【葉山 ショップレポ】COOK&DINE HAYAMA - 暮らしに寄り添う一生モノの調理道具を提案してくれるお店
葉山の森戸海岸に近い住宅街の一角、COOK&DINE HAYAMAの店内に足を踏み入れると、料理が好きな人は一瞬で虜になります。
見やすく並べられた鉄の鍋やスキレットは、どれも重厚な存在感を放ち、職人の丁寧な手仕事で作られた調理道具たちから、毎日使って欲しい、長く使ってほしいという想いが伝わってきます。
「鉄鍋伝道師」のオーナーの山口壮一さんに、おすすめの商品を紹介してもらいました。
料理未経験から鉄鍋伝道師へ──山口壮一さんの原点
山口さんの転機は、百貨店勤務勤務時代に雑誌「dancyu」とのタイアップ企画でダッチオーブンに出会ったこと。
「それまで料理をしたことがなかったので、ダッチオーブンに食材を入れるだけで、こんなに美味しい料理ができるのか!と衝撃を受けました。」
この驚きが山口さんを料理と鉄鍋の世界へ導き、36歳で独立。
三浦半島の新鮮な食材と、それを美味しく食べるための調理道具をセットで提案するネット通販の事業を始めたそうです。
しかし、元来人が好きな山口さんは、コミュニケーションが少ないネット通販のスタイルが物足りなくなり、2011年に葉山にCOOK&DINE HAYAMAの店舗をオープンしました。
「COOK&DINE HAYAMA」の店名の通り、当初は物販スペースの奥にレストランを併設。
鉄鍋や鉄のフライパンで作った料理を、レストランで味わってもらうスタイルだったそうですが、併設スタイルを継続することが難しく、オープンから1年で物販に軸足を移すことに。
「重い、手入れが大変、というイメージが強い鉄鍋や鉄のフライパンは、店に並べているだけでは売れません。」
そこで、料理教室を開催し、参加者に実際にフライパンなどを使ってもらい始めたところ、好評になり、事業が軌道に乗っていったそう。
現在は葉山の本店のほか、三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド店、名古屋中日ビル店と3店舗まで拡大しています。
COOK&DINE HAYAMAで一番人気がある料理教室は、「手作りベーコン講座」。
2025年7月初旬時点で、111回も開催しているそうです。
私も参加したことがありますが、手作りベーコンの手軽さと美味しさに衝撃を受けました。
人気商品ベスト3──使い勝手で選ばれた道具たち
COOK&DINE HAYAMAの商品セレクトの基準は明快。
「美味しい」「一生モノ」「使い勝手」を重視し、値段や流行、売れる売れないに関わらず、
山口さん自身が日々愛用し、その使い勝手に惚れ込んだ逸品が並んでいます。
中でも人気が高い商品は、山口さんの経験を活かしてオリジナルで開発した調理道具たち。
人気の高いTOP3の商品をご紹介します。
■1位:AOMフライパン 26cm 9,350円(税込)/ 28cm 10,450円(税込)
「無人島に一つだけ持っていくなら、これ」と語るのが、COOK&DINE HAYAMAオリジナルの鉄フライパン「AOM」。
鉄のフライパンを使うハードルを上げているのが、「鉄のフライパンはこびり付き易い」というイメージではないでしょうか?
焼いた時のこびりつきを軽減するために、通常は購入してから使い始める前に、高温でフライパンを焼き付ける「シーズニング」という作業が必要です。
AOMはこの手間を省くために、仕上げ工程で高温で熱し、こびり付きを防ぐための酸化被膜を作っているので、すぐに使い始めることができます。
「フッ素樹脂加工のフライパンと鉄のフライパンは全てにおいて正反対」と山口さん。
重さ・耐久性・価格など違いは色々ありますが、一番の違いは温度の入り方だそう。
「フッ素樹脂加工のフライパンでソーセージをパリっと焼こうとすると、熱が強く入り過ぎます。だからソーセージの皮だけ焦げてしまい、中身が生っぽくなる。
対して蓄熱性の高い鉄のフライパンは、食材への火の入り方がやさしく・ゆっくり。ソーセージの皮が焦げる前に中身までしっかり熱が入ります。ゆっくり加熱することで皮が破けず、肉汁が逃げません。
中まで徐々に加熱していくので旨みたっぷり、ジューシーに仕上がりますよ。」
山口さんの話を聞いているだけでも美味しさが想像できてお腹が空いてきます。
ちなみにフライパンには厚みも重要。
ペラペラな鉄フライパンは、フッ素樹脂加工と同じように熱の伝導が早いので、鉄フライパンならではの料理を作るなら、ある程度厚みのある鉄フライパンがおすすめだそう。
■2位:山田工業所・打ち出し中華鍋【青焼き】 30cm 10,890円(税込)
「野菜炒めの質が段違いなる」というのが、COOK&DINE HAYAMAオリジナルの鉄製中華鍋。
鉄フライパンでもフッ素樹脂加工のものよりは美味しくできますが、中華鍋は表面積が広く、野菜に火が通る面積が広いので、炒める時間も鍋を振る回数も少なくて済むのがポイント。
野菜炒めに限らず、短時間で火を入れたい中華の炒め物全般は、フライパンと中華鍋を使い分ける方が良いそう。
「中華鍋は短時間でしっかり火を入れるために、フライパンと違って薄く作っています。」
手に取ってみると、確かに見た目の割に軽くて驚きました。
中華鍋を買うなら、専用の中華のお玉も一緒に買ってほしいそう。
中華鍋のお玉は、“すくう”ためでなく、“炒める”ためのものとして設計されているので、湾曲した中華鍋の側面に食材を広げるのに最適。
「中華お玉の有無で、料理の仕上がりに差がでます」とのこと。
中華鍋もAOMと同様に酸化被膜を作った状態で販売されているので、家庭ですぐに使えるそう。
中華鍋・お玉・熱くなる持ち手部分を覆う皮のカバーがセットで販売されていて、かなり欲しくなりました。
■3位:CUYURI オリジナルスモーカー 25,300円(税込)
山口さんが、手作りベーコン講座を90回程開催した時に、「もっと美味しいベーコンを作りたい!」と、自身の経験を元に研究を重ねて開発した、しっとりジューシーなベーコンが家庭で作れるオリジナルスモーカー(燻製器)です。
煙が少ないので、家庭のコンロで簡単に燻製が作れます。
「CUYURIは、通常の家庭用スモーカーより大きいので、燻製時間が長いと思われがちですが、熱源から距離があることで、空気の対流が発生し、逆に短時間で美味しく仕上がります。」
私は数年前にこのお店の手作りベーコン講座に参加し、美味しさに驚いてその場でCAMERONSという初心者用の燻製器を購入し、日々手作りするようになりました。
「講座の参加者には、まずは値段もサイズも手軽なCAMERONSでベーコン作りを始めてもらい、CUYURIにステップアップすることを勧めています。
CAMERONSを使っている人にCUYURIで作ったベーコンを食べてもらうと、味の違いに感動してもらえるんですよ。」
たしかに、CUYURIで作ったベーコンを食べさせてもらったら、しっとりさが段違いでした。
ベーコンを切っただけで絶品の一皿ができあがり。ワインが飲みたくなります。
使って伝える──“提案する店”としての姿
COOK&DINE HAYAMAの特徴は、売るだけではなく“伝える”ことにあります。
山口さんはグリルパンについて、
「すごく綺麗な焼き目ができて、余分な脂が落ちるというメリットと、部屋に煙が充満するというデメリットを正直に伝えます。
そして、その煙が炭火の煙と同じく美味しさの元になるので必要なものという説明をした上で選択してもらいます。」
ベーコン・ローストビーフ・肉の焼き比べなどの料理教室を開催するのも、購入者の選択肢を増やすための提案の一つ。
「実際に味わって比較することで、使用感や自分の生活に取り入れた時のイメージが膨らみます。興味がある人は、購入する前に、ぜひ各種料理教室に参加してみてほしいです」と山口さん。
料理は毎日をクリエイティブに人生を豊かにする
画像出典:COOK&DINE HAYAMA HAYAMA
「日々の食事を作る際に、毎日レシピ本通りに素材を買い集める人は少ないですよね。冷蔵庫の残り物で何を作るか? 安売りされていた採れたてのナスで何を作るか?そんな風に考えることは、とてもクリエイティブなこと。」
山口さんは、料理は"想像力と感性を活かす創作活動"だと考えています。
「この素材をこう調理したら、こんな味になるかな?と想像して、自分が作った料理がその通りになったら嬉しいですよね。
焼くだけだって、美味しく焼いたら立派な料理。自分が想像した味と作った料理の比較を重ねることが、日常の面白さ、ひいては人生の豊かさにつながると思います。
だから料理はできた方が絶対に楽しい。」
道具選びは、暮らし選び。「選ぶ」からはじまる、暮らしの楽しみ
COOK&DINE HAYAMAでは、鉄の調理道具をはじめ、木の器や南部鉄瓶、漆器、陶器や台所の小物。
そして山口さんが惚れ込んだ調味料や食品も取り揃えています。
どれも暮らしに寄り添いながら、使うたびに愛着が深まるものばかり。訪れるたびに、どれを手に取るか悩む楽しさがあります。
画像出典:COOK&DINE HAYAMA HAYAMA
2025年7月13日(日)、人気ブランドconteとのコラボイベント「1日限りのconteフェア」が開催されます。
機能性と美しさを兼ね備えた「まかないボウル」などの製品が並ぶほか、14時からは製造元・江口広哲氏を招いたトークイベントも実施予定。
COOK&DINE HAYAMAと共同開発した「CUYURIスモーカー」誕生の裏側を聞ける、貴重な機会になりそうです。
当日は、対象商品購入でポイント5倍の特典も用意されています。
COOK&DINE HAYAMAが届けているのは、単なる“便利な道具”ではなく、「暮らしの楽しみ方」そのもの。
「よい道具があれば、料理がもっと楽しくなる」、「料理ができると人生の楽しみが増える」、「料理を通して、それぞれの豊かな人生を楽しんで欲しい」、そんな山口さんの想いが丁寧に選ばれた店内の商品から感じられます。
「いつもの料理を、もう少し美味しくしたい」
そんな方は、まずフッ素樹脂加工のフライパンから鉄の道具に変えてみてはどうでしょうか?
道具の選び方と使い方をはじめ、味の違いを体験できる料理教室が随時開催されています。
詳細は、COOK&DINE HAYAMAのInstagram またはホームページをご覧ください。
COOK&DINE HAYAMA HAYAMA
営業時間
10:00〜17:00
定休日
月・火(祝祭日の場合、翌日振替)
電話番号
046-877-1104
支払い方法
現金、カード、電子マネー、QR決済(楽天Pay・PayPay)
アクセス
JR横須賀線逗子駅 京急逗子線新逗子駅よりR134方面経由バス「風早橋」下車、徒歩7分
(風早橋信号の隣、ひとつ逗子寄りの信号を入る)
または 海岸通り廻りバス「元町」下車、徒歩5分
住所:〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内563
駐車場:あり 5台