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小学校の冬休み、こだわり炸裂!?宿題で号泣、早朝縄跳び…自閉症娘のちっとも「休まらない」過ごし方

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小学校の冬休み、こだわり炸裂!?宿題で号泣、早朝縄跳び…自閉症娘のちっとも「休まらない」過ごし方

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

学校があってもなくても大変!?長期休みの困りごと

学校がある期間は、娘の送り迎えをしたり(娘の通う小学校では、特別支援学級在籍の場合は保護者の送迎が必須)、行きしぶりの対応をしたり、学校と連携をとったり……。保護者の出番が多すぎて、正直早く学校が休みにならないかなと思うことがよくあります。実際「また送迎や娘の調子をみながら生活するのか〜長期休み終わらないで〜」と考えることも何度もありました。しかしそれはそれ、これはこれで、娘には特性が爆発する「長期休みでの困りごと」があります。

特に小学3年生の冬休みは大変でした。冬休み前日の終業式、帰ってきた娘は私に元気に言うのです。「今日中に冬休みの宿題全部終わらせる!」と……。算数と国語のドリルに加えてプリントが数枚、さらに書き初めの宿題もあります。どうみても1日で終わる量ではありません。やる気満々の娘を説得しようと、努めて冷静に話し合おうとしましたが、何を言っても「でもやりたい」「早く終わらせたい」「やってみないと分からない」と返答があるばかり。やる気があるのは良いことだし、とりあえずやってみて自分で気づけばいいか……とやらせてみると、数時間後には手が痛い、できない自分はなんてダメなんだ……と悔し泣きをする娘の姿が……。

そこで、私は「自分はダメな子だ」と泣いている娘を励まして、改めて娘と話し合い、残っているプリント数枚と書き初めは2日目(正確には冬休み1日目……)にやることで納得してもらったのでした。

冬の定番「縄跳び」で娘の完璧主義が炸裂!?

翌日、プリントと書き初めも終わってほっとしていると、縄跳びの宿題もあると言い出す娘(なぜかそれは最初の日に終わらなくてもよかったようで……ほかの宿題と何が違うのかはよく分かりません……)。

縄跳びの宿題は15級〜1級まであり、それぞれの級に技の種類と回数が書かれていました。クリアしたら色が塗れるのですが、娘はそれを「全部クリアしたい!」と言うのです。ここから娘の「縄跳び特訓地獄」に付き合う日々が始まりました……。

娘は、自分で立てた目標に毎日挑戦しましたが、やはり全部クリアのハードルは高く、失敗する度に「できない」と悔し泣きをしていました。娘の目標を高く持ち頑張るところは尊敬していますし、素敵だと思います。でも、失敗するたびに泣く娘を励まして、褒めて付き添い続けるのがしんどい時もありました。娘は冬休み中、できるまで悔し泣きをしながら毎日縄跳びをしていました。

長期休みぐらい母はゆっくり寝たいのに… 5時半起床の娘に起こされる毎日

冬休みは「寒いしゆっくり寝たい」とよく考える私ですが、娘は毎日朝の5時半に起きます(夜9時に寝るので睡眠障害ではないそうです)。わが家は賃貸のアパートで音が響きやすいため、娘がゴソゴソするとその気配で起こされてしまいます。ゆっくり寝正月なんて言っていられません。放っておくと、娘は朝の6時から縄跳びに行こうとするので、あわてて止めます。アパートの敷地内での早朝縄跳びは、ご近所の迷惑になることも気になるところです。娘にもそのことを説明して、代わりに公園に朝一から行ってみたりしましたが……付き合う親はただただ眠く、寒かったです(笑)。

今年ももうすぐ冬休みがやってきます。早起きは「健康にいい!」と思ってあきらめますが、宿題については今年の夏休みにもバトルしたばかりなので、今回は無理のないスケジュールで取り組めるよう、冬休みが始まる前に娘とよく話し合ってみようと思っています。

執筆/マミヤ

(監修:室伏先生より)
マミヤさん、長期休みでの困りごとについて共有してくださり、ありがとうございました。
発達の偏りのあるお子さんの中には、思い描いていた通りにいかなくても、状況に応じて臨機応変に調整することや、全部できなくてもここまでできたからよしとすることが、難しい場合があります。そのような場合には、気持ちの切り替えができずにパニックになってしまったり、自分を責めて自己肯定感の低下に繋がってしまいがちです。完璧主義の思考パターンがある場合には、物事の捉え方を変えてみる練習をすることもとても重要なことです。努力家で真面目なお子さんには、できないからあきらめさせるとか、頑張りすぎをセーブするというアプローチではなく、別の方向性の目標をたてるほうが受け入れやすくなるかもしれません。例えば、今後大人になっていくためにとても重要な、スケジュールを立てることを今季は目標にしてみようとか、できないことがあってもまぁいいかって考えられたらこのご褒美シールを貼るようにしようとか、全てを早く完璧に終わらせること以外にも、重要なことがたくさんあることを知ってもらう方法です。

向上のために努力を継続できる真面目さや自分への厳しさは誰にでも真似できるものではなく、強みになることも多いです。毎日さまざまな葛藤を通じて成長しているしぇーちゃん、少しずつ視野を広げて、自分を許してあげることが上手にできるようになっていきますように、応援しています。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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