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厄除けと花の寺「別格本山 瑜伽山蓮台寺」 ~ 寺猫ふーちゃんに導かれ、心穏やかにお参りしたい児島の古刹

倉敷とことこ

厄除けと花の寺「別格本山 瑜伽山蓮台寺」 ~ 寺猫ふーちゃんに導かれ、心穏やかにお参りしたい児島の古刹

倉敷市日本遺産構成文化財の一つである「蓮台寺」。
くらしき日本遺産トリップでは、以下のとおり紹介されています。

蓮台寺
江戸期には岡山藩主池田家の厚遇を受けるとともに、讃岐金毘羅大権現との両参りで賑わい、門前町では小倉織・真田紐などがもてはやされました。
県の重要文化財(建造物)に指定されています。

引用元:くらしき日本遺産トリップ

かつて両参りで賑わった門前町を望む

今から約1,200年前の奈良時代に、行基菩薩(ぎょうきぼさつ)が開山した由緒ある蓮台寺では、古くからの歴史を守りつつも、寺猫ふーちゃんのお土産1年中花が楽しめるお寺など新しい取り組みにも挑戦しています。

歴史ある建造物などに加えて、現在の瑜伽山 蓮台寺の取り組みを紹介します。

瑜伽山蓮台寺とは

瑜伽山蓮台寺

倉敷市児島にある由加山に位置する瑜伽山蓮台寺(以下、「蓮台寺」と記載)は、広大な境内に総本殿や本坊、客殿など、歴史あるさまざまな建造物を有しています。

最初に代表的な建造物を紹介します。

総本殿

1998年(平成10年)に完成した総本殿。
総本殿1階の寺務所では各種の受付をおこなっており、2階には毎日御祈祷がおこなわれる祈祷殿があります。

総本殿

「由加山」と書かれた看板をくぐると、広く開放的な空間が現れます。

総本殿1階

奥には蓮台寺の受付があり、左手には厄除不動明王、愛染明王、ダキニ天が祀られています。広々とした開放的な空間で、穏やかな気持ちでお参りできます。

“求めあらば必ず応ずる瑜伽の権現さま”の使者(通常秘仏となっている代わり)である「厄除不動明王」です。

厄除不動明王

以下の手順でお参りしましょう。

一礼する→合掌→手を2回打つ→お願い事→一礼

厄除不動明王の座像は、2007年(平成19年)に完成し、完成当時、日本最大の木造座像だったとのことです。

厄除不動明王の大きさ

総高:7m59cm
仏身:3m66cm
持たれている利剣の長さ:3m

夫婦円満、恋愛成就のご利益がある愛染明王
権現のお使いの天部の仏様 白狐に乗るダキニ天

受付の左手から2階へ上がり、右手に進むと、厄除不動明王と同じ目線で拝める窓があります。普段は見られない角度から、厄除不動明王や荘厳な内陣を眺められるので、おすすめです。

厄除不動明王と内陣

2階へ上がり左手の奥に進むと、ご祈祷するための大広間があります。

大広間は撮影不可

御祈祷 蓮台寺のパンフレットより引用

内陣に向かって、右手に本尊十一面観世音菩薩、正面に鎮守となる瑜伽大権現、左手に真言宗宗祖の弘法大師が祀られています。

御祈祷の受付時間は午前9時から午後3時となっています。

法務の都合上お受けできない時間もあるため、来山前に電話でお問い合わせください

本坊・客殿(県指定の重要文化財)

つぎに紹介するのは、本坊と客殿です。
本坊には、薬師如来と不動明王が祀られている薬師の間、不動の間もあります。

本坊(入口)

本坊に隣接する客殿は、寛政年間(1700年頃)に完成した、備前藩主池田侯の寄進による宿舎・休憩用の建造物です。

本瓦葺きの重層入母屋造りで、岡山県下最大の建物。
釣屋や御成門なども含め、岡山県指定の重要文化財です。

客殿の柳の間には、円山応挙(まるやま おうきょ)筆の竹鶴の図があり、釣屋の獅子の間には、柴田義董(しばた ぎとう)による獅子や牡丹が描かれた十二枚の杉戸など、見応えのある絵が並びます。

客殿の奥(山側)には、斜面に広がる庭園が見事で、四季折々の美しい木々と花々を楽しめます。

客殿

権現堂(奥の院)

客殿の奥にあるのが、瑜伽大権現の奥の院です。

瑜伽大権現の奥の院

奥の院へは、八十八の急な厄除石段を登ります。
参拝者がお参りし難いなどの理由のため、1868年(明治元年)安置されていた瑜伽大権現は総本殿へ遷座されたそうです。

瑜伽大権現の奥の院

瑜伽大殿(本堂)

瑜伽大殿(本堂)

瑜伽大殿(本堂)は、2022年(令和4年)に落慶しました。
先代の住職が、寺のご本尊である十一面観世音菩薩を祀る建物を造りたいこと、檀信徒のみなさまがお参り出来ること、檀家様の法事・法要を行える場を作りたかったなどの長年の思いが実を結んだそうです。

残念ながら、十一面観世音菩薩は秘仏のため、普段は見られません。
前回の御開帳が2007年(平成19年)であり、33年周期での御開帳のため、次回の御開帳は2040年(令和22年)予定です。

瑜伽大殿(本堂)は、総本殿に向かって左手の高台に建造されています。
こちらから、総本殿の方向へ振り返ると、遠くに多宝塔を臨めます。

瑜伽大殿(本堂)から望む総本殿と多宝塔

多宝塔(県指定の重要文化財)

多宝塔

多宝塔は、県下最大級の塔であり、1843年(天保14年)に再建されました。

内部の内陣の須弥壇には、以下の五智如来が安置されています。

・大日如来(だいにちにょらい)
・阿閦如来(あしゅくにょらい)
・宝生如来(ほうしょうにょらい)
・阿弥陀如来(あみだにょらい)
・不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)

観音堂(県指定の重要文化財)

観音堂

観音堂は、享保年間(1716~1736年)に造営されました。
倉敷市に現存する寺社のなかでも規模が大きく、建物の長い方向である桁行(けたゆき)5間(約9.1m)、短い方向である桁間(けたかん)4間(約7.3m)を誇る江戸中期を代表する建造物です。

かつては、蓮台寺のご本尊である十一面観世音菩薩が祀られていました。

蓮台寺の新たな試み

蓮台寺では、新たな試みとして以下のような取り組みをおこなっています。

・猫好きの心をくすぐる「寺猫ふーちゃんのお土産
・「サクラ猫募金
・「1年中花が楽しめるお寺」としての手入れ

また、2025年(令和7年)6月1日からは「風鈴まつり」、2025年(令和7年)12月7日には「第2回星観音」なども開催予定です。

筆者が蓮台寺を訪れた7月上旬には、風鈴まつり(6月1日から9月頃まで)が開催されており、総本殿手水舎の軒先には色鮮やかな風鈴や猫の風鈴が、涼しげで澄んだ音色を響かせていました。

寺猫ふーちゃんをイメージした、かわいらしい猫の風鈴が目を引きます。

風鈴まつり 目を引く多くの猫の風鈴

ここでは、おもに寺猫 ふーちゃんなどに関する試みなどを抜粋して、紹介します。

寺猫 ふーちゃんとは?

寺猫 ふーちゃん

「ふーちゃん」は寺に10年ほど前にふらりとやってきたオス猫で、蓮台寺の寺猫です。

筆者は幸運にも、総本殿1階の寺務所前で会えました。
ふーちゃんは、まるで自分が蓮台寺の寺猫であることを理解しているかのように、カメラを向けても逃げることなく、落ち着いて撮影モデルになってくれました。

寺の境内には何匹かの猫が出入りしているそうですが、寺猫ふーちゃんだけは特別に、寺務所への出入りも許されているそうです

「ふーちゃんのトリセツ」は以下のとおりです。

・推定10歳位のおとこのこ
・大きな声を出す人や騒ぐ子どもは苦手
・頭なでなでが好き
・基本は見守るだけで♫
・(注意)おなか・足を触られるのが嫌い。嫌な所を触ると噛みます。

蓮台寺ならではのお土産

お守り授与所

蓮台寺では、総本殿の向かい側にあるお守り授与所で、御守などを授与しています。

授与されている御守など

おすすめは「ふーちゃん」グッズ

寺猫ふーちゃんのグッズもおすすめです。
たとえば、ふーちゃんが主役の納経帳(神社では御朱印帳にあたる)の品ぞろえも豊富です。

ふーちゃんが表紙を飾る納経帳など

また、瑜伽山ならではの「あんころ餅」に加えて、ほんのりラムが香るモンブラン味の「ふーちゃんどら焼き」も人気です。

「あんころ餅」と「ふーちゃんどら焼き」

お寺の若手のかたがたが中心となり、玉野市の「なかや宗義」とのコラボレーションで誕生した新商品。

また、こちらのお守りは、開運拝み猫。注意点としては、ふーちゃんではないとのことですが、二足立ちで開運を熱心に拝む猫の仕草が愛らしいですね。

開運拝み猫

多種・多様なお守りも

お守り授与所では、さまざまなお守りの取り扱いも充実しています。

さまざまなお守り

なかには、蓮台寺オリジナルの健康守や仕事守も用意されています。

蓮台寺オリジナルのお守り

お守りとしても、かわいらしい安産守子授け守もおすすめです。

安産守、子授け守

サクラ猫募金

サクラ猫募金

蓮台寺では、「サクラ猫募金」を実施しています。

サクラ猫
殺処分される猫を一匹でも減らす有効な手段として不妊手術をおこなった猫のこと。手術をした目印として、耳先をさくらの花びらのようにカットしています。

1年中花が楽しめるお寺

総本殿前に咲く紫陽花

蓮台寺では、1年をとおして、さまざまな花を見られます。それぞれのシーズンに楽しむことができるおもな花は以下のとおりです。

・1月:ロウバイ、トサミズキ
・2月:椿、サザンカ
・3月:梅、椿、水仙、サンシュ
・4月:ソメイヨシノ、シダレ桜、山桜、花桃、白木蓮、サンシュ、ユキヤナギ、ヤマツツジ、サツキ
・5月:ヤマツツジ、サツキ、アヤメ、紅葉
・6月:沙羅双樹、紫陽花、アヤメ
・7月:紫陽花、サルスベリ、蓮、アサガオ
・8月:蓮、サルスベリ、アサガオ、シャガ
・10月:紅葉、ドウダンツツジ、萩
・11月:紅葉、ドウダンツヅジ
・12月:サザンカ、南天、寒椿など

蓮台寺の歴史やふーちゃんに加えて、蓮台寺の1年を彩る花にも注目してください。

県外からの購入者も多い「開運推命おみくじ」

最後に、県外からの購入者も多い「開運推命(かいうんすいめい)おみくじ」を紹介します。蓮台寺を含めて全国で3か所しか取り扱いがなく、県内では蓮台寺にしかない珍しいおみくじ。取り入れてから、既に15年も経過しているとのことです。
中国古来の推命学に基づき、514,800通りのデータをもとに、100通りの運勢から生年月日や性別によって導き出される人の宿命や運勢を表しています。

開運推命おみくじ

開運推命おみくじは、総本殿1階の寺務所(1枚300円)で引くことができます。
また、こちらのオンライン(1枚500円:送料込)でも申込できるため、遠方のかたでも簡単に入手できるため、おすすめです。

このおみくじには、その年の立春から翌年の立春(2月4日~翌年2月3日)までの1年間の運勢が記されていますので、重複して購入しないよう注意してください。

総本殿1階の寺務所

おわりに

歴史ある建造物や寺猫ふーちゃん、境内を彩るさまざまな花や洗練されたお土産なども楽しめる蓮台寺。

・心穏やかにお参りしていただきたい。
・お参りした心を持ち帰ってほしい。
・お参りの場として、より洗練された空間を整えたい。

ぜひ、寺猫ふーちゃんに導かれながら、歴史ある古刹(こさつ:古い寺)で心穏やかにお参りください。

寺猫 ふーちゃん

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