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【クレープの日】欲張りさん大歓迎!夢に彩られたお店「chanmo(チャンモー)」

CAKE.TOKYO

illustration by まるやまひとみ

クレープは、子どもの頃から特別なおやつ。頑張ったときのご褒美、母の買い物を待つ間、ちょっと遠出をしたときに…。

あなたにとって、クレープの思い出はどんなものですか?

毎月9のつく日は「クレープの日」。より身近なおやつにしたいと制定されました。

童心にかえる、横浜の個性豊かなクレープをご紹介します。

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綱島駅から大綱橋を渡り大倉山駅方面へ。橋からの眺めが壮観で、抜けるような空が清々しい。

10分ほど歩くと、広い道路に面した郊外店の並ぶ通りに秘密基地のような外観に吸い寄せられる。

クレープとジェラートが人気の「chanmo(チャンモー)」は、2024年12月に鶴見から移転オープンしたお店。

北海道から仕入れるこだわりのジェラート、目移り必至のクレープメニュー。エネルギーに満ち溢れた空間でしばしのひとり時間。

CAKE.TOKYO編集部

鶴見から綱島へ。転機は唐突に。

木の温もりとグリーンの扉が可愛らしい

テイクアウトの小窓からは色とりどりのジェラートが見える。ハロウィンらしい装飾もされ、手を振るかのようなガイコツが店内へと誘う。

扉の向こうにはカラフルな椅子が並び、ご主人が作り上げたという手作り感満載のベンチにテーブル。アジアンテイストの装飾も。

ご主人の遊び心が光る店内。

鶴見の店は2019年にオープンし、コロナ禍の苦労を経て地元密着のお店として親しまれていたが、2024年夏、テナントビルの解体により急遽立ち退きを余儀なくされる。

寝耳に水だったといい、その時は目の前が真っ暗に。先が見えなくなり「これからどうしようか」と途方に暮れたという。

しかし、まだ道半ば。踏ん張りたい気持ちが引き合わせてくれたかのように、運良く綱島に移転先が見つかり、約半年で再スタートを切ることができたそう。

雑貨店にあったら欲しい、この時計もご主人のオリジナル。

がれき同然の室内を自分たちで一からリノベーション。奥行きを活用して以前はなかったイートインスペースを設けた。

この辺りはファミリー層が多く日中は静か。ランチ時でもゆっくりくつろげる設計に。中は広々としているのでベビーカーでの入店も可能だ。

ある日突然ジェラート屋に!?

北海道産の食材を使ったジェラート。アフォガードにも気持ちが揺れ動く。

移転前、ご主人は美容師として働く傍ら「お菓子を売りたい」という気持ちがあったといい、思い立ったように美容室の横にジェラート店を開いた。

ある日届いたジェラートのショーケースに奥様は驚いたそう。商店街という場所柄もあり「鶴見唯一のジェラート店」としてすぐに定着。

ほどなくして、クレープの販売もスタートした。好きなクレープ屋の味わいを参考にしつつ、「これが一番おいしい」と思える味を求めて何度も試作を重ね、具材がたっぷりでも重くならず食べやすい、現在の理想の生地にたどり着いた。

ランチにもなるおかず系に、変わり種もいろいろ。

やってみたいと思ったことはなんでもトライするチャレンジ精神旺盛なご主人。時々気まぐれスイーツとしてカヌレやシュークリームも登場する。

その精神を尊重し支え続ける奥様の二人三脚が微笑ましいお店だ。クレープの中身は奥様のひらめきで生まれたものもあるそう。

ムクムクとそびえるクリームの山。隣の人が食べているクレープを見たらつい同じものに興味が湧く。悩みに悩む豊富なメニューから、気になるひと言が付け加えられたクレープを選んでみた。

大人の階段をのぼる!ほろ酔いクレープ(イラストあり)

illustration by まるやまひとみ

今回いただいたのは

●大人ティラミス  ¥750(税込)
●ホットコーヒー  ¥450(税込)

鶴見時代から好評の「ティラミス」に“大人味”が登場。“大人のための大人だけの特別なティラミス”というこちらには、あるものが使われている。

それは…

スポンジにじんわりじんわり丁寧に染み込ませて…

コーヒーリキュール!しかも想像以上にたっぷりめ。

アルコールを使用しているため、お子さんや車を運転される方、配達での注文は不可。

お酒があまり強くない人だと、愉快になって帰ってゆく…なんてこともあるとか。

小麦が香り立つ懐かしい風味。

あっさりとした焼き目で口溶けのいい生地。薄いけれどしっとり柔らかく、生地の重なり合った部分がもちもちとしてこれがクセになる。

まったりコクのあるマスカルポーネクリームに溶け合うホイップクリームの甘さ。

ふわっと立つココアの香りもやさしくほっとする。そこに現れるのが、リキュールしみしみのスポンジだ。

際立つ苦味が凛々しい。

クリームのまろやかさを引き締めるキリッとした後味。さらにコーヒーを口に含めば、そのほろ苦さで今度はクリームの甘さが恋しくなる。

無限ループをテンポよく食べ進め、食べ終えた頃には体はポカポカ。コーヒー好きにはたまらない、至高の大人時間。

こればかりは子どもにねだられても絶対にあげられない。普段は童心にかえるクレープだけど、これはこっそり食べたい逸品。

みんなにおいしく食べてほしい

この日は厳しい残暑で冷たいドリンクを頼む人が続々。

自身の子供が口癖のように「〇〇ちゃんもー!」と誰かの物を欲しがっている様子が愛おしく、誰もが同じようにおいしく食べられるようにとの思いを込めて店名を「chanmo(チャンモー)」と名付けたそう。

下町感が残っていて横の繋がりが深い綱島。

やさしく迎え入れてくれた人たちを巻き込みながら楽しいことを共有したいと企画した「クレープ体験会」やお祭りは、大人も子どもも一緒になって遊べるとして大好評だ。

子どもたちと挨拶をかわすご主人と奥様の姿に、すっかりこの街に馴染んでいるのだと実感。

夢を持つ心を忘れないご夫婦の明るさが、今日も街の人々を笑顔にしている。

秋はコーヒーも一層おいしく感じる季節。

WRITER:まるやまひとみ

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【SHOP INFORMATION】

SHOP:chanmo(チャンモー)

ADDRESS:神奈川県横浜市港北区樽町2-2-21

OPEN:11:00〜18:30

CLOSE:月・火曜日

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