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【川崎市】神奈川県川崎競馬組合 武川晴俊副管理者独占インタビュー 伝統の川崎記念(4月8日)を前に、新トレセン整備への固い決意と、川崎競馬の未来図を語る

タウンニュース

武川晴俊副管理者と川崎競馬マスコットキャラクターカツマルくん

小回りコースの攻防「KAWASAKIカーブ」と命名し発信、公式グッズショップの本場開催時常設も

今年は60年に一度の「丙午(ひのえうま)」。その勢いに乗じ、川崎競馬もかつてない活況を呈している。正月開催では5万人を超えるファンを魅了し、4月には伝統の「川崎記念(JpnI)を控える。華やかな舞台の裏では、さらなる「強い馬づくり」を目指し、新たなトレーニング・センター(トレセン)整備という、将来に向けたプロジェクトも始動している。昨年末、平塚へのトレセン移転断念をめぐり、一部で批判的な報道もある中、神奈川県川崎競馬組合の武川晴俊副管理者が真相を語った。地権者との約束、水害対策への危機感、そして「馬と人」を想う情熱。重要ミッションを担うキーマン、武川氏の胸中に迫った。

――今年は「午年」。正月から非常に活気があると伺っています。

武川氏:はい。馬は「物事がうまくいく」「前進」「成功」を象徴し、非常に縁起が良い干支とされています。特に今年は60年ぶりの「丙午(ひのえうま)」の年で、勢いとエネルギーに満ちて活動的な年になると言われています。この丙午の縁起にあやかり、川崎競馬をこれまで以上に盛り上げたいと思っています。今年の正月開催(1月1日〜4日)は、おかげさまでコロナ禍以降初めて5万人を超えるお客様にお越しいただきました。

――ネット投票が普及する一方で、リアルな競馬場の魅力も再注目されていますね。

武川氏:最近ではインターネットで競馬を楽しむ方も増えてきていますが、やはり馬の息遣いや、馬場を疾走する足音など、迫力あるレースを目の前で観戦する醍醐味はインターネットでは味わえません。川崎競馬場は最寄り駅から徒歩圏内とアクセスも便利ですし、走路と観戦エリアが近く、レースの迫力がダイレクトに伝わります。

――レースの迫力という点では、川崎競馬場の独特なカーブについても、新しい発信をされているとか。

武川氏:川崎競馬場の特徴として、走路が一周1,200mという小回りコースとなっているため、カーブがきつく、騎手の高度な技術や駆け引きが求められ、激しい攻防が見ものです。より多くの皆様に「驚き」を提供したい、川崎競馬のことを知っていただきたいとの思いから、この急コーナーを、私たちは「KAWASAKIカーブ」と呼んで発信しています。

――最近はアニメやドラマの影響もあり、競馬ファンが新たな層へと広がっています。グッズ販売にも注力されているそうですね

武川氏:正月の開催にも、若い女性やカップル、お子様連れのお客様が目立ちました。内馬場にある芝生広場には遊具もありますので、お子様連れでも安心して楽しめる環境を整えています。川崎競馬公式グッズショップ「カツマルシェ」では、公式キャラクターのカツマルくんのぬいぐるみや、競馬ファンにはお馴染みのおがわじゅりさん、辻智子さんとのコラボグッズなど、様々なグッズを販売しています。4月からは本場開催中は毎日オープンしますので、ナイター観戦の思い出づくりに、かわいいカツマルくんグッズやお気に入りの騎手の推し活グッズなど、ぜひご購入いただければと思います。

――4月8日には、「川崎記念」が行われます

武川氏:4月の開催は4月6日から始まりまして、8日(水)には川崎競馬のレースの代名詞ともいえる川崎記念(JpnI)を開催します。このレースは昭和26年1月に川崎競馬場の開設1周年を記念して行われ、今年75回目を迎える歴史あるレースです。これまでも数々の名馬を輩出してきました。ナイター照明によって浮かび上がる走路を疾走する馬たちの姿はとても感動的です。桜が舞い散り、心地よい夜風が吹き始める季節ですので、ぜひ、ご家族やお友達をお誘いあわせの上、また、競馬場が初めてという方にもご来場いただきたいです。

平塚へのトレセン移転断念の真相明かす

――一方で、将来に向けた大きな経営課題として「トレーニング・センター」の移転整備があります。これまでの経緯を教えてください。

武川氏:私は令和5年6月に副管理者に就任しましたが、円滑な競馬開催と同時に、トレーニング・センターの移転整備という最重要ミッションにも取り組んでいます。令和元年の東日本台風(台風19号)の際、小向(川崎市幸区)にある練習馬場が水没し、競走馬やきゅう務員の方々がいるきゅう舎地区は浸水寸前の状況にまで陥りました。「施設の安全性と安定した機能の確保」と「強い馬づくりを実現する調教施設の整備」のためには移転による機能強化が不可欠だと判断し、これまで検討を重ねてきました。

――昨年末、候補地だった平塚への移転を断念されました。その理由は?

武川氏:まず、当該候補地の売却は公募という形態でした。
限られた準備期間しかない中で公募に参加し、幸いなことに優先交渉権者に選定されました。候補地はもともと市街化調整区域であり、現状のままでは、トレセンを整備することができません。
そのため、優先交渉権者となってから、トレセン整備を可能とするために必要な都市計画法に規定される地区計画の策定について、地元自治体等と相談を始めました。
その相談の中で、元々敷地に余裕がない上、地区計画上設定される緑地率による有効面積の減少、地元自治体や地元の皆様から頂いた様々な意見・要望への対応等、解決困難な種々の課題が判明してきました。
そうした中、優先交渉権者である当組合と地権者様との間で約束していた時期までに、地区計画の策定を終えることが困難なことが明らかになりました。より正確に言うと、同計画がいつ策定できるのか、見通しが立たなくなってしまったもので、これが断念に当たっての最も大きな理由となりました。
先ほども申しましたとおり、水害対策としてのトレセン移転整備が急務であった当組合にとっては、見通しの立たないスケジュールの遅延は受け入れ難いものでした。

――11月末の新聞報道では、地元自治体との間で、認識の相違があったようですが。

武川氏:地権者様や地元自治体、地元の皆様には、このような結果となった経緯をご説明させていただくとともに、これまでのご協力に深く感謝申し上げました。特に地元自治体には、昨年8月下旬から丁寧に説明を重ねてきましたが、地元自治体の記者会見の場で「10月末に突然断念を告げられ納得できない」等の事実と異なる強い批判を受けたことは、正直に申し上げて大変ショックでした。

――また、先月の一部報道では、地権者から「地区計画策定の目途は立ったと両者で認識していた」、「地区計画の策定期限の延長に組合側も合意していた」ともありましたが。

武川氏:地区計画の策定については、全く目途が立っていませんでした。また、策定期限の延長につきましても、両者の間で合意に至ったというような事実もありません。なぜ、そのような説明をされたのかは分かりかねるところです。報道によれば、地権者様は当組合と締結した優先交渉権に係る基本協定について、組合の都合による解除とおっしゃられているようですが、協定上、地区計画の策定期限超過が確実となった場合、協定が失効することになっており、組合による自己都合解除ではありません。

――地権者が提訴する意向を示しているようですが、どのようにお考えですか。

武川氏:地権者様が地元説明会において提訴意向を表明し、それを対外的に公表されたことについては、報道で始めて知りましたが、遺憾の意を禁じ得ません。当組合にあっては、これまで、地権者様や地元の皆様のご意見を真摯に受け止め、対応してきたところです。一時とは言え、平塚の地でのトレセン整備について真剣に協議させていただいた身として、非常に残念に思っています。

――これまでの間、反論せず沈黙を貫いてこられたようですが、なぜでしょうか。

武川氏:繰り返しとなりますが、やはり地元の皆様の心情を考えてのことでした。本件は、当組合と地権者様との私経済上の取引に関わることであり、当組合から反論を行うことで事(こと)を大きくしては、地元に悪印象を与えることにもなりかねません。また、地権者様との秘密保持の約束も理由の一つに挙げられます。基本協定が失効した場合にあっても、秘密保持条項は依然として有効なため、公にされていない事実を当組合が主体的に公表することはできず、記者会見による説明などもできませんでした。
しかし、一方の主張ばかりが報道されていることに耐えられなくなった、というのが正直な気持ちです。

――思うところはありながらも、地元への配慮等から反論等をしてこなかったのですね。最後に、平塚への移転断念に関し、お伝えしたいことはありますか。

武川氏:当組合としても平塚への移転に注力してきましたので、このような結果となってしまったことは本当に残念に思います。トレセン整備のための協議等にご協力いただいた地元の皆様や地元自治体の職員の皆様、地権者様には今でも感謝しています。トレセン整備の検討過程で得られた知見の中には、次の大学跡地利活用事業者様の検討に生かせるものもあると思われますので、地元の皆様のためにも、協力させていただければとも考えています。

新トレセンへの想い「強い馬づくりへの歩みは止めない」

――トレセンについて、次の候補地に向けた検討はどうなっているのでしょうか?

武川氏:近年は練習馬場・きゅう舎地区での水害の頻度も高くなっており、平塚への移転を断念したからといって立ち止まっている暇はありません。目下、次の候補地の検討に邁進しているところです。

――次の候補地の検討を始めているとのことですが、「新しいトレセン」の整備に向け、どのような考え方で進めていくのでしょうか。

武川氏:私が考えているポイントは4つあります。1つ目は繰り返しになりますが、何より「早期の移転」を実現することです。水害対策という側面からも待ったなしと考えています。2つ目は「強い馬づくりに資する施設」です。心肺機能と筋腱の基礎的鍛錬に必要な練習馬場、筋力や持久力の更なる鍛錬に必要な「坂路」を整備する予定です。3つ目は「安全・安心、快適性に配慮した馬にやさしい施設」です。余裕のある馬房スペース、空調換気設備やゴムマットの敷設等により、アニマルウェルフェアにも配慮した、馬がリラックスできるきゅう舎等を整備したいと考えています。4つ目は「働きやすい環境づくり」です。日々、深い愛情をもって馬と接しているきゅう務員等、馬に携わるすべての方が安全で快適に働くことができる環境を施設の面からも整えていきたいと考えています。
こうした考えに基づいてトレセンを造るだけでなく、移転先の地域の方々に快く受け入れていただけるような施設も併せて造りたいと考えています。また、移転先の自治体と密に連携しながら、地域の方々にしっかりと説明し、温かく迎え入れていただけるよう努めていく所存です。加えて、こうした考えに基づき整備するトレセンが移転先の地域の活性化にも資する施設となるよう、整備計画をまとめていきたいと考えています。

――最後に、ファンの皆様へメッセージをお願いします。

武川氏:一刻も早くトレセン整備を具体化し、将来にわたって持続可能な川崎競馬の道筋を示したいと思っています。これからも当組合は、多くの愛馬と川崎競馬に携わる全ての関係者と力を合わせ、夢と感動をお届けする場所を作り、お客様に楽しんでいただけるよう、様々な取組みを進めてまいりますので、これからの川崎競馬に、どうぞご期待ください。

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