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中野区役所『カフェテリアナカノヤ NYAcafe』で栄養満点おしゃれなカフェランチ。ヘルシーでおなかも心も満たされる!

さんたつ

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都内主要駅へのアクセスがよく、若者が多く住む街として知られる中野区。2024年に開庁した中野区役所新庁舎の1階のカフェテリアでは、思わず「ここ、本当に役所の中?」とつぶやいてしまいそうな、おしゃれで満足感のあるランチが食べられる。

カフェテリアナカノヤ NYAcafe(かふぇてりあなかのや えぬわいえーかふぇ)

食堂とカフェが1カ所にまとまったカフェテリア

JR、私鉄、地下鉄とエリア内に数多くの駅があり、利便性の高い中野区。特に中野駅周辺はサブカルチャーの聖地として有名な「中野ブロードウェイ」をはじめとしたディープなスポットが多く、外国人観光客からも人気だ。

個性的な店舗が軒を連ね人通りが途切れることのない中野サンモール商店街。この先に中野ブロードウェイがある。
2023年に惜しまれつつ閉館した中野のシンボル、「中野サンプラザ」。向かって左隣に見えるのは解体中の中野区役所旧庁舎。

2024年に竣工した中野区役所の新庁舎は、中野駅北口を出て徒歩5分ほどの場所にある。解体が始まっている旧庁舎の前を通り過ぎ、けやき通りをまっすぐ進むと、格子状のフレームに覆われたスタイリッシュな建物が見えてくる。

格子状のフレームはデザイン性だけでなく建物の耐震補強にもなっているそう。

新庁舎の1階は、大型モニターを備えた屋内イベントスペース「ナカノバ」、アートの展示などを実施するパブリックスペース「ナカノのナカニワ」、ワークショップスペース「シェアノマ」と、区民が交流できる場が設けられており、いつもにぎわっている。

『カフェテリアナカノヤ NYAcafe』もその1階にある。屋外イベントスペース「ナカノのソトニワ」に面していて、大きな窓から見える緑がすがすがしい。

庁舎裏手の出入り口からすぐ。店頭には焙煎前のコーヒー豆がディスプレイされている。

店を運営するのは、中野で創業し、都内、沖縄、台湾でコーヒー豆専門店『珈琲や』を展開するJINフードビジネスコンサルティング。代表の前田諭史さんに店名の由来を伺った。

「ここは食堂とカフェ、2つの店が1カ所にあるイメージなんです。食堂が『ナカノヤ』でカフェが『NYAcafe』。NYAは中野のNに、『珈琲や』からYAを引っ張ってきました」

店頭のカウンターでは中野区内の街のイラストがパッケージになったドリップコーヒーを販売している。
窓の外は屋外イベントスペース「ナカノのソトニワ」。

ランチメニューは定番のそば、うどん、ラーメン、パスタ、定食など種類豊富。

「区民のための食堂としてどうあるべきか。ただ腹を満たすだけの場所ではなくて、きちんと健康的に食べれるようなものをメインにしたい」と前田さん。では本日は、ランチで一番人気という一汁三菜定食をいただきます!

ランチの一番人気は栄養バランスのいい一汁三菜定食

定食メニュー。左上が人気の一汁三菜定食(NYA週替りメイン定食)。

まずは店頭のセルフレジで食券を購入。メニューを選んで画面をタッチし、支払いを済ませると自動で厨房に注文が入るシステムだ。食券を買ったら席に座って待とう。

セルフレジは現金にもキャッシュレス決済にも対応。

厨房カウンター上部のモニターに表示される番号が「調理中」から「出来上がり」のほうに移ったら、食券を持って厨房カウンターへ取りに行く。待つことほんの数分。

入り口近くのカフェカウンターにもモニターがあるので、どの席からも確認できる。
一汁三菜定食770円。メイン料理におばんざい2種、味噌汁、五穀米。

一汁三菜定食のメイン料理は週替わりで、この日はトマトきのこソースのハンバーグ。少し酸味のあるソースで食べるハンバーグは、どこか懐かしい味わい。ぷりぷりしたきのこがたっぷりのっていて、食べごたえ充分!

日替わりのおばんざいは、1品目が切り干し大根。お出汁がじゅわっとしみこんでいて、とってもおいしい。ほっとする味わいだ。

2品目はいんげんと蒸し鶏のゴマ味噌和え。ほどよい甘さとコクがあってご飯がすすむ。

切り干し大根とピーマンって、とっても相性がいい。
ゴマの風味と味噌の旨味が味わい深い。

ご飯は栄養価の高い五穀米。付け合わせの野菜サラダもたっぷり。体も喜ぶ大満足のランチをごちそうさまでした!

街中のカフェにも負けないワンプレートメニュー

料理のこだわりについて、料理責任者の鴫田知英(しぎたかずとし)さんに話を聞いた。

「味はもちろんですけど、見映えですね。『こんなの区役所で食べられるんだ!』っていうものにしたい。そういうことをきちんとしたうえでスピーディーに提供できる仕組みを確立できています」

料理責任者の鴫田知英さん。代表の前田さんとは同い年で「なんでも言い合える仲」なんだとか。

そんな鴫田さんのおすすめが、ランチタイムはもちろん、カフェタイムにもオーダーできるワンプレートメニュー。「カフェ利用の女性のお客さまも多いので、オープンから半年ほど経って店の運営が落ち着いてきたころに『もっとお客さまが喜んでくれるものを』と作ったメニュー」とのこと。

ほほう、それはぜひともいただいてみたい! 定食を完食した後なのですが、食券買ってきます!

ミート国産牛ビーフカレーセット1080円。

ワンプレートメニューにはミート1080円とベジタブル980円があって、それぞれ国産牛ビーフカレーorキーマカレーを選べる。今回チョイスしたのは、ミート国産牛ビーフカレーセット。うわー、超豪華! 見映えも抜群!

左上から右回りに五穀米、カレー、鶏の南蛮漬け、ポテトサラダ、いんげんと蒸し鶏のゴマ味噌和え、ローストビーフ、キッシュ。真ん中にグリーンサラダ。

ではカレーからいただきます。ひと口目からピリッとした辛さを感じる、スパイシーな本格カレーだ。

味の決め手は赤ワインと8種類のスパイス。「大人向けのカレーです」と鴫田さん。

鶏の南蛮漬けはボリューミーな鶏肉にまとわせたタルタルソースが美味! ポテトサラダは間違いない王道の味わい。日替わりの小鉢(いんげんと蒸し鶏のゴマ味噌和え)の隣にはローストビーフがどーーーん! ものすごくやわらかくてソースもおいしい! 「低温調理で時間をかけて作っています。ソースはオニオンしょうゆソースです」と鴫田さんが教えてくれた。

3時間かけて仕込むというローストビーフ。

そして筆者がすっかり気に入ってしまったのは挽き肉とほうれん草のキッシュ。これ、ホールで売ってもらいたいです!

ほうれん草がたっぷり入ったキッシュ。グリーンサラダには特製のコールスロードレッシングがかかっている。

“役所の食堂”としてお値段を見ると「1000円越え!?」と思うかもしれないけど、この見映えと内容で1080円って破格だ。街中のカフェだったら1500円は下らないはず。

「正直、『そんなに手間をかけて大丈夫?』って思わなくもないです」と代表の前田さんは笑う。経営者目線で言うとそうなりますよね。

「『区役所の食堂なんて、こんなもんだよね』って思われたくないんです。それを一歩でも二歩でも超えてやろうと思っています」と鴫田さん。

店頭のモニター画面にはメニューだけでなく地域のイベント情報なども発信している。

区役所の建て替えがあると耳にしたときから「庁舎内に食堂をつくるならぜひうちの会社で」と、こつこつ準備を進めていたという前田さん。「区役所内の食堂の運営事業者として選んでいただいた以上は、きちんと向き合いたい。区の事業への協力も惜しみません」と話す。

中野区役所周辺はイベントの多いエリアだ。大きな公園が隣接していることもあり、週末には庁舎の内外で何かしらの催しが開かれている。取材当日、前田さんは区役所の職員さんとの打ち合わせで大忙し。「職員さんたちが近寄りやすい、使い勝手のいい“1階のカフェ”でありたい」とほほえむ。

中野サンプラザ閉館までの半年を撮影し、3万枚超の写真をコラージュして製作された、写真家・西野壮平さんによる作品が壁に飾られている。

……そういえば、『NYAcafe』のルーツである『珈琲や』のコーヒーをいただきそびれた! 帰り際、「ナカノのナカニワ」に立ち寄って持ち帰ったイベントのチラシを眺めながら、またすぐに中野区役所に足を運ぶ機会がありそうだなーと思っていたところだった。次はゆっくりコーヒーをいただこう。

カフェテリアナカノヤ NYAcafe(かふぇてりあなかのや えぬわいえーかふぇ)
住所:東京都中野区中野4-11-19 中野区役所新庁舎1F/営業時間:9:30~20:00LO(土・日・祝は11:00~)※ランチは11:00~14:00LO/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩5分

取材・文・撮影=マルヤマミキ

マルヤマミキ
編集・ライター
横浜生まれ、横浜育ち。バンド活動をしたり古文書を読んだりして学生時代を過ごす。好きなことは食べることと飲むこと、うるさい系の音楽を聴くこと、野球観戦、歴史散策。好きな飲み物は日本酒とビールとホッピー(マイ黄金比はホッピー1本でナカ6杯)。

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