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「昭和時代にサラリーマンをやりたかった」という投稿に反発相次ぐ 「普通に働いていればそれでよかった」というのは本当なのか

キャリコネニュース

昭和時代にサラリーマンをやりたかった……

はてな匿名ダイアリーに7月上旬、「昭和時代にサラリーマンをやりたかった」というエントリがあった。投稿者は年齢や職業について書いていないが、昭和を「終身雇用で安定した地位」「誰でもマイホームと家族が持てた」「努力しなくても商品が売れる市場環境」などと讃えたほか、

「夕方には帰宅して、家族みんなでテレビ見ながら晩ごはん」
「普通に働いていれば、それだけでよかった」

などとやけに羨ましがっていた。(文:okei)

「人間関係下手くそ弱者の権利が今より守られてたわけ無いじゃん」

昭和というと戦時中を含めて64年まであるが、投稿者が指すのはおそらく日本の景気が良かった時代だろう。1955~73年(昭和30~48年)の高度経済成長期、平成の初頭まで続いた安定期やバブル期をイメージしているのではないだろうか。

確かにサザエさん一家のように団らんのイメージがあるし、昭和生まれの筆者は子どもの頃はみんなで同じテレビやヒット曲で盛り上がったことを思い出す。父親は働いてさえいれば「家事をしない」なんて文句は言われなかった。しかし、本当にそんなに良いことばかりだろうか。

この投稿には500近いブックマークがつき、注目を集めた。目立ったのは、多くの否定的な意見だ。

「週休2日制じゃないけど大丈夫?」
「インターネットは無いし、エアコンだって無い。トイレの水洗化は地域による。会社ではセクハラや暴力もあり。みたいなのがいいのかなあ」
「うちの父親『裸踊りさせられた』とか言ってて俺にはサラリーマン無理かもとずっと思ってた」

などの声ほか、昭和は禁煙ゾーンもなく、仕事のすべてがアナログだったと思い返す人も。「パワハラされても泣き寝入りが普通で週末に接待ゴルフしないと仕事がもらえない会社になじめるのなら、どうぞ」などの辛辣なツッコミも多い。

当時はパワハラ、セクハラという言葉はそもそも存在せず、問題意識すらなかった時代だ。残業時間も今より多く、過酷な労働環境だった、という指摘する人が多い。

このほかにも「人間関係下手くそ弱者の権利が今より守られてたわけ無いじゃん」「男女の役割分担で変な軋轢がないとか思ってんの男の方だけ」などと投稿者は男性にとって、都合の良い昭和に幻想を抱き過ぎという指摘が相次いだ。

昭和を支えたのはサラリーマンたちの過重労働?

一方、少数派ながら「気持ちはわかる」という人もいたように、終身雇用が魅力的に映るのも理解できる。特に、最近は新型コロナウイルスの影響で非正規社員だけでなく、正社員までもが人員整理の対象になり得る景気の低迷が続いている。「昔は良かった」と感じてしまう瞬間があってもおかしくない。

しかし、70年代後半から80年代前半の日本では、好景気の一方で「過労死」が労災として認められるほど、働きすぎが原因の心疾患、脳疾患による死者数が増加した。ジャーナリストの竹信三恵子氏の著書『家事労働ハラスメント』(岩波新書)によると、 この頃はまだまだ女性が家庭と仕事を両立することは難しかったため、

『夫の稼ぎに依存せざるを得ない女性はいっこうに減らず、その結果、世帯賃金を稼ぐことを迫られた男性たちは長時間労働を受け入れ、1980年代以降、過労死が相次いだ』

とある。背景には、投稿者が憧れを抱いている「終身雇用」「帰属意識」も一因としてあるだろう。会社は定年まで面倒を見る代わりに、長期間の滅私奉公を強いてきた。好景気の昭和は、家事労働に押し込められた女性と、倒れるまで働き続けた男性で支えていたとも言える。

もちろん「ものは言いよう」だ。令和の今を含め、どの時代にも良いことも悪いこともある。投稿者が昭和を羨ましくて思うのは、現在がつらいからに他ならないだろう。

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