長後市民センター 防災士研修、試験会場に 公共施設では市内初
藤沢市は19日、長後市民センター(長後513)が防災士の研修と試験会場になることを発表した。市内の公共施設では初で、市と(株)防災士研修センターが連携。同市民センターの利根川伸さんは「資格取得を機に災害を想定し、各地域での自助共助の意識が高まれば」と市民参加を呼びかけている。
防災士は、認定NPO法人日本防災士機構が「自助」「共助」「協働」の原則に基づき、防災に関する十分な知識や技能を持ち、社会防災力向上のために活躍できる人を認定する民間資格。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ2003年に創設され、これまで全国で約30万人が資格を取得している。市によると、藤沢市内には現在約400人の防災士がいるという。
資格取得は、同NPOが発行する教本を学習した上で、2日間の研修を受けた後、試験を受けて合格すると可能。しかし研修や試験が開かれる会場は限られており、県民が取得する際は月に1〜3度、都内・千代田区の会場か、不定期開催される大学などの会場に行く必要がある。こうした現状を鑑み、同市民センターが名乗りを上げた。
地域づくり担当の声形に
きっかけは、地域づくり担当の利根川さんによる働きかけによるもの。「防災のことをもっと自分事として捉えてほしい」と利根川さんは昨年、親子向けの防災教室を企画。それを機に自身も防災士の資格取得。しかし、研修、試験会場が遠いことに苦慮し、「近場で資格を取れたら市民の防災士が増えるのでは」と考え、同研修センターに開催を依頼した。
市内は震災時、南部が津波被害、北部が土砂災害のほか、長後など住宅密集地では大規模火災の発生、また道が狭い地域は救助車両の到着が遅れることも予想される。こうした事態に備え、「意識改革をし、それぞれの地域の防災会議でリーダーシップを取る人が育ってもらえれば」と利根川さんは期待する。同市民センターの佐藤友哉主査は「藤沢市の人口など考慮すると、避難所の受け入れには限界がある。震災や水害時に地域内で自助・共助できるよう備えるきっかけにしてほしい」と語った。
研修は9月13日と14日に実施される。詳細は同センターHPから。