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「釣りをすると健康になる?ならない?」カロリー消費よりストレス発散効果ありか

TSURINEWS

釣りで健康になる?(提供:TSURINEWSライター井上海生)

釣りをしていると、「これもいい運動になっていたらいいのにな」とぼんやり思うことがある。仕事もデスクワークが中心の人ならば、同じように感じることがないだろうか?実際どうなのか。今回は釣りが果たして運動となりうるのか、またそれ以外にも健康効果はあるのか、そのあたりのことを述べたい。

釣りは「運動」になるのか

結論から述べよう。釣りは運動になるのか、ならないのか?答えは「運動になる」。

そう聞くとうれしい。確かに釣った後の疲れには、運動後の疲れに似通ったものがある。相手が気まぐれな自然相手なので忍耐の神経戦でもあり、頭も疲れる。しかし、実は、釣りの運動とは、ジョギングなどの有酸素運動とはまったく別のもので、脂肪を燃焼することはない無酸素運動だ。

よほど激しく動き回らない限り、釣りで痩せることはない。つまり、みなさんが期待するようなダイエットにはならない。筆者は夏の釣りでは帰宅後には2㎏ほど痩せているが、これはただの水分不足で、むしろ危険だ。

カロリー消費について

一部、有酸素運動に近い、しっかりとカロリーを消費する釣りもある。船釣りがそうだ。3時間の釣行で800~1000カロリーほど消費するらしい。これは3時間~4時間の歩行と同等の消費カロリーだ。ジギング3時間が週末の習慣となれば、少なくとも徹底的な運動不足には陥らずに済むのかもしれない。

オカッパリのアングラーは、釣りの「たたずまい」が船釣りとまず違う。移動しながら釣っても、基本的にルアーも餌もその場でジッとして腕を動かすだけなので、運動にならない。持続的に歩くわけでもないので、多少の脂肪も燃やせないだろう。

疲れても脂肪は燃えない(提供:TSURINEWSライター井上海生)

ちなみに、船釣りでは船の揺れに対処するために、自然に腹部から腰にかけて力が入ることになる。そのため体幹が強くなるそうだ。終わった後にプロテインを飲めば、お腹が割れてくるかもしれない!

ストレス発散効果が高い

「じゃあ、釣りには健康効果みたいなものは何もないのか」とヘコみそうになっているオカッパリのアングラーも、ご安心を。釣りは確かに心身に良い効果がある。特に早朝や日中の釣りは健康的だ。太陽光を浴びると、脳内でセロトニンという物質が作られる。これは幸福感を催すもので、釣っていて「気分がいい」と感じるのは、つまりこのセロトニンがあふれてきている状態なのだ。

また釣りは習慣的に続けることで、散歩や何かの軽い運動と同じで、自律神経を快調に保つ役割があるようだ。交感神経、副交感神経の切り替えをよくする。寝つきがよくなり、寝起きもスッとする。

魚食で鉄分補給(提供:TSURINEWSライター井上海生)

効果があるのかどうか疑わしいサプリメント類を飲む必要はない。週末に釣りをして、規則正しい食生活をしていれば、健康でいられる。ただ、セロトニンに関しては、生成のための酵素としてフェリチンという体内の「貯蔵鉄分」が必要になる。普段から貧血気味の人は、この部分を補うために、それこそ赤身の魚などを食べるといい。

健康な生活の一部に釣りを

慢性的な運動不足を憂いながら、「やーっぱり何もする気にならないんだよな~」となまけ切ってしまう方は、釣りを始めてみてはどうだろうか?釣り人も、身近な、青い顔をしているお友達を誘ってあげてほしい。有酸素運動にはならないが、少なくとも健康維持のための軽い運動と気分転換にはなる。早朝から日の光を浴びてジグサビキでアジやサバをきらきらと鈴なりに釣れば、幸福感があふれてくる。

幸福な朝マヅメ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

ただし釣った魚を持ち帰って、それをつまみに酒を爆飲してしまえば、元も子もなくなる。昔は適量の酒はむしろ健康にいいと言われたが、現代は「酒は一切健康効果がなく、体に害になるだけ」と考えられているのだと現役の看護師から聞いた。砂糖水を丸飲みしているようなものらしい。そんなことを言われると人生が寂しくなるが、もっぱら健康的な観点から言うと、釣ることだけにしたほうがいい。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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