失敗の原因も解説!本当においしい「究極のシフォンケーキ」レシピ
シフォンケーキの基本レシピ
ふわふわなシフォンケーキを作るポイントはメレンゲにあります。最初はむずかしく感じるかもしれませんが、コツをつかめば誰でも上手に作れますよ♪ この記事では基本のバニラシフォンの作り方と、失敗の原因をご紹介します。
究極のシフォンケーキ成功のためのコツ
メレンゲはツノの先が軽くおじぎをするくらいに
メレンゲは3回に分けて卵黄生地と混ぜる
少し高い位置から生地を型に一気に流し込む
気泡を抜き、オーブンは予熱してから焼く
型ごと逆さまにして冷ます
コツ1:メレンゲはツノの先が軽くおじぎをするくらいに
究極のシフォンケーキを成功させるためのコツは、メレンゲを適切な状態に仕上げること。メレンゲがやわらかく泡立て不足だと膨らまなかったり焼き縮んだりして失敗するおそれがあります。逆に、泡立てすぎると膨らみが悪くなったり腰折れしやすくなることも。
メレンゲは、ツノが立つまで泡立てることが大切。固すぎずゆるすぎず、つやがあり、ツノの先が軽くおじぎするくらいがベストですよ。メレンゲを作るときは、グラニュー糖を3回ほどに分けて加えましょう。
コツ2:メレンゲは3回に分けて卵黄生地と混ぜる
メレンゲと卵黄生地を混ぜるときは、メレンゲを一度にすべて加えず、3回に分けて混ぜましょう。まず最初の1回目は、泡立て器を使ってしっかりと混ぜます。2回目と3回目は、それぞれメレンゲを加えたあと、ゴムベラで「底からすくい上げるように」やさしく混ぜると、気泡がつぶれにくくなります。
混ぜすぎると気泡が壊れてしまい、ふくらみが悪くなりますが、逆に混ぜが足りないと、気泡が大きくなりすぎたり、生地がしぼんでしまったりして、うまく焼き上がりません。ちょうどよく混ぜることが大切です。
コツ3:少し高い位置から生地を型に一気に流し込む
シフォンケーキの型に生地を流し入れるときは、少し高い位置から一気に流し込みましょう。途切れ途切れに入れたりゴムベラですくって入れたりすると、空気が入りやすく大きな気泡ができてしまいます。大きな気泡ができるとシフォンケーキに大きな穴があく原因になるので、注意してください。
コツ4:気泡を抜き、オーブンは予熱してから焼く
シフォンケーキ生地を型に流し込んだら生地の表面を平らにし、竹串を使って大きな気泡をつぶします。竹串は型の底につけて、ぐるぐると5〜6回まわしてください。トントンと型をテーブルに打ち付ける方法も有効ですが、あまり強く落とすと空気が入るおそれがあるため気をつけてください。
コツ5:型ごと逆さまにして冷ます
焼き上がったら、型ごと逆さまにしてそのまま完全に冷まします。型の筒部分にワインの瓶を差し込んで冷ましてもOK。
焼き上がったばかりのシフォンケーキは、生地が安定していません。逆さにせずに冷ますと、シフォンケーキの重みで生地がつぶれてしまうおそれがあります。また完全に冷まさずに型から外すとしぼんでしまうため、しっかり冷ましてから外してください。
材料(17cmシフォン型1台分)
卵黄生地
卵黄:60g(Lサイズ約3個分)
グラニュー糖:20g
メレンゲ
卵白:60g(Lサイズ約3個分)
グラニュー糖:50g
サラダ油:30g
牛乳:50g
薄力粉:70g
バニラオイル:5~6滴
作り方
1. 卵黄と卵白に分ける
卵を卵黄と卵白に分け、大きめのボウルに入れます。卵白は泡立てる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。
オーブンを180℃に予熱します(天板や網を使う場合は、予熱の段階からオーブンに入れます)。
ワンポイントアドバイス
使用する道具は水気や油分が付いていない、きれいな状態のものを使いましょう。また卵白に卵黄が混ざるとメレンゲが泡立ちにくくなるので、混ざらないよう注意してください。
2. 卵黄とグラニュー糖を混ぜる
ホイッパーでほぐした卵黄にグラニュー糖を入れ、素早く混ぜます。全体が白っぽくなるまでしっかりとすり混ぜましょう。
3. 2にサラダ油と牛乳を加える
サラダ油と牛乳を湯煎で人肌に温めます。
2のボウルの底に布巾を敷いて固定したら、サラダ油を加えて乳化するまでしっかりと混ぜます。牛乳を加えてよく混ぜ、バニラオイルを加えてさらに混ぜます。
ワンポイントアドバイス
サラダ油や牛乳をひと肌程度に温めると、生地のふくらみがよくなります。
4. 薄力粉をふるい混ぜる
4のボウルに薄力粉を振るい入れ、しっかりと混ぜます。
※しっかりと混ぜないと失敗の原因になります。
5. 卵白を泡立てる
卵白を軽くほぐし、コシを切ります。全体が同じくらいゆるくなったら、空気を含ませるようにして泡立てていきます。
軽く泡立ち始めたらグラニュー糖を3回に分けて加え、その都度しっかりと泡立てます。
ワンポイントアドバイス
グラニュー糖を数回に分けて卵白に加えることで、きめが細かくつぶれにくいメレンゲを作ることができます。
ハンドミキサーで泡立てる場合は、卵白のみを低速でほぐし、グラニュー糖を加えたら中速でゆっくりと泡立て、ツノが立ったら1分ほど低速にしてきめを整えましょう。泡立てすぎを防ぐことができます。
6. メレンゲの状態を確認する
つやが出てきたら状態を確認します。ホイッパーを持ち上げて上を向け、先についたメレンゲのツノが、軽くおじぎをする状態がベストです。
7. メレンゲを卵黄生地と合わせる
メレンゲの1/3を卵黄生地に加え、ホイッパーで全体がきれいに合わさるまで混ぜます。
8. 残りのメレンゲを加えて混ぜる
残りのメレンゲをゴムベラで軽く混ぜ、全体を均一な固さにします。7の生地をメレンゲのボウルに入れ、底からすくうように混ぜていきます。
1回混ぜたらボウルを回して、約30回程度混ぜましょう。気泡がつぶれないように気を付けながら、やさしくゆっくりと作業するようににしてください。全体がきれいに混ざればOKです。
9. 生地を型に流し込む
型に一気に流し入れます。流し入れたら、表面をならしましょう。
10. 気泡を抜く
竹串や菜ばしを型の中の底につくように生地に刺し、のの字をずっと書き続けるように、外側を2周、内側を2周します。
11. 放射線状に線を付ける
シフォン型の中央から外に向かって5~6か所、スプーンや細いゴムベラを使って線を入れます。こうすることで、きれいに膨らみやすくなります。
180℃に予熱したオーブンで30〜35分焼きます。
12. 焼き上がりを確認して冷ます
割れ目の部分に竹串を刺して引き抜き、何もついてこないようなら焼き上がりです。
瓶などに筒の部分を刺して逆さにし、しっかりと冷まします。倒れないように注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
すぐに型から外したり、逆さにせず冷ましたりすると、ふくらんだシフォンケーキの生地がつぶれてしまいます。逆さにして冷まし、完全に生地が冷めてから外しましょう。
13. 型から外す
シフォンナイフを使って、型から外したら完成です。
失敗してしまう原因は?
失敗の原因
メレンゲを泡立てすぎている、または泡立てが足りていない
生地を混ぜすぎている、または混ぜが足りていない
オーブン温度を正確に設定できていない(高すぎるor低すぎる)
焼き時間が短すぎる
しっかり冷めていない状態で型出しをしている
失敗例1:腰折れ(側面部分が折れ曲がる・くぼむ状態)
冷まし足りないときや、焼き時間が短いときに起こる現象です。割れ目までしっかり色がつくのを目安に焼き、冷ますときは必ず逆さにしましょう。型が冷たいと感じるくらい、しっかり冷ましてから外すのがベストです。
失敗例2:大きな空洞ができる
オーブンの温度が高すぎたり、混ぜ方が足りなかったりすることが原因です。急激に温度を上げてしまうと、なかの気泡が大きく膨らみすぎてしまいます。しかし、低すぎる温度もNG。立ち上がりが悪く、目詰まりを起こしてしまいます。また、卵黄生地と卵白の混ぜ方が足りない場合にも気泡ができてしまいます。
失敗例3:底上げ(底面部分に空洞ができる状態)
底の部分に大きく一周穴ができて上がってしまっているものから、指先程度の穴ができてしまうものもあります。こちらはメレンゲの状態やオーブンが原因です。
つやがあってツノの先が軽くおじぎをするくらいのメレンゲは、失敗が少なくて済みます。オーブンが原因の場合は下火不足。対策方法としては、足つき網、またはオーブンの四隅にココットを置いて網をのせ、シフォン型をその上に置いて焼くといいですよ。
ポイントを押さえて究極のシフォンケーキを焼こう!
シフォンケーキ作りを成功させるにはいくつかのポイントがあり、奥深いもの。しかし、コツさえ押さえて丁寧に作れば、ふわふわに仕上がるので、ためらわずにぜひ挑戦してみてください。
基本のシフォンケーキをマスターしたら、紅茶や抹茶、チョコレートやフルーツ入りも作ってみましょう。きっとお気に入りの味が見つかるはずです♪
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
ライター:稲吉永恵(野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ)