根の苦みやえぐみはなく、やさしい甘みを感じました。
電子レンジで下茹でした場合(やわらかく味染み抜群)
電子レンジで下茹でした大根の煮物は、中までしっかり味が染みていました。大根の苦みやえぐみ、臭いもなく、やわらかく仕上がっていました。
ただ、米の研ぎ汁で下ゆでしたものと比べると、ジューシーさがなく大根の風味も物足りない印象。電子レンジで加熱したものの方が水分が少し飛んでいるように感じました。
大根の下茹でを省略できる料理もある
下茹でを完全に省いても問題ない料理の種類もあります。サラダや和え物など生食に近い場合や漬物にする場合、またみそ汁の具材や炒め煮など小さめにカットし煮込み時間が短い料理の場合は不要です。
サラダや和え物で大根の辛さが気になる場合は、カットしたあとに水にさらしたり塩もみをしたりするとよいですよ。
大根の煮物はできるだけ下茹でしたほうが安心!
大根を煮るときは、面倒でも下茹でしたほうが仕上がりがよくなります。大根特有の臭いや苦み、辛さを感じられ、実際に食べ比べるとその差は歴然でした。
大根の煮物は、ほっくりジューシーな口溶けとやわらかさが魅力。せっかく作るなら、そのおいしさを最大限に引き出せるよう、ひと手間を加えてみてください。
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ライター:稲吉永恵(野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ)