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『ギヴン』名言・名台詞まとめ|モノローグや音楽の比喩で語られる、彼らの言葉に心が揺さぶられる!

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

キヅナツキ先生が描くロックバンドのメンバーたちを中心とする青春群像劇『ギヴン』。新書館『シェリプラス』にて2023年5月号まで連載、惜しまれながらも完結を迎えました。その後、彼らの10年後のストーリー『ギヴン 10th mix』が描かれコミックス化。
 
日本だけでなく海外でも人気で、2024年には原画展を開催。大好評を博し、2025年10月17日から東京、11月には大阪で「ギヴン展-given exhibition-ENCORE」と称して凱旋開催されます。
 
『ギヴン』でのキャラクターの心情はモノローグで語られることが多く、時にはストレートに、時には比喩で、私たちの心を揺さぶってきます。本稿では印象深い台詞をキャラクターごとに厳選しご紹介。みなさんの心には、どんな台詞が刻まれていますか。
 
※本稿にはネタバレ要素が含まれますのでご注意ください。
 

【写真】『ギヴン』名言・名台詞まとめ

上ノ山立夏

この時、鳴らしたコードがまずかったんだ …思えばこの出会いから加速度をつけて俺の世界が動き出したんだと まだこの頃は何ひとつ気付けていなかった(コミックス1巻 code.1)

小6からギターを始め音楽にのめり込み、高校に入った頃には演れることが増えた立夏は、くすんだ日々を過ごしていました。そんな時に目の前に現れた同級生・真冬。真冬が持っていた弦の切れたギターに見かねて声をかけ、弦を直した立夏が鳴らしたコードは、閉ざされていた真冬の心をノックし、立夏の世界もまた動き出します。
 
立夏の台詞で締めくくられた、二人の運命的な出会いのシーン。この時から二人の世界は“音楽”で色づき、そしてのちに立夏は抗えなくなるほどの恋情を抱くことになります。


 

歌ってくれよ、あの曲、俺も好きだよ(コミック1巻 code.4)

真冬にギターを教えることにした立夏。音楽素人のわりに飲み込みが早く耳もいい真冬に好きな音楽について聞くと、脳内で流れる曲を歌い出します。それを聞いて心が震える立夏。
 
真冬の歌を聞きバンドに誘う立夏でしたが、断られ……。そんな折、偶然会った同級生から逃げ出す真冬にバンドをやりたくないことと関係があるのかと尋ねます。「きっと人より表現するの、へたくそだから」という真冬。傷ついた顔をしながら言う真冬を見て、自分が誘ったのはお前の歌に俺の心が動かされたからと言う立夏。縋るようにこの台詞を言い、そのあと「苦しい」と感じるのです。
 
歌を聞いて凄くいいと思う反面、苦しくて穏やかではない感情になる立夏。自分ではまだ気付いていない中で、この時すでに真冬の中にある想いに嫉妬していたのかもしれません。
 

弦、俺に張らせてくれないか …お前がきてから 俺の音は跳ねて途切れて歪んでめちゃくちゃなんだ(コミックス2巻 code.10)

自分が真冬に歌詞を書くように言い、真冬なりに応えようと頑張っていたのを知っていたのに、諦めるような言葉を自分が発してしまったことに悪いと思った立夏。弦を買いに走り、そして自分に切れた弦を直させてほしいと言います。
 
新しい糸を誰かに張ってもらえたら、傷も癒えたりしないか。今は亡き好きな人に伝えたいことを歌詞にすると言っていた真冬の心の傷を癒やしたいという気持ちで、弦を張り直す立夏——。下手くそなりに自分の気持ちを言葉にします。
 
個人的には、真冬の弦を張りながら自分の心の弦も張り替えていたんじゃないかなと思っています。吹っ切れた立夏は、その後平静を取り戻すのでした。


 

「次」があるなら 俺がその「次」になりたい(コミックス3巻 code.12)

ライブを終えた翌日、熱を出して寝込んでしまった真冬のお見舞いに行った立夏。ライブの時の歌詞について尋ねると、あれは失恋の歌と答えた真冬が、次はちがう歌が作りたいと言います。
 
真冬がまた恋の歌を作るとしたら、次の恋の相手は自分がいい。真冬への気持ちがはっきりした立夏が、恋を意識する台詞に胸が熱くなりました。
 

俺は今舞台に上がれるチャンスがある なら、もう音楽で真冬を殴る(コミックス8巻 柊mix_14)

柊たちsyhのサポートと由紀の曲を完成させることに追われ、真冬との時間やギヴンでの活動がおざなりになってしまっていた立夏。ある日真冬に突然会いたいと言われ、終電間際にもかかわらず会いに行くと、真冬の様子がおかしく、さらに音楽を拒まむ態度をとられてしまいます……。始めは凹み、次第に腹が立った立夏でしたが、今は真冬が何かに迷っているだけ。いつものように自分が音楽で引っ張るしかないと思い直します。
 
syhのライブに来てもらい、作った曲を聴かせる。それが今の自分にできること。立夏は音楽で真冬の心を揺さぶってやると決め、改めて音楽に本気で向き合うのでした。


 

ちゃんとあいつのとこまで届いた、と思う あの顔が見れてよかった それに、未完成だったままの由紀をちゃんと返してやれたとも—— 柊と玄純にとっても、——きっと全員にとって正しい向きに進むためのすべてを全うした(コミックス9巻 柊mix_20)

ライブに真冬が来ていたことに気付いた立夏は、由紀の歌を届けられたことに安堵します。由紀が渡すことができなかった気持ちを、真冬に伝えることができた。そして由紀との音楽が中途半端になっていた柊と玄純に心の決着をつけさせてあげることができた。自分なりに音楽に向き合うことができたと満足します。
 
そして「音楽で真冬を殴る」と言っていたとおり、真冬の心は音楽で殴られ、「歌がうたいたい」と思わせることができたのでした。


 

佐藤真冬

俺、さ 本当に、本当に好きな人がいたんだ まだ、俺はこれ以上の言葉を持てないけど伝えたいことはあるって思った、から(コミックス1巻 code.6)

真冬の脳内ソングを曲にしてくれた立夏から歌詞を書いてみろと言われ、「無理」と即答する真冬。けれど「俺はお前の詩で弾きたい」と言われ、考え直すことに。
 
頑張ってみることにした真冬は、返事を求めずに今の自分が思っていることを立夏に伝えます。好きな人に伝えたいことを歌詞にすると言う真冬の言葉を聞いた立夏は、やっと自分の気持ちに気付きます。けれどこの感情を認めていいのか分からず、調子を落としてしまうのです。
 

たぶんきっと 人より伝えるのがへたくそなんだ でも だけど ほんとは いつもほんとは ただ、上手に泣けなくて苦しくて痛くて叫びたいのを 誰かにずっとわかってほしかった すこしだけでいいから(コミックス2巻 code.10)

他の人がするみたいに、泣いたり笑ったりが上手にできない。それを立夏がわかってくれて、自分も言葉にするのが下手だと言って、真冬だけじゃないよと遠回しに伝えてくれて……。ずっと歌えずにだんまりだった真冬は、本番のステージで自分の想いを歌詞に乗せて歌い出します。
 
真冬の歌を聞いて笑顔をこぼす立夏。歌い終わった真冬は、ここまで連れてきてくれた立夏に「ありがとう」と伝えます。


 

あんなつっけんどんな言い方で くしゃくしゃのチケットで 今までこっそりこんな心をもって この人は、贈り物を渡そうとしてたんだ(コミックス9巻 柊mix_19)

syhのライブ当日、偶然雨月に遭遇し今の自分の迷いを打ち明け相談すると、なかば無理やりに会場に連れていかれます。こわい、でもちゃんと聴かないと、と勇気を出した真冬の耳に聴こえてきた歌は、“そこに由紀がいる”と感じられるラブソングでした。
 
多くは語らず、くしゃくしゃになったチケットで真冬をライブに誘う不器用な立夏。それでも、真冬に由紀の歌をプレゼントするなんて、まさに“ビッグ・ラブ”ですよね。真冬に届くようにと歌ったコーラスも最高でした。


 

いなくなってもう会えないと思ってた人が——音楽の中に残ってたのをみつけた みつけられた(コミックス9巻 Final)

デビューシングルを雨月にも贈っていた真冬。雨月から電話がかかってきて「音楽を続けてくれていて嬉しい」と言われます。雨月には素直に不安を口にすることができる真冬。まだこわい気持ちはあるけど、音楽の中には失くしたくない記憶を残すことができると気付いたと話します。
 
由紀との恋に決着をつけることができた真冬は、前に雨月が「なにかひとつ残らないかな」と言っていた時の気持ちを理解します。そしてその答えに辿りついた真冬は、雨月の音楽の中にも残っていると伝えるのでした。


 

ステージに立って 音楽があってはじめて それまで言葉にできなかった色々なことに気付いた たぶん、救われたと思う ・・・ギターをくれてありがとう(コミックス9巻 Strawberry Swing03)

ライブの翌日、真冬の家に来ていた由紀の母・冴子と顔を合わせます。由紀のギターを押しつけ重荷を背負わせたことを後悔していた冴子。けれど真冬はそのギターがあったからステージ立つことができた。言葉にできなかった思い、表に出すことができなかった感情を、音楽に触れたことでできるようになった。自分は救われたと伝えます。
 
ギヴンの名前の由来も、真冬がバンド名に入れたいといった「give」からきているもの。今の真冬はギターをくれた由紀と、音楽の世界に引っ張ってくれた立夏でいっぱいと思うと、切なさと温かさが込みあげてきます。


 
<次ページ:春樹、秋彦、雨月、柊、玄純の名台詞>
 

中山春樹

切れたら直せばいいだろ! 最初もそうやってお前が直してあげたんじゃないの(コミックス2巻 code.10)

歌詞を書くと言ったものの、ライブ本番直前まで歌詞は完成せずバンドの空気は最悪に。しびれを切らした立夏が妥協のような言葉を発し、二人は言い合いになります。手に力が入った真冬はギターの弦を切ってしまい——。心が折れそうになった二人に手を差し伸べたのが春樹でした。
 
バンドのリーダーで、みんなの兄のような存在の春樹。さすがの秋彦でもちょっと動揺していましたが、冷静に和やかに場を治めます。そんな春樹に秋彦は「いつも救われている」と伝えるのでした。


 

三人掛けソファー窮屈そうなの萌える 寝ながらくちモグモグしてるの 可愛さの過剰摂取で死ぬ…(コミックス3巻 code.13)

名言ではないのですが、春樹の可愛さが詰まった台詞。普段は顔がいい秋彦にベタ惚れな春樹ですが、可愛らしい秋彦も好きという、思わず盗撮したくなるほど気持ちが溢れてしまったシーン。
 
好きなものを語るときの早口になるオタクのような語録で、最高にかわいいですよね。
 

そんな顔しないでよ 辛そうな顔しないでよ なんなの言ってよ なんでもしてあげるから(コミックス4巻 code.20)

雨月と言い合いになり帰るところがなくなった秋彦が、泊めてほしいと春樹を頼ってきます。他のバンドのサポートの話を隠していた春樹は、秋彦に様子がおかしいことを気付かれてしまいサポートの話を打ち明けると、秋彦はイラつき流れで手を出してきます。
 
自分が無理やりしてきたのに、辛そうな顔をしている秋彦を見た春樹が「なんでもしてあげる」と言うも、今の秋彦がその言葉を聞きたかったのは別の人からの言葉で……。「お前に言ってもどうにもならない」と言われてしまいます。春樹の心情を思うと苦しい台詞です。


 

待ってやってほしいんです ・・・四人で一緒にやりたいから、ちゃんと待ちたいんです(コミックス8巻 柊mix_16)

ギヴンにデビューの話を持ち掛けてくれたレコード会社の人と春樹が話すシーン。リーダーとしてバンドを代表して話す春樹は、まだ悩んでいる真冬のことを思い待ってほしいとお願いします。絶対に自分たちと一緒に音楽をやることを選ぶけれど、決断に時間がかかるタイプだからと。
 
秋彦とのことで真冬の歌に救われた春樹は、今度は自分が真冬の背を押すひとりになりたいと思っていて、自分にできるのは「待ってあげる」こと。春樹の優しさとギヴンへの愛を感じる真剣な言葉が心に残ります。
 

梶秋彦

4人全員天才じゃバンドはできねえよ 誰かが天才を支えなきゃならないし お前必要だって 俺結構ずっと言ってるよな!?(コミックス4巻 code.21)

秋彦にお前じゃダメと言われたのに住むところがないから助けてくれと言われ、みじめな気持ちになってしまった春樹。ズバ抜けたセンスがある立夏、圧倒的に声がいい真冬、何でもできる秋彦。自分ばかり必死になっている、と悲観的になり自分の必要性を見失ってしまいます。
 
そんな春樹に、“誰からでも求められる調停者”と言っていた秋彦がかけた言葉。春樹は秋彦によってどん底に落とされたのに、引っ張り上げてくれたのも秋彦で……結局秋彦のことを嫌いになれないのでした。


 

いつから音楽がいやになってたんだろう ・・・ああ、音楽が好きだ。(コミックス5巻 code.27)

雨月と上手くいかなかったのは、音楽という障壁があったから。自分が音楽を捨てれば全部上手くいくのでは……と思う秋彦でしたが、雨月と同様に音楽が好きで捨てることができません。
 
そんな迷いを持ったまま臨んだCACのライブ審査でしたが、真冬の歌を聞いて、雨月の演奏を初めて聴いた時と同じ震えを感じます。そしてその瞬間「音楽が好きだ」と気付き、そう思えるようになったのは春樹がいるからだと気付くのです。
 
ずっと音楽をやってきた人が、やっぱり「音楽が好きだ。」と言い切る姿はキラキラしていてかっこいいですよね。
 

俺ヴァイオリンが好きだ ドラムも楽しいけど 今までヴァイオリンに注いだモンは嘘じゃない(コミックス5巻 code.27)

CACのライブ審査を見に来ていた雨月を追いかけ、呼び止め、かけた言葉。この言葉を受けて、「別れ話じゃねぇか」と言う雨月。ドラムを演奏する秋彦に何か引き金があれば化けると思っていた雨月は、ライブでの演奏を聴いて秋彦が“代わった”ことに気付いていました。
 
雨月への想いも本物、音楽に注いだ熱も本物。でも今は新しいものへと動き出した秋彦。ヴァイオリンとドラムという美しい表現で描かれた秋彦の気持ちに胸を打たれました。
 

春樹、さわってもいいですか(コミックス5巻 code.28)

CACの審査後、急に生き方を変え、音楽に真摯に向き合うようになった秋彦。真冬に誘われコンクールに出場し演奏する秋彦を見て、彼を変えたのは雨月なのでは……と想像してしまった春樹は、その場にいられなくなり帰ってしまいます。そんな春樹を追いかけてきた秋彦は、勢い余って想いを伝えてしまい——。
 
驚きと嬉しさで涙を流す春樹に、大切に扱いたいという思いを込めてかけた言葉。春樹に触れたいと思っている秋彦の手が震えているところからも、秋彦も緊張していて、突き放されることを怖いと思っているのだなと感じました。


 

村田雨月

傍にいたい 傍にいたい それでも、音楽を愛している(コミックス4巻 code.17)

想い合っているのに、互いの存在が音楽の世界にいる互いを追い詰めている。そのことに気付いてしまった雨月から別れを切り出したにもかかわらず、離れられない雨月と秋彦。結局自分からは捨てられないので秋彦から離れていくのを待っている、と真冬に話します。
 
今でも好きで傍にいたいのに、音楽のために一緒にいることはできない。秋彦への気持ちと、それ以上に音楽が好きという思いが伝わる、切ない台詞です。


 

なにかひとつ残らないかな 二度と戻らなくても 遠くにいても音楽だけは残ればいいのに(コミックス5巻 code.27)

秋彦が家を出てから、帰ってきてほしい気持ちと、離れられない苦しみが終わってほしいという気持ちで雨月の心は揺れ動いていました。
 
「やだな、この部屋に詰まってるものが全部消えちゃうのは」と言う雨月。きっと秋彦と暮らしいていたこの部屋での幸せだった時間が消えていってしまうのが淋しかったのだと思います。なにかひとつ——音楽だけは残ればいい……。雨月が残したい“音楽”は、秋彦と過ごした記憶なのでしょうか。
 

鹿島柊

とくべつな由紀のまぶしさも とくべつな由紀の音楽も 客席から眺めているだけで十分だった 玄純のとなりで(コミックス7巻 柊mix_8)

玄純に由紀のことが好きだったと勘違いされ、気持ちを伝えても自分とは“好き”の意味が違うと言われた柊。由紀がいなくなった淋しさを埋めるように、玄純によりかかって甘えていたのかもしれないと思い返し涙をこぼします。由紀に憧れ、特別な存在だったのは確か。でも由紀とどうこうなりたいとかではなく、由紀の世界を、玄純のとなりで感じていたかっただけなのに……。
 
由紀のことを特別視し、真冬との世界を聖域に感じていた柊でしたが、立夏が完成させた曲を聴き、由紀もみんなと同じ“普通”に真冬のことが好きだったと気付きます。そして同じように自分も玄純のことが好きだと改めて気付くのでした。


 

俺に上ノ山を貸してくれてありがとう …俺のわがままなんだけど 真冬に聴いてもらいたいんだよなあ 俺のために(コミックス8巻 柊mix_17)

立夏にギターのサポートだけでなく、由紀の歌を一緒にやりたいと言ったことで、立夏を拘束してしまい真冬との時間を奪ってしまったことを悪いと思っていた柊。デビューする前に由紀のことを乗り越えたかった柊は、その曲をどうしても真冬にも聴いてもらいたいと言い、チケットを渡します。
 
幼馴染で、仲が良いが故に悪態をつくような関係でもあるため、ありがとうと言葉にするのは気恥ずかしさがあると思います。由紀の曲は真冬が聴くべきもの。それでも自分のわがままで聴いてほしいと言い方で、ちょっと照れながらこの台詞を言う柊が、素直で可愛らしいと思いました。


 

悔しかったら 俺から取り返せるくらい いい音楽作り続けろよ(コミックス9巻 Final)

デビューしたギヴンのライブを観に来ていた柊たちは、終わったあと差し入れを持って楽屋を訪れます。デビューまでと言っていた立夏のサポートでしたが、次のライブも借りると言い出す柊。絶対楽しいからやろうと言う柊の言葉に、頷く立夏。それを見て真冬はショックを受けます。
 
悪い笑みでこの言葉を言った柊ですが、玄純曰く真冬への励ましなのだとか。幼馴染であることを感じさせる柊なりの背中の押し方に、ほっこりするシーンでした。
 

八木玄純

欲しいもののためになりふり構ってられない 人生くらい捨てられる(コミックス6巻 柊mix_4)

ギヴンにデビューの話が舞い込み、立夏から挑戦してみないかと言われるも、答えを保留にした真冬は玄純を呼び出し相談します。玄純にいつプロになるかどうかを考えたか尋ねると、「柊がやると言えば何でもやる」と返答。玄純には柊と一緒にいるためならなんだってやる覚悟がありました。
 
今まで、気付いたらお互いが手に入っていたような真冬には自分の気持ちはわかないと言い、立夏と一緒に生きていく覚悟か執着がないならやめたほうがいいと告げます。
 
普段無口な玄純がときどき発する大げさな言葉のひとつではありますが、柊を大事に手の中にくるんできた玄純ならではの表現は、ストレートで漢気を感じます。


 

俺は柊のとなりにいるために音楽をやってるし それ以外何もない だから音楽にブレも迷いもない 柊の音楽に殉じれる(コミックス7巻 柊mix_12)

柊と玄純が付き合っていることを知った立夏が、バンドに色恋という余計なものが増えて音楽がブレないのかと玄純に聞いたときの、偽りのない想いが言葉になったもの。
 
音楽は好きだし真剣にやっている。音楽に対して自我はないけれど、柊に殉じるという我を持っている玄純は、ふりきれていますがそれが自分の強みだと言います。本当に柊のことが好きで、大切なんだなと感じさせる台詞です。


  
<次ページ:「ギヴン10th mix」の名台詞も>
 

上ノ山弥生

だってそんなの 昔の恋人が書いたラブレターみたいなものでしょう 地獄みたい(コミックス6巻 柊mix_5)

柊に由紀の曲を完成させたいと言われ、続きを作ることになった立夏。本音ではやりたくないと思っていながらも、デモを聞いて由紀の気持ちを感じとった立夏は引き受けることに。
 
他人の曲の続きを作るということに悩む立夏は、姉の弥生に相談。すると、今立夏がやっていることは絵画の修復に似ていると言われます。作品が伝えたかったことや作り手自身を理解しないといけない。それは立夏が、真冬の元彼・由紀のことを誰よりも理解しなきゃいけないこと。立夏に言った台詞は芸術肌の姉らしい表現だなと思わせる、けれど残酷な例えでした。


 

笠井朱乃

自分が真剣に悩んでいるのを愚図だなんて言わなくていいじゃん? ・・・考える前に適当に進んでみてもいいんじゃない 案外平気だよ(コミックス8巻 柊mix_17)

syhのライブに行けばデビューのことを考えてしまう。それがこわいから、と下駄箱に入った立夏からのチケットを受け取れずにいた真冬。下駄箱を開けて悩んでいる真冬を見かねて笠井さんが声をかけてきます。そこで突然進路のことを聞かれ、自分は愚図で決められないと言う真冬に、伝えた言葉。
 
立夏のことが好きだった笠井さんにとって、真冬は恋敵のような存在。それでも声をかけて真冬の背中を押すようなひと言を言ってくれた笠井さんを、イイコだなって思いました。この言葉で真冬は一歩進むことができたのです。
 

このCD一枚ください ・・・だって、売れると嬉しくない? 初めてのCDなんでしょ(コミックス9巻 Final)

無事にデビューし、初めてできたCD。相談にのってくれたお礼と言って渡してきた真冬に、お祝いだからと言ってお金を渡す笠井さん。
 
売れると嬉しいじゃんと「このCD一枚ください」と言う笠井さんが、個人的に大好きになりました。笠井さんと真冬、意外にいい友達になれそうですよね。
 

「ギヴン 10th mix」より

学校で声をかけてくれた 一緒に音楽をやれた ・・・もう十分だよ 俺をみつけてくれてありがとう(佐藤真冬)

10年経って音楽がパフォーマンスになった今の真冬に、変わったと伝える立夏。そして自分は変われていなくて焦ると言います。自分がもっとできればもっと何かを為すことができる。そういう立夏に真冬は、自分はもう何も要らないと言ってこの言葉を贈り、ずっと一緒に音楽がやりたいと言うのでした。


 

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