未来へつなぐ語り部たち。中学生ガイドとめぐる『林田大庄屋旧三木家住宅』姫路市 姫路市
姫路駅より北西へ車で約30分、林田町にある白い外壁で囲まれた『林田大庄屋旧三木家住宅』は、江戸時代初期に建てられた庄屋屋敷。
林田藩の政治や暮らしを支えた建物で、当時の暮らしぶりや建築技術を今に伝える重要な文化遺産として今もその姿を美しく残しています。
今回は、地元・林田中学校の生徒によるボランティアガイドの案内でその魅力を体験してきました。地域学習の一環として、歴史を学び、自らの言葉で来訪者に伝える活動を行っています。この日は4人の女子中学生が交代で案内役を務めてくれました。
玄関をくぐると、立派な梁や広い土間が出迎えてくれます。大きく曲がった梁は、重い天井屋根を支えるため、耐久性と重力分散に優れているそうです。
太く曲がった梁は一見の価値あり、その歴史と昔の人の技術に圧倒されます。まるで時代劇の舞台に迷い込んだような気分になります。
四国の河野水軍が祖先とされる三木家の歴史から、平成22年の一般公開されるまでの歴史など、展示パネルを使いながら丁寧に説明してくれます。
日ごろからの勉強の成果を発揮し、緊張しながらも一生懸命に説明してくれる姿は、なんとも愛らしく頼もしくもあります。
建物の特徴や造りなど、来訪3回目の筆者ですが、ガイドなしで回った時には気付かなかった箇所など、ガイドあってこその気付きがたくさんありました。
ここで突然、中学生ガイドよりクイズが出され、筆者はタジタジ(汗)。答え合わせで得意気な顔の中学生に、してやられました(笑)。こういった余興を入れつつ笑いながら、中学生との距離感もちょっとずつ縮まり、ワクワク楽しい時間が続きます♪
ふだん見ることのない古民家のあちらこちらに筆者も興味津々、矢継ぎ早に質問するも、時にNPO法人のお母さんのような優しいスタッフが見守りながらの連携プレーも。
こちらは北湯殿(蒸し風呂)。いわゆる現在でいうサウナだそうですが、昔の人もサウナで整っていたのでしょうか(笑)?
内蔵には、現在は地元小中学生が詠んだ俳句が展示されています。子供たちの俳句を詠むとそのレベルの高さに驚くとともに、素直な心の情景が伝わりホッコリ癒やされます♡
「自分たちの住む林田が好き、だから色んな人に来て知ってほしい」と話す中学生たち。学校の勉強や部活動をしながらのガイドの勉強は、先輩後輩同士で教え合い、仲良く学び合っているそう。
『林田大庄屋旧三木家住宅』では、季節ごとに様々なイベントや展示も開催されているので、公式サイトで要チェック!
ガイド活動を通して中学生たちは、地域の歴史や文化を学ぶだけでなく、普段学校で習わないことや人に伝える力も育んでいるとNPO法人の方は話す。
「歴史が好き、林田が好き」「ありがとうと言ってもらえるのが嬉しい」と話す中学生たちは、照れながらも誇らしげで未来への希望そのもの。その姿にこちらまで元気をもらいました。
まっすぐな心と静かに時を重ねる『林田大庄屋旧三木家住宅』。この場所には、”人が伝えるからこそ残る歴史と文化”があります。地元を大切に想う気持ちが静かに、でも確かに受け継がれていました。
秋風に誘われて、そんな温もりを感じに足を運んでみるのもいいかもしれません。
詳細
<公開日>
金曜~月曜日、祝日
※但し、12月28日~1月4日は休館
<公開時間>
10:00~16:00(入館は15:30まで)
<備考>
※姫路にお住まいの方で65歳以上の方は、姫路市福祉カード・証明書等をご提示ください。減免(無料)扱いになります
※姫路市内および播磨圏域の小学生・中学生はどんぐりカードをご提示ください。減免(無料)扱いになります
※老人福祉月間(9月1日~30日)の期間中に限り、西播磨レインボーカードをお持ちの方はご提示ください。減免(無料)扱いになります
※身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳等をお持ちの方はご提示ください。手帳をお持ちのご本人様と介護者1名様までにつきましては、減免(無料)扱いになります。車いすも準備されているので受付にお申し出ください
※障害者手帳アプリ(MIRAIRO-ID)に対応。アプリを起動の上、画面を係員にご提示ください