4季連続の日本一!藤枝順心高サッカー部の強さの秘密と主将2人の素顔に迫ってみた!キャプテン佐藤「山﨑賢人のサイン欲しいです」
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、全国高校総体女子サッカーで連覇を果たした藤枝順心高サッカー部の中村翔監督と、佐藤ふう、植本愛実の両キャプテンをお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2024年8月27日放送)
ヒデ:日本一、本当におめでとうございます!いろいろ聞きたいことがあります。
鬼頭:インターハイ連覇ですからね。
ヒデ:実は僕も市立船橋高校のときに、連覇したんです。その時はすごいプレッシャーがありました。周りから連覇を望まれる中での重圧や、連覇のチャンスを唯一得ているチームとしてのプライドについて、お話を聞きたいです。
中村:ヒデさんが言ったように、多分いろんなところから期待をかけられてる分、選手たちも相当なプレッシャーがあったと思います。
去年はインターハイと選手権の両方で優勝しました。藤枝順心で初めてのことでした。実際そういうプレッシャーはそういう境遇になった人しか感じられないものなので「自分たちが一番成長できるポイントだ」っていうところは常々言っていました。選手たちが懸命に努力して結果がついてきたのかなと思います。
ヒデ:素晴らしいですね。
連覇の瞬間は?
鬼頭:藤枝順心はキャプテンが2人います。まずは連覇した瞬間の気持ちを両キャプテンに聞きたいと思います。
佐藤:私はピッチに立って優勝したことが初めてだったので、優勝したときは今まで以上にすごく嬉しい気持ちが込み上げてきました。
植本:私は去年よりも責任がのしかかる中で…。いろいろ背負ってたものは大きかったんですけど、目標としてたものが達成できたので、ほっとした気持ちでした。
室蘭は涼しかった
ヒデ:暑さ対策はしていましたか?
植本:涼しかったので、結構やりやすかったです。去年よりも気温が低かったです。
鬼頭:開催地が北海道だったんですよね。
中村:去年は帯広市で35度ぐらいだったんですけど、今年は室蘭市で25度ぐらい。かなり涼しかったです。
ヒデ:全然違いますね。
中村:同じ北海道でも、暑さは去年と全く違いました。僕はすごく快適だなって思ってました。
ヒデ:北海道は飯もうまいしなあ。
PK戦になっても「負ける気はしなかった」
鬼頭:試合を振り返りましょう。1回戦は岩手の専修大学北上高校と対戦。植本キャプテンのゴールで先制しましたが土壇場で追いつかれ、PK戦の末に突破しました。
ヒデ:しびれるな~。
鬼頭:植本さん、この初戦はどうでした?
植本:去年も楽な試合じゃなかったので、初戦は厳しい戦いになると思っていました。
ヒデ:内心は「やばいな」みたいな気持ちはあったんですか?
植本:PKになった時に「負けるな…」っていう感じは正直しなくて。自分たちの勢いじゃなかったのはちょっと怖かったところもあるけど、安心感はありました。
ヒデ:なるほど。やってる者だけが分かる「勝てるな~落とさないな~」みたいな感覚あるもんね。
鬼頭:佐藤キャプテンは、この初戦のPK戦をどんなふうに見てたんですか?
佐藤:自分はベンチで見てました。内容的にヒヤヒヤした部分はあったんですけど、最後は、今まできつい練習をしてきたので、勝ちに絶対つながるだろうなと心の中で思ってました。
ヒデ:監督は初戦どうでした?
中村:プレーの硬さはすごく見られましたね。ピッチに芝がなくてボールが全然走らなかったり、いろいろなことが要因としてありました。ただ、植本が言った通り、PK戦になった時の選手たちの顔を見た時に「なんでそんなに晴れ晴れとした顔をしてるんだ」っていうような感じだったので「今日は大丈夫だな」って。
そんなに心配しなくても、僕がそんなに声をかけなくても、佐藤やそれ以外の選手たちがすごいポジティブな声をかけてくれたり。顔が引きつってることは一切なかったので、しっかり送り出せば大丈夫だなっていう感じでした。
ヒデ:さすがチャンピオンチームですね。
選手中心で相手チームを分析
鬼頭:2回戦、広島のAICJ高校には2−0で勝利。その後の準決勝、新潟の帝京長岡戦はまたしても植本選手のゴールなどで3−1で勝利しました!
植本:帝京長岡戦に関しては、分析もしっかりできてましたし、相手の特徴を完全に潰し切れていました。相手の特徴をつぶして自分たちの良さを出すっていうところが一番できてたのかなと思います。
ヒデ:すご…。
鬼頭:Jリーグや日本代表と同じように細かいところまで分析しているんですか?
中村:そうですね。でも、基本的にこの2人を中心としながら、選手だけでほぼできますね。僕らはどちらかというと最終確認ぐらい。「あとはこういうところもあるよね」みたいな感じで付け加えるぐらいです。
僕らが大きく手を加えることはほとんどなくて、選手たちだけでほぼ完結しちゃってます。90%ぐらいはできてるんじゃないかなと思います。
ヒデ:すごいな。
伝統の円陣「藤枝順心No.1」
鬼頭:決勝は大阪の大商学園と対戦し、宮路花菜選手と葛西唯衣選手のゴールで2−0で勝利!
佐藤:1回戦で苦しい戦いをした分、その後の試合は全部自分たちのペースで進んでいきました。決勝戦は、本当に自分たちらしいサッカーができたんじゃないかなと思います。
鬼頭:試合前はみんなで「藤枝順心No.1」(円陣)をやったんですか?
植本:はい、やりました。
鬼頭:高々と指を上げて。それでNo.1を取れるからすごいなと思いますね。
ヒデ:チーム力、戦術、個人の技術もそうですが、チャンピオンチームとしてしっかり準備してきてるんだなと。場数踏んでるっていうのも大きいでしょうしね。
タイプの違うW主将
鬼頭:去年の選手権から数えると、4季連続の全国優勝ですね。今回のインハイに向けて、どんなことに力を入れたんですか?
中村:この子たちが特別に個としての能力が低いというわけではなかったんですが、チームとしての組織力が必要だなと感じていました。そこで、いかにそれぞれの良さを引き出したり、逆に補ったりできるかということに重点を置きました。
彼女たちの良いところを一番出せるようにアクセントを加えて大会に臨もうと、スタッフの間でも話をしました。
鬼頭:2人のキャプテンは、プレッシャーもあった中で喜びもひとしおでしたか?
植本:自分の代になってから自分が引っ張ってきたってのもあるし、そこの嬉しさは去年よりもあります。
鬼頭:チームをどうまとめてるんですか?キャプテンとして心掛けていることは?
植本:自分は言葉で引っ張るタイプじゃないので、とりあえず自分についてきたいって思わせるような。生活でもプレーでも示し続けることは意識してました。
鬼頭:背中で見せるタイプですね。佐藤さんはどうですか?
佐藤:自分は反対というか、みんなの背中を叩く、引っ張り上げるような声掛けをしていました。コミュニケーションをとって、みんなの良さを引き出すことを中心にチーム作りをしてきました。
鬼頭:キャプテン2人は毎年どうやって決めてるんですか?
中村:去年2大会優勝したこともあるので、今年は「絶対王者」っていうスローガンを掲げてるんです。選手のアンケートも参考にしながら、「示し続けられる選手」を最終的に僕の方で判断して、この2人を選びました。
鬼頭:心技体しっかりされてる2人がチームを引っ張ってるんですね。
ヒデ:優勝っていうベクトルは一緒ですし、どうやったら試合に勝てるかをそれぞれが考えて監督の考えを表現するわけですが、キャプテンが2人いることによってブレーキとアクセルじゃないけども、進みやすいんだろうなと思う。
パリ五輪 なでしこジャパンの試合は観た?
ヒデ:今年はパリオリンピックがありましたよね。なでしこジャパンの試合を観る機会は?
中村:僕は観てました。
鬼頭:教え子も出てたんですもんね。
中村:OGが1人選ばれて試合に出たのもあるので、基本的には観てました。正直、もっといけたんじゃないかなと思っています。日本は金メダルを取れると思っていますし、ワールドカップでもう一度優勝できると思っています。
女子サッカーにはそういう未来がある。チームの優勝っていうところよりは、その先の女子サッカーの未来を考えてやり続けるってことが大事だと思っています。
ヒデ:うれしい。心強いお言葉ありがとうございます。お二人は観ました?
植本:ちょくちょく観てました。中村先生がおっしゃる通り、もっといけるんじゃないかなっていうのは自分も思っていました。若い選手が出てきて、歴代最強と言われてる中に、自分も食い込みたいなって思いました。
ヒデ:何か参考にしてみたいシーンとか、印象深いプレーってありましたか?
植本:印象的だったのは、ブラジル戦の谷川萌々子選手の最後のゴール。あの判断はすごかったなと思います。
ヒデ:そうだったよね、早かったよね。
佐藤:女子サッカーをしてる人はみんなそこを目指している方が多いので、優勝してかっこいい姿を見たいなって思ってます。
「山﨑賢人のサインが欲しい」
ヒデ:インターハイの後は、ちょっとゆっくりできたんですか?
植本:はい。終わった後にすぐ岡山に帰省して、友達と映画を観に行って、美味しいものを食べました。
鬼頭:何観たの?
植本:怖いやつです。
鬼頭:JKそういうの観るんだ。
佐藤:私は帰省した時に近所の親友の子とご飯食べに行ったり。誕生日もあったので、いろんな人に祝ってもらって18歳デビューをしました。
ヒデ:選挙権じゃん!
中村:じゃあヒデさんにプレゼントもらえるじゃん。
佐藤:もらおうかな…(笑)
鬼頭:何欲しい?言ってみ?今欲しいもの。
ヒデ:ちょっともうお時間かな…(笑)
鬼頭:あと30分あります!好きな芸能人とか、サッカー選手のサインやユニフォームとか、ヒデちゃん頑張るよ!
佐藤:山﨑賢人のサインが欲しいです。
鬼頭:自分も欲しいです!
ヒデ:山崎方正は駄目?それかザキヤマ。なんか用意しときます(笑)
「文武不岐」の教え
ヒデ:うちの家にもJKがいるんすよ。娘が高校1年生です。将来どういうビジョンがあるのかなってたまに話すんですが、勉強もやっぱりやらなきゃ駄目よね。先生からは「文武両道」も伝えているんですか?
中村:そうですね。僕は「文武不岐(ふき)」っていう言葉を使うんです。両道っていうのは別々の道になってしまうので、それは分かれず。どれも真剣にやってると、全て物事はつながっていくんだよっていう考えをこの子たちには伝えています。
サッカーだけじゃなくて他のところも頑張ってると、もちろんサッカーにもつながってくる。サッカーを一生懸命やってると、勉強もそうですけど、いろんな生活の部分で効果がそれぞれ得られる。すべて真剣に取り組んでいこうということは常に伝えてはいます。
ヒデ:人間教育の場でもあるわけですもんね。
キャプテンからのメッセージ
鬼頭:それぞれのキャプテンから最後にメッセージを。
佐藤:今大会優勝できたのはいろんな人のおかげなので、まず感謝の気持ちを忘れずにこれからもプレーしたいです。残りの大会でも優勝して、良い成績を残せられるように頑張っていきたいと思います。
植本:まだファイナルズと皇后杯もあるので、そこで結果を残せるようにみんなで頑張っていきたいと思います。
鬼頭:冬にも3連覇をかけた選手権があります。期待しています。ヒデさん、サイン頼みますね!(笑)