「一人でがんばるママを減らしたい」助産師が産後うつの女性と挑んだ北海道初の産後ケアホテル事業
北海道で初めての「産後ケアホテル」の取り組みを始めた「Cocokara」の高橋奈美さんと助産師の荒木美里さん。
「ママたちが心から安心して頼れる場所を作りたい」
前編では自らの出産・育児を通してその決意を発信し始めた高橋さんのお話を聞きました。
後編となる今回は、そんな高橋さんに「ぜひお話を聞きたい」とメッセージを送った、荒木さんの助産師としての経験から感じていたことと2人の出会いをお伝えします。
連載|私のきっかけ
助産師として感じていたこと
「北海道にも産後ケアホテルを作りたい」
そんな発信に、心が惹きつけられ、思わずメッセージを送ったのが、私、荒木美里です。
「はじめまして。助産師をしています。ぜひお話を聞かせてください」
高橋とは面識もまったくありませんでしたし、SNSでそんな知らない誰かにメッセージを送ることはこれまでなかったので、ドキドキしたことを覚えています。
それでも送らずにはいられなかった、送ろうと思ったきっかけは、助産師として働く中でずっと気になっていたことにありました。
それは退院したあとのママたちのことです。
「眠れないんです」
「誰にも頼れなくて」
「こんなにしんどいなんて思いませんでした」
赤ちゃんは元気。でも、ママが笑えていない。
そんな場面を何度も見てきました。
もっとママに寄り添いたい。
もっと退院後のママたちを支えたい。
そう思いながら働いていました。
でも、病院を退院した後のママたちに対して、自分ができることには限界があることも感じていました。
そんなときに見つけたのが、高橋の発信だったんです。
発信を他人事とは思えなかった
「北海道に産後ケアホテルを作りたい」
正直に言うと、その時の私は産後ケアホテルを作りたいと思っていたわけではありません。
でも「こんな場所が北海道にあったらいいのに」という思いには強く共感しました。
助産師としてたくさんのママたちを見てきたからこそ、その発信は他人事には思えませんでした。
高橋の言葉の奥にある苦しさや悲しさ。そして、未来のママたちへの願い。
そのすべてが伝わってきたのです。
知らない人にメッセージを送るのは勇気がいりました。
でも、「送らなかったら、きっと後悔する」という気持ちの方が大きかったのを覚えています。
気づいたらメッセージを送っていました。
今思うと、かなり勢いだったと思います(笑)。
でも、あのときの一通のメッセージがなければ、今の私たちはありません。
未来のお母さんたちのために
産後うつを経験した母親と、助産師。
立場は違います。見てきた景色も違います。
でも、「ひとりでがんばるママを減らしたい」という思いは同じでした。
あの日「こんな場所があったらいいのに」と思っていた専業主婦と、「こんな場所が必要だ」と思っていた助産師が出会いました。
未来のお母さんたちのために。
そして、あの日の私たちのために。
私たちの挑戦は、一通のメッセージをきっかけに始まりました。
次回からは、連載「子育てに正解なし!ママの居場所から見た景色」として、母親としての高橋の視点と、助産師としての荒木の視点、それぞれの立場から見えてきた景色や思いをお届けしていきたいと思います。
「ひとりになりたい」
「夫がいるのに孤独です」
「赤ちゃんはかわいい。でも今日は泣き声がしんどい」
そんな、なかなか人には言えない本音も含めて。
もし読んでくださる方の中に、今まさにがんばりすぎている人がいたら。
「私だけじゃなかったんだ」
そう思ってもらえたらうれしいです。
そして、私たちの「産後ケアホテル」が多くのママ、そしてママだけでなく家族みんなが笑顔で過ごせるためのきっかけと安らぎになりますように。
また次回、お会いしましょう。
連載|私のきっかけ
連載|子育てに正解なし!ママの居場所から見た景色
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文:Cocokara 荒木美里
編集:Sitakke編集部あい