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言葉が遅い発達グレー息子、保育園で友達とトラブル!?ことばの教室で聞いたおすすめの対処法

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言葉が遅い発達グレー息子、保育園で友達とトラブル!?ことばの教室で聞いたおすすめの対処法

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

2歳過ぎまで発語ほぼなし。年長になった今でもおしゃべりは苦手な息子

しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子。しのくんは2歳を過ぎるまで意味のある発語がほとんどなく、2歳半を過ぎても2語文が出ていませんでした。そのことがきっかけでことばの教室に通うようになり、たくさんおしゃべりをするようになったのは4歳頃でした。

サ行とラ行の発音が苦手なことも相まって、同い年のお友達と比べると何を言っているのか聞き取りにくいしのくん。5歳になり、年長さんになった現在も、あまりおしゃべりが得意とはいえません。

しのくんは、3歳くらいまでは一人遊びばかりで、お友達と仲良くできるのかな? と心配していました。しかし、4歳を過ぎて年中になってからは、ちらほらお友達の名前が出てくるようになり、通ってる保育園の様子なども教えてくれるようになりました!

保育園の様子をしのくんから聞けることを喜んだ私は、しのくんが保育園から帰ると「今日は保育園で何したん? 楽しかった? お友達と何して遊んだん?」と嬉々として質問するようになりました。

保育園で「お友達に意地悪された」!?

そんなある日、いつものように保育園から帰ってきたしのくんに質問していたら……「今日、〇〇くんに、意地悪されたねん」と言ってきたのです。

どうやら、お友達から嫌なことを言われたらしいしのくん。「それでしのくんはどうしたん?」と聞くと「先生に言うたったわ」とのこと……。

なるほど!? と思った私……。小さい子ども同士のことなので、そりゃ嫌なこと言われたり、逆にしのくんがしたり言ったりすることもあるだろうなと思いました。

しかし……果たしてこういう場合、「先生に言う」と言った告げ口のような対応は正しいのかな? とも思いました。

「先生に言う」以外のお友達トラブルの対処法は? ことばの教室で聞いてみると

しのくんは話すことが得意ではないので、どうして嫌なこと言われたのか? その原因をつくったのはしのくんじゃないのか? それともちがうのか? などの詳しいことは聞いてもよく分かりませんでした。

ちょうど翌日がことばの教室だったので、「お友達に嫌なことをされてしまったとき、どう対処したらいいのか?」をことばの先生に聞いてみることにしました。

すると先生から、「『やめて』って大きい声で言ってごらん?」とアドバイスをいただきました。

理由は、「相手にも、しのくんの『嫌だ』という気持ちを伝えられるし、大きい声で言い返すことで周りの大人にも気づいてもらえるから」だそうで、なるほどな! と勉強になりました。

早速家に帰って、嫌なことをされたら大きな声で「やめて」と言う練習をしました(同時に、自分がされて嫌なことをお友達にしてはいけないよ。というお話もしました)。

幸いにも、この件以降、お友達に意地悪されたとか嫌なことをされたという話は聞いていないのでホッとしています。

目前に迫った小学校入学と、これからのこと

しのくんは来年から小学校の通常学級に就学する予定です。小学生になると、お友達の関係もさらに見えにくくなってくるだろうし、自分で対処しなければいけない場面も増えてくるんじゃないかなと思っています。

「困ったときにはどうすればいいのか?」をしのくんと一緒に考えて、これからも話し合っていきたいなと思います。

執筆/keiko

(監修:室伏先生より)
keikoさん、お友達に嫌なことをされたときや困ったときの対処法についてのご経験を共有いただき、ありがとうございました。まずは、しのくん、困ったことがあったことをお母さんに言えただけでも素晴らしいですし、さらには先生にお話できたのも褒めてあげたいエピソードですね。困ったことがあったときに援助要求ができるということは、とても重要なことです。さらには、嫌なことをされたときに大きな声で「やめて」と言うことは、困ったことに自ら対処をするということですが、この練習を親子でされたということは、しのくんにとって、とても大切な経験になったと思います。自分で対処できることももちろん大事なことですが、それが難しいときには援助や支援を求めることができることも、自立にあたりとても大切な能力だと思います!

しのくんが困ったときの乗り越え方を少しずつ身につけていく過程を、私も応援していますね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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