布袋寅泰が音楽学校の特別講師に就任 BOØWYを続けられた理由や「ギターに恋した」エピソードを振り返る
エンタメ領域の専門性の高い分野に特化したスクールを運営するバンタンは2月18日、ユニバーサル ミュージックと提携し、デジタルに特化した音楽専門学校を2026年4月に開校すると発表した。学校名は「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサル ミュージック」で、KADOKAWAグループのS高等学校や今年4月に開校するZEN大学などとも提携し、大学・高卒資格を取得することができる。
バンタンは今年で60周年を迎え、全国5都市、17拠点で11スクールを運営している。これまでに21万人以上の学生を輩出しており、デジタルを軸とした多様なスキルを習得した卒業生が多方面で活躍している。一方、ユニバーサル ミュージックは、Mrs. GREEN APPLEを始め、imaseやずっと真夜中でいいのに。など200以上の邦楽アーティストが所属しており、日本の音楽業界を牽引している。ユニバーサル ミュージックの藤倉尚社長兼CEOは、「アーティストの成長は速く、スタッフもその成長に追いついていかないといけない。そういった人材を探すことは急務だという思いから、今回の提携に至った」と話す。
海外の音楽市場は、CDの減少に伴い縮小傾向にあったが、ストリーミングの増加でV字回復しており、2023年には4兆円規模にまで拡大している。日本の音楽市場も2023年は前年から9.7%成長し、3372億円にまで拡大している。アーティストにとっても、レーベルと契約をしなくてもYouTubeやニコニコ動画などで自由に発信できるようになり、音楽コンテンツの民主化が起こっている。
バンタンはこうしたエンタメ業界の動向を踏まえ、音楽制作はもちろん、プロモーションや配信、著作権の扱いまでデジタルを活用したスキルを包括的に学び、即戦力として活躍できる人材の育成を目指す。
また、同日には「バンタンミュージックアカデミー」の発表会が開催され、特別顧問に就任したアーティストでギタリストの布袋寅泰が登壇した。意外なことに最初に習った楽器はギターではなくピアノだったという幼少期のエピソードを披露した布袋寅泰は、「14歳の時に楽器屋で見つけたエレクトリックギターに恋をして」ギターに転向したという。
そして、伝説的なロックバンドで、自身もギタリストとして参加したBOØWYの話も披露し、「たまたま群馬の仲間と19歳の時にBOØWYを結成して、それから解散まで6年、ブレイクして売れたのは最後の2年で、あとの4年はなにをやっても空回りで、ライブハウスで客の反応を見ながらいろいろなトライをしましたね。続けられたのは、結束が固かったから。誰にも似てないオリジナリティを意識していたし、勢いもあった。ファンも音楽に対する熱い応援や力もあった。あとは単純に格好良かった」と、当時の思いを語った。
さらに、コロナ禍で音楽活動40周年を迎えた2021年には日本武道館での無観客ライブも経験した。「折角の周年なのに勘弁してくれよという思いだった。当時はロンドンにいたが、恐怖も感じたし、これからどうなるかと不安にも思った。だが、音楽を辞めようと思ったことはない、これしかないから辞めるわけにいかない。自分がやりたいことがリスナーにもスタッフにも伝わらなく、葛藤した時期もあったが、そういったもどかしさを武器にしてきた。だから、やるんだ、続けるんだという理由になる。悔しさが欲しくて50歳にロンドンに行ったというのもある。つねに楽器と対話している感じで、空っぽでもギターを抱きしめると湧いてくる。自分以外になろうとせず、自分自身でいる、そのためにいろいろな経験をすることが大事ではないかな」と、「バンタンミュージックアカデミー」へ入学を希望する学生たちに熱いメッセージを送った。