忙しい毎日でも少しの意識と時間でできる「食事と運動のプラスワン」
日常生活に少しのプラスで手軽に始められる「食事」と「運動」のヘルスケアについて、専家に教えてもらいました。
日常で意識したい食事の取り方
教えてくれたのは…
白井由紀さん 高橋ウイメンズクリニック 管理栄養士
タンパク質は量と種類が大切
タンパク質の構成成分であるアミノ酸は内臓、筋肉、皮膚など体の組織を作るために必要です。20種類のアミノ酸が体の組織を作っているなか、必須アミノ酸である9種類は食品で補給する必要で、どれか一つでも少ないと十分に体の組織を作ることができません。
食品に含まれるタンパク質によって含まれるアミノ酸も異なるので、肉、魚、卵、大豆製品といった、さまざまなタンパク質源の食品をまんべんなく取るのが望ましい食べ方。カロリーを気にしてサラダチキンばかり、豆腐ばかりと偏らないように注意。
朝食をとっているといってもパンや、おにぎりだけになっていませんか? 実は朝のタンパク質摂取は筋肉作りを助け、体温を上げて代謝量を増やすのに重要なのです。朝食にタンパク質を多く摂取した高齢女性は、筋肉が増えやすくなっていたという研究結果もあります。
また、主食のみの食事は血糖値が上がりやすく太る原因にも。とはいえ、朝は忙しい人も多いでしょう。納豆、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルトといった、すぐ食べられるタンパク質食品を上手にプラスして、朝を元気にスタートさせましょう。
炭水化物は、より栄養が高いものを
米、パン、麺類といった炭水化物の中でも精製された白い穀物が原料のものは、食物繊維やビタミンB1、ビタミンEが多く含まれている外皮や胚芽が取り除かれています。このような理由から、精白米より玄米、白いパンより全粒粉パンやライ麦パン、うどんよりそばを選ぶとこれらの栄養素が取れます。
さらに、パンを食べる際は固いものだとベスト。そしゃく回数が増え、消化のスピードが緩やかになり血糖値急上昇を抑えられます。家庭で雑穀米や全粒粉パンの用意が難しければ外食を利用する時に選んでみては。
ビタミン類は野菜でも取れる
食塩や食卓塩として売られている塩は固まりにくいので扱いやすいのですが、実は精製された塩であり99%を塩化ナトリウムで占めています。一方、自然塩は海水を自然乾燥させた昔ながらの製法で作られ、マグネシウム、カリウム、カルシウムといった天然のミネラルを含んでいます。肉や卵中心の食生活だと、どうしてもマグネシウムが不足になりがちなので調味料で上手に摂取する方法も。また自然塩の味は、ほんのり甘みも感じられるのが特徴で料理に使うと奥行きのある味わいが感じられます。よい塩梅で利用を。
ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼け予防に役立つとされます。そんなビタミンCと言えば果物を想像しがちですが、ビタミンCを多く含む食材は野菜にもあり、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、ゴーヤといった緑色の野菜が該当します。特にブロッコリーは野菜の中ではタンパク質も多めで、代謝アップと美肌に欠かせない食材でもあります。シミ、そばかすを気にするなら、ブロッコリーを始め、これらの緑色の野菜を普段の食卓に登場させて。
アルコールの摂取時には
アルコールを摂取すると体内のビタミンB1が消費されます。ビタミンB1はエネルギー産生に必要な栄養素で、不足すると疲れやすくなります。それをふまえて飲酒の際はビタミンB1を含むものと一緒に食べるのがベスト。ビタミンB1を補える食材はレバー、豚肉など。また枝豆や豆腐も該当するので、家飲みでも簡単に用意できそう。またアルコールには食欲を抑えるホルモンを減少させる作用があるので、ついつい食べ過ぎになりがちに。サラダや酢の物といった低カロリーのものを優先に、高カロリーの揚げ物はシェアして。
硬くなった筋肉を緩めるストレッチ
教えてくれたのは…
阿部朋広さん 柏市在宅リハビリテーション連絡会所属 理学療法士
肩・肩甲骨のストレッチ
(1)両腕を写真のようにあげます。
手のひらは正面に向け、前や後ろに傾けないように。
(2) (1)の状態で、手のひらは正面に向けたまま、腕を肩から後ろに引きます。
これ以上ひけないところで、20秒~40秒静止。
腰・お尻のストレッチ
(1)座った姿勢で片足を反対の足の上に乗せます。
(2)上体を前方に傾けます。痛いと感じる7割程度のところで、静止して20秒~40秒。
足を組み替えて同様に、左右1回ずつ。
腰・背中のストレッチ
(1)片方の手を頭の後ろにあて、もう片方の手は反対側の脇腹へ。
呼吸を止めないように意識してください。頭に、あてた手とは反対方向に傾け、20秒~40秒静止。
(2)その状態で肘を前に出すようにひねると、より背中が伸びます。左右1回ずつ。
★ワンポイントアドバイス★
同じ姿勢のまま1時間以上動かないと、血流が悪くなって、それが痛みの原因になることがあります。 1時間に1度くらいは、意識的に動くことが大切です。 今回紹介したストレッチは、どれも休み時間や隙間時間にできるものなので、ぜひやってみてください。