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陸上短距離の絶対女王・福島千里は復活するか?東京五輪へ正念場

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福島千里Ⓒゲッティイメージズ

日本選手権の申込資格記録も突破できず

5月15日に熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた陸上の東日本実業団選手権で、福島千里が100mに出場した。結果は12秒33で5位だった。

向かい風1.8mとコンディションが良いとは言えない状況だったものの、東京五輪はおろか、日本選手権の申込資格記録も突破できなかった。


日本選手権の申込資格記録は11秒84、東京五輪の参加標準記録は11秒15である。今回の福島の決勝記録と比較すると、日本選手権に出場するには0.49秒、東京五輪は1秒以上タイムを縮める必要がある。


福島が2010年にマークした記録は11年間破られていない。かつて、11秒21の日本新記録を叩き出した絶対女王の福島は戻ってくるのだろうか。

選手生命を左右するアスリートの故障

スポーツに怪我は付きものと言われるが、福島も故障により、記録が伸び悩んでいるアスリートの1人だ。

2018年夏、両アキレス腱痛を発症。アキレス腱痛とは過度な負荷によって引き起こされる炎症で、ふくらはぎや踵に痛みが生じる。両アキレス腱痛だけでなく、直近では左ハムストリングスの肉離れも起こしており、痛みに不安を抱えながらのレースだった。

陸上選手の引退年齢は、早い人で20代後半、一般的には30代とされている。故障がきっかけで引退を決意するアスリートも少なくない。

今年33歳になる福島は、4月から順天堂大学の大学院へ進学。スポーツ健康科学研究科でスポーツに関する研究を行い、自身の走りに生かしていくという。フィジカルの練習だけでなく、研究にも熱心なことから、陸上への熱い思いが伝わる。

最大の目標は東京五輪

福島の原動力はいたってシンプルで、「ただ速くなりたい」という思いである。2010年に日本新記録を樹立した後も、更なる高みを目指して走り続けてきた。

北京大会から3大会連続で五輪出場を果たしている福島は、国内で最も世界レベルに近い走りをしてきたのは間違いない。その分、東京五輪への思いも強まっている。

まずは、東京五輪の最終選考会として6月24日から開催される日本選手権に出場するために、11秒84を突破しないといけない。次のレースは6月6日に行われる布勢スプリントだ。

東京五輪の参加標準記録突破者がいない女子100m

東京五輪の参加標準記録である11秒15は、福島の持つ日本記録よりも速いタイムである。そのため、現時点では参加標準記録をマークしている選手がいないのだ。

そんな中で注目を集めているのが市川華菜と世古和(せこのどか)。市川はロンドン五輪にリレーで出場した選手で、11秒43の自己ベストを持つ。100から400までこなす万能スプリンターだ。4月29日に行われた織田記念では、決勝で11秒93をマーク。怪我で記録が思うように伸びず、長い間悩んでいたものの、2年ぶりに11秒台を出した。

世古は2018年の日本選手権で、福島と市川を差し置いて優勝。11秒50の自己ベストを持っている。

福島はライバルたちに競り勝って東京五輪に駒を進めるか。今後の争いに注目だ。

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記事:富田明未

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