花盛りの冷感・涼感グッズ、使う時には注意も必要!?
明日にも梅雨明けか??という話もありますが、いよいよ夏が始まります!今年は梅雨の間も真夏のように暑い日が多かったのに、本格的に長~くて暑~い夏を思うと、考えただけでくたびれます。
しかしその暑さのおかげというか、せいでというか、冷感・涼感グッズは花盛り。売れ行きもかなり好調です。ということで、今日は冷感・涼感グッズに関するお話。
みなさん、どんな暑さ対策グッズ、使ってますか??
まずは、みなさんがどんな暑さ対策グッズを使っているのか、聞いてみました。
▼「シーブリーズのシートタイプ。拭いて外出ると涼しさが保てるというか。あ、スースーします。」
▼「扇風機と汗拭くシート、あと首にかける冷たいタオル、使い捨ての。いや、扇風機は絶対。逆に無くてどうやってみんな過ごしてるんだろうみたいな。」
▼「最近よくこの首にかける、名前忘れちゃいましたけど冷えるやつ。あれは良く使ったりしてますね。やっぱり首元冷やすと身体全体冷たくなるっていうか、体感だいぶ変わると思いますね。」
▼「子どもは、濡らして首にかけるタオルみたいなの使ってます。熱中症とか、暑すぎるので。たぶん、ちょっと借りたらヒンヤリ冷たかったので、効果はあるかなって思ってます。」
▼「シートだけですけど、使いたいやつはあります。なんかミストで冷たくなるやつを買おうとと思ってる時です、今ちょうど。体感温度がちょっと下がるみたいな。肌に、シュッシュッってミストをかけるみたいな。それをどうしても欲しいんです。この間見に行ったら売り切れだったんであ~と思って。そのちょっとでも温度が下がればいいかな、みたいな、身体の。」
みなさん色々お使いです!汗拭きシート、ミニ扇風機、ひんやり素材で出来た首に巻くタオル(何度も使えるもの、使い捨ての物)、首にひっかけて使うネッククーラー、アイスリングとも言われるもの。他にも、ひんやり素材や、汗をサッと蒸発させる機能性Tシャツ、服にシュッと振りかけるとヒンヤリするもの、などなど・・・。
みなさん、少しでも快適に、汗をかかないように、体の温度を少しでも下げて、熱中症にならないように、工夫している、ということでした。
汗拭きシートは汗が出なくならない程度に!!
しかし、これらの冷感・涼感グッズ、使う時には注意が必要だというのは、ご存知でしょうか??
まずは汗拭きシート。初めて登場してから今年で25年。最新技術で一度汗を拭くと、その後3時間サラサラが続きます、といったものから、メンソール成分が入っていて、長時間スースーするものまで様々ありますが・・・。
どんな注意が必要なのか。熱中症予防の研究をしている、広島大学の長谷川博教授にお話を伺いました。
広島大学 長谷川博教授
「暑いと、汗をかく前に、実は皮膚の血流が良くなって熱を放散するシステムが、みなさんあるんですけども、で、うまく熱を放散してるんですけれども、そういった点では、皮膚がすごく濡れてる状態ですと、汗が蒸発しなくなってしまいますので、そういうシートなんかで拭き取って汗をうまく蒸発させることは大事かと思います。
ただ、少し心配なのは、汗拭きシートとか、その粉で汗が出なくなるようにしてしまうと、本来持ってる、汗をかいて熱を放散するっていうことができなくなってしまうことがあるので、その点ではちょっと難しい。たぶんやり過ぎてしまうと危ないという風には思います。脇の下とか、そういうところは仕方ないかもしれませんけども、腕ですとか首だとか、そういうところの汗を完全に抑えるっていうのはあんまり良くないですね。」
もちろん、適度に使えば大丈夫です。ただ使い過ぎてしまうと、身体が本来持っている能力(汗をかいて身体の熱を発散するという能力)が使えなくなってしまうこともあるので、注意して欲しい、ということでした。
確かに、グッズの中には、【寝ている間、一晩中汗を抑えます!】とか、ネットで【信じられないくらい汗が出ない!サラサラが続いてヤバい!】という口コミで爆売れしている商品などもありましたから、使い方、気をつけてください!
冷感・涼感グッズは、熱中症対策とはちょっと違う!?
そして、もう一つ注意して欲しいのが、街の声でも多く聞かれた、首を冷やすアイテム。再び、長谷川先生のお話です。
広島大学 長谷川博教授
「首を冷やすアイスリングとかっていうのは、頸部にある温度センサーを刺激して、冷感覚っていうのを脳に送って、『あ、冷たい。あ、気持ちがいい。』っていう風に、冷感覚とか冷感受性を変えるだけなので、なかなか深部体温が下がるほど冷却効果というのは無いと思います。
で、例えば、スポーツ場面で、すごく暑いときに首を冷やしたり、風を当てたりすると、スポーツのパフォーマンスが良くなるっていう研究があるんですけども、いわゆる脳が、冷たいのでもっと活動上げていいよっていう風にしてしまうと、あんまり実際には体温の冷却効果っていうのは無いんだけども頑張れてしまう。そうすると、がんばった分だけ深部の体温が上昇してしまうので、ひいては熱中症になる可能性はあります。
上手くこの暑熱環境とか酷暑環境を乗り切るという点ではいいと思いますけれども、やっぱり、大きくは、深部の体温ですとか、熱中症で問題となっているような、そういった暑さ対策とはちょっと違うっていうことを理解して欲しいと思います。」
これも、無駄な汗を抑えたり、皮膚の温度を下げることは可能なので、全く冷却効果がないというわけではありませんので、そこはご安心を!
ただし、首の冷感センサーを刺激することで、脳が暑くない!と錯覚するというイメージなので、熱中症で言われる、身体の深部体温まで冷えているわけじゃないんです。
脳が暑くないと錯覚して運動指令を出すことで、身体が頑張れてしまうので、いつもよりちょっと無理がきく、つまり、いつもよりも休憩が遅れる可能性があるんです。
だから、それが続くと、むしろ熱中症になりやすくなってしまう可能性がある、ということは覚えておいて欲しい、ということでした。(ちなみに、冷感スプレーなども同じ仕組みなので注意してください!)
色々なアイテムの仕組みと、身体の仕組みとをよく知って、上手に使って、夏を乗り切りましょう!