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古径の師、梶田半古からの系譜たどる110点 小林古径記念美術館で企画展

上越タウンジャーナル

新潟県上越市出身の日本画家、小林古径の師である梶田半古(1870〜1917)にちなんだ企画展が2025年12月14日まで、同市本城町の小林古径記念美術館で開かれている。挿絵画家としても知られた半古の多彩な作品や、影響を受けた弟子たちの作品計110点を飾る。

《画像:半古の多彩な作品など110点を飾る会場》

東京生まれの半古は、13歳頃から浮世絵師の鍋田玉英に師事し、その後独学で古典絵画を学んだ。西洋画にも影響を受けながら、的確な写実に基づいた独自の画風を築き上げ、展覧会などに出品する一方、読売新聞の連載や小説の挿絵を手掛け人気を博した。1893年(明治26年)頃からは画塾を開き、古径や前田青邨(せいそん)、奥村土牛(とぎゅう)などを輩出した。

企画展「梶田半古から古径・土牛へ」は3章構成で、半古と門下生の古径、土牛の作品を並べ、近代日本画の一つの系譜をたどる。

《画像:人物画を得意とした半古の「静御前」「清少納言」などが並ぶ》

1章では人物画を得意とした半古の「静御前」や「清少納言」「おくに歌舞伎」といった作品をはじめ、源氏物語の場面をモダンに描いた絵葉書54枚、日本画の入門書として執筆した「画事入門」など、半古の幅広い活躍を見て取れる。

《画像:源氏物語の場面をモダンに描いた絵葉書》

《画像:半古(手前4枚)と弟子古径の作品を見比べられる》

2章では挿絵などの半古の作品を模写し、技術を磨いた古径の素描や模写作品、3章では半古が亡くなってからの古径の「羅浮仙」や絶筆「牡丹」、色彩で魅せた土牛の「ぶどう」「朝顔」など、初公開の作品も含め展示している。

《画像:半古が手掛けた読売新聞の挿絵などを古径が模写》

笹川修一館長は「半古の作品は線が奇麗で、細かいところまで丁寧に描かれているため品がある。展示を通して古径の原点が半古にあることが分かると思う。日本画の一つの流れに着目してほしい」と話している。

会期中の11月15日午後2時からは作品鑑賞会がある。開館時間は午前9時〜午後7時。月曜休館、祝日の場合はその翌日。

梶田半古から古径・土牛へ - 上越市ホームページ( https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/kokei/kokei-r7kikaku3.html )

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