アジア料理好きにも推せる! タイ米をパラパラ食感でおいしく炊ける三菱電機「本炭釜 KAMADO」
アジア料理やエスニック料理が大好きな筆者は、ずっと前から三菱電機のIH炊飯器「本炭釜 KAMADO NJ-AWB10」が気になっていました。なぜなら、長粒米(タイ米、ジャスミン米、インディカ米のこと)専用の炊飯モード「長粒米モード」が搭載されているからです! 今回は、「長粒米モード」を集中的に使ってみました。
タイ米は「早炊きモード」より専用の「長粒米モード」で炊くほうが断然おいしい!
パラパラとした口当たりと香りが特徴のタイ米(ジャスミン米/ジャスミンライス、インディカ米)は、研がずにすすぐ程度で留め(香りを消さないため)、浸水工程は省いて、短時間で炊くのが一般的なようです。じっくり吸水させて甘みを引き出し、ふっくらと炊き上げる日本米(ジャポニカ米)とは真逆と言える炊飯方法もしれません。そのため、日本米に合わせて作られている日本国内の炊飯器でタイ米を普通に炊くと、粘りが出てパラパラとした炊き上がりになりにくく、香りも飛びやすいのだそう。炊飯器でタイ米を炊いている人の中には、標準的な白米の炊飯モードより短時間で炊き上がる「早炊きモード」を使用している人もいるようです。
今回紹介するIH炊飯器「本炭釜 KAMADO NJ-AWB10」(以下、NJ-AWB10)にも、白米を普通に炊く(炊飯時間は約46~55分)よりも短い、約19~25分で炊き上がる「お急ぎ」(いわゆる早炊きモード)は用意されています。しかし、日本米のおいしさを引き出すための炊飯プログラムになっているため、タイ米には「長粒米モード」(炊飯時間は約23~32分)を使用。吸水時間と蒸らし時間を短くし、本炭釜の高火力で一気に加熱することで、タイ米特有の香りを損なわず、パラパラとした食感に炊き上げるそうです。
想像以上にいい出来だったのですが、早炊きモードで炊いても似たような炊き上がりになるのでは?という疑念が残っているのも事実。ということで、筆者の実家にあるIH炊飯器の早炊きモードで、ジャスミン米を2合炊いてみました。炊飯時間は、NJ-AWB10の長粒米モードより若干短い程度です。
炊飯工程の時間を短縮しているとはいえ、早炊きモードも、日本米をおいしく炊けるように粘りやもちもち感を引き出す炊飯プログラムとなっているようです。そのため、ジャスミン米(タイ米)であっても粘りが出て、パラパラとした食感にはならなかった模様。炊飯時間はほとんど同じですが、長粒米モードのほうがタイ米の特性を生かした炊き上がりになることが確認できました。
長粒米モードで炊いたタイ米は冷蔵庫で保存できる?
NJ-AWB10の長粒米モードでは、炊飯後、そのまま炊飯器でごはんを保温することは非推奨となっています。1合から炊けますし、炊飯時間も約23~32分と短いので都度炊いてもそれほど負担にはならないかもしれませんが、筆者は普段、ごはんは1度にたくさん炊いて冷凍保存しておく派なので、できればタイ米も冷凍保存したい……。なので、長粒米モードで炊いた前出のジャスミン米を冷凍保存し、その後、電子レンジで解凍・温めをしてみました。
ちなみに、長粒米モードで炊いたジャスミン米で作ったチャーハンをお昼に食べて、食べきれなかった分を冷蔵室で夕食まで保存。その後、電子レンジで解凍・温めをしてみましたが、大きな食感の変化はありませんでした。
日本米も粒感のある炊き上がり!
ここまで長粒米モードを紹介しましたが、もちろん、日本米もおいしく炊き上がります。特に、粒感が最高! 近年、日本国内のIH炊飯器の上級機では圧力IH方式が主流ですが、三菱電機は従来から圧力をかけないで炊くIH方式を採用しています。一般的に、水の沸点が100℃以上にできる圧力IH方式のほうが甘みと粘りが強いごはんに炊き上がると言われているものの、その半面、やややわらかめの食感になる傾向。それに比べ、非圧力式はほどよい甘みと硬ささのある炊き上がりとなる印象です。今回使用したNJ-AWB10も、その特性を生かした炊き上がり。三菱電機によると、圧力をかけずに炊くことで、米を包み込み、うまみを閉じ込める水分「保水膜」が崩れないため、みずみずしさと粒感のある食感に炊き上がるのだそう。また、発熱が早く熱伝導にもすぐれる炭素材の内釜「本炭釜」を採用し、かまどを再現した断熱構造で熱を逃がさずに効率よく加熱することにより、炊きムラが抑えられ、ふっくらとした炊き上がりになるのも特徴。炊き上げ工程でも火力を弱めずに連続沸騰を続けられる構造となっているので、米のうまみもしっかり引き出されるといいます。
<関連記事>「本炭釜 KAMADO」の炊き方のメリットについては前モデル(NJ-AW109)でチェック!(基本構造はNJ-AWB10と同じ)
では、白米を炊いてみましょう。白米の炊飯コースは、好みの粘りや硬さで炊ける「炊き分け名人」や米の銘柄に合わせて炊く「銘柄芳潤 白米」なども搭載されていますが、今回は、「ふつう」で炊いてみました。
また、冷凍保存しても粒感は健在。電子レンジで解凍・温めを行うと、ごはんがベチャっとなることが多いのですが、NJ-AWB10で炊いたごはんは粒感が残っていました。
さらに、NJ-AWB10には「まとめ炊き(冷凍用)モード」が新たに搭載されました。このモードは、通常の炊き方よりもじっくり吸水させ、炊き上げ時の温度上昇をゆるやかにすることで甘さを引き出す炊飯プログラムになっているのだそう。いったん冷凍して解凍・温めを行った時に、通常の炊き方で炊いた時と同じ粒感とおいしさになるといいます。
今回、検証は筆者の実家で行ったため、ごはんを数日間冷凍保存しての試食はできませんでした。その代わりに、筆者の母が試食してくれたのですが、3日ほど冷凍保存して電子レンジで解凍・温めをしてもどちらもベチャッとせず、粒感があったとのこと。まとめ炊き(冷凍用)モードで炊いたごはんのほうが、粒離れがよりいいような気がするけれど、どちらもベチャっとしないからいいね!と高評価でした。
まとめ
長粒米モードは一般的な炊飯器には搭載されていないモードなので、比較しようがありませんが、タイ米を炊くのによく使われる早炊きモードより、断然、タイ米らしい炊き上がりでした。お店で食べる食感や香りに近く、不満はまったくありません。炊飯中、タイ米特有の香りが部屋に漂い、小学生の姪っ子たちが「変なニオイがする」とさわいでいましたが、炊き上がったジャスミン米で作ったチャーハンやガパオは気に入ったようで、「もっと食べる!」とおかわりを求められました。あまりにも本格的な炊き上がりだったので、アジア料理にハマっていて家でも作っているという筆者の友人に教えてあげたいと思いましたが、その友人はひとり暮らし。5.5合炊きタイプのNJ-AWB10はちょっと大きい。三菱電機の炊飯器には長粒米モードを搭載した「本炭釜 NJ-VWC10」「備長炭 炭炊釜 NJ-VXC10」「備長炭 炭炊釜 NJ-VVC10」「備長炭 炭炊釜 NJ-VVC18」もラインアップされていますが、これらも5.5合炊き(NJ-VVC18は1升炊き)タイプなので、3.5合炊きタイプにも機能を拡充してほしいです。
とはいえ、長粒米モードはあくまでもサブ機能。普段は、日本米を炊くことがほとんどだと思いますが、その炊き上がりも、もちろんおいしい。なにより、粒感がいいのが最高。圧力IH炊飯器で炊いたごはんよりもっちり感は少なめですが、筆者は粒立ちのある炊き上がりが好きなので、まったく問題なし。普段、あまり白米をたべない姪っ子たちもNJ-AWB10で炊いたごはんは好みだったようで(口当たりや喉ごしがいいので食べやすいのかも?)、いつもよりたくさん食べていました。粒感のあるごはんや硬めの食感のごはんが好きなら、NJ-AWB10は大満足できる炊飯器だと思います。