イノベーションクラスター TRIP に鉄道 6社が新加入 12社の鉄道事業者がスタートアップと連携、持続可能でスマートな都市交通の実現めざす
日本の鉄道インフラをスタートアップの力に変えるイノベーションクラスター「TRIP」が本格始動。
鉄道・交通をメインテーマとし、ウェルビーイングや気候変動対策(クライメートテック)、生物多様性の回復・保存(ネイチャーテック)などの領域でスタートアップ企業の技術・ソリューションを活用し、社会課題の解決をめざしていく。
たとえば小田急電鉄・小田急SCディベロップメントは、スタートアップの FASHION X と組み、3月1日から8月31日まで、小田急線の駅に隣接する商業施設「アコルデ代々木上原」「小田急マルシェ鶴川1」に、それぞれ1基ずつ「古着回収BOX」を設置。これも TRIP によるアクションのひとつだ。
TIS と鉄道事業者 12社で加速
そして、イノベーションクラスター「TRIP」の代表企業 TIS ビジネスイノベーション事業部ストラテジー&イノベーションコンサルティング部 水船慎介 シニアマネージャーは、同プロジェクトに新たに6社の鉄道事業者が参画することを伝えた。
『鉄道会社 6社(小田急電鉄、京王電鉄、京浜急行電鉄、JR東日本スタートアップ、西武ホールディングス、東急)とともに構成するイノベーションクラスター「TRIP」は、新たに 6社(西日本鉄道、東京地下鉄、東武鉄道、相鉄ホールディングス、名古屋鉄道、東海旅客鉄道)の鉄道事業者の参画で計12社とタッグを組むことになりました。
全国の鉄道事業者が続々と参画し、日本全国にエリアを拡大しています。
「TRIP」の活動に賛同し、協力いただく支援パートナーも続々加入しており、今後は協働事例の創出などにも注力し、スタートアップとのイノベーション創出を加速していきたい』
鉄道は、企業の壁を超えた取り組みができている唯一の業界
小田急電鉄 デジタル事業創造部 和田正輝 ポリネーターは、今後の TRIP の展開についてこう伝える。
「当初、鉄道事業 4社で立ち上げた「JTOS」の取り組みから TRIP の設立につながることとなり TRIP は、日本全国に進んでいくことになり、我々の持つアセットやノウハウを活かして、スタートアップのサービスを全エリアへの展開や、業界の課題を解決していきたい。
鉄道は、企業の壁を超えた取り組みができている唯一の業界です。
我々の文化やアセット、スタートアップを応援していこうというマインドと、スタートアップの優れたサービスやソリューションと熱意をかけ合わせることで、世界に羽ばたけるようなスタートアップを生み出していけると考えている」
スタートアップとの協業が横展開しやすい
また、新規加入した西日本鉄道 新領域事業開発部 森永豪担当は、参画した理由についてこう語った。
「スタートアップは東京に集中しているので、多くのスタートアップや同じ事業の鉄道会社との出会いが増えることも大きな利点だと思いました。
また、他の鉄道企業のようにスタートアップとの協業が横展開しやすいと思い、参画させていただきました。
『日本の鉄道インフラを日本のスタートアップの力に変える』を実現していきたい」
―――イノベーションクラスター「TRIP」は、クラスター構成企業として新たに参画した鉄道・交通事業者や、活動に協力する事業会社(支援パートナー)をそれぞれ募集し、さらに体制を強化し、スタートアップ企業の資金調達やビジネスマッチング、プロモーションなど、幅広い支援活動ができるクラスターをめざしていくという。