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ランニング×田舎暮らしは最強の健康法/自給自足を夢見て脱サラ農家42年(86)【千葉県八街市】

田舎暮らしの本

ランニング×田舎暮らしは最強の健康法/自給自足を夢見て脱サラ農家42年(86)【千葉県八街市】

サクラの季節がやってきた
サクラサクラとテレビは連呼
休日にはサクラの下で大勢の人がカメラを向ける

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うちのサクラは毎年、東京よりも半月遅れ
サクラはまだだ、でも花は他にあれこれ咲く
アンズとプラムが合わせて30本
雨アリ、風アリ、そしてまだ朝夕は冷え込む三月
仕事に追われる日々ながら、それでも
ほっこりと安らぎがこぼれる落ちる時がある
ちょっとばかり心が華やぐ時もある
花そのものの美しさはもちろんであるが
自分の手で植えた木々、それゆえでもあろうか

野菜果物、いや人間だって、寒さをくぐり抜けてこそ強くなる

三寒四温の畑仕事。キャベツ苗の定植とビニールハウスの奮闘

三寒四温、晴れと雨が交互。冬から春につなぐ時期の典型的な天気が続いている。数日前は気温20度、ビニールハウスが高温すぎて、トマト、ピーマン、カボチャなどを蒸れさせないよう、ビニールをたくし上げ、急いで風を通してやるほどだった。

しかし今日は朝から小雨。日中でも12度。でも、この天気も好都合な場合がある。今日はキャベツ苗の定植だ。5月収穫を目標に200ほどの苗を植える。好都合とは、幼い苗にとって、ポットから畑に移される日が快晴で気温も高いとキツイのだ。逆に気温が低く人間は肌寒く感じるような小雨模様だとストレスが少なく、活着も早くなる。

桜の開花には「400度の法則」がある

桜といえば、ソメイヨシノの開花日を予想するのに「400度の法則」というのがある。2月1日以後の平均気温を積み上げて合計が400度に達すると花が咲くという経験則であるらしい。冬の寒さで開花のスイッチが入る。それを休眠打破と言う。

春に咲く植物は秋のうちにホルモンの作用で花芽を準備し、冬の寒さに備える。真冬に咲いたのでは自分が生き延びられず、子孫も残せない。まずはじっと耐えながら冬を越すことが大事。そして一定期間、低温にさらされると休眠が解けて、やがて気温上昇とともに成長が加速して開花となる。

この上の写真。1月の寒気、連日の深い霜に埋まり、10センチちょっとだったソラマメは死ぬほど辛い目にあったであろう。しかし今、空に向かって両手を広げるようにしていっぱい花を咲かせている。

ああ、人間も同じ、オレもそうなんだよなあ・・・などと僕は思う。今年は特に1月の気候がきびしかった。気温が低く、雨が降らず、なおかつ風が強い。野山に餌となるものが少ないゆえか、畑の野菜を狙って群れをなす野鳥の害も大きかった。何とか対策をと、ネットやビニールを張る作業に僕は毎日走り回った。

そしてようやくの春・・・まだ手放しで喜べる本格的な春ではないが、庭の水仙が一斉に咲き、ブルーベリーの蕾がほころび、アンズとプラムの花が満開となる。それを見て休眠打破だ・・・いや、僕は冬に眠ってなんかいないけれど、我が精神は高揚する、一気に開花する。きびしい冬がある。だからこそ春到来の喜びは大きくなる。

月給日を指折り数えて待ち焦がれた時代を懐かしむ

田舎暮らし40余年、お金とのつきあい方を考える

おとといはこの下の写真のような青い空だった。気温も高かった。でも今日はまた冷たい雨がシトシトと。気温も低い。こんな日はスコップを手にして、ともかく動くこと。ネギとショウガを植える。人参をまく。そして、作業を中断し、自転車で郵便局に向かう。

明日、業務費用とプライベート、合わせて15万円ほどの銀行引き落としがある。郵便局では、野菜代金としてお客さんから振り込まれたものを引き出し、荷物を出しにクロネコ営業所に行った足で銀行に寄ってそれを振り込み、15万の支払いの一部とするのだ。

中村自然農園という振替口座を作ったのは40余年前。銀行までは6キロあるが、郵便局は歩いても行ける距離なので便利だったからだ。野菜代金を銀行振り込みにすれば出したり入れたりの二重手間がなくなるが、そのままにしてある。

会社員時代と自営業のリアルなやりくり

今日25日。会社員時代は給料日だった。クレジットカードなんてない時代、20日を過ぎると手元の現金でなんとかギリギリやりくりし、25日を心待ちしたものだ。やりくりの苦労という点では今も変わりがない。アマゾンのカードを使えば明日には品物が届き、支払いは来月でいい。それをいいことに、ついつい衝動買いして月末、あせることもある。

会社勤めも自営業も同じ、悲喜こもごもだ。自営業にはベースアップもボーナスもないが、野菜相手の日々には人間関係の悩みが存在しない。でもって心の中ではうまくペイする、帳尻が合う。急にこんなことを僕が言い出すのは・・・へぇっ、こういうこともあるのかと驚くことがあったからだ。

離席記録にまで大小を問う職場、田舎暮らしの気楽さとは

朝日新聞の記事によると、従業員2000人ほどのメーカーに勤務する男子社員は、勤務中に席を離れたら「離席記録」を出すよう上司から指示を受けた。トイレに行ったことも記録され、かかった時間だけでなく、用足しは大か小かまで報告すべしと。この男性は「頻繁かつ長時間の離席」という声が職場内にあったらしいので、上司のパワハラと即断するのはいけないかもしれない・・・。

それにしても、人間の集団て、いささか辛いな、キビシイものだねえ。僕なんざ気楽・・・畑仕事の合間、何度もオシッコする。職場からの離席じゃなくて、手からスコップを放して立ち上がり、ズボンの紐をゆるめ、職場でやってしまうんだもの・・・。

単身用が11万円、家族用が25万円、賃貸マンションの高騰に驚く

東京の家賃と田舎暮らしの経済学

西の方は快晴で、気温も20度を超えているとのことだが、こっちは光少なく、肌寒い。今日はカボチャとジャガイモのハウスでの作業に多くの時間を費やす。幅4メートル、長さ10メートルのビニールハウス。その3分の2にジャガイモを植え、残りのスペースにカボチャをまいた。カボチャはツルを伸ばしたら外に誘導する。そのために7×15メートルの面積が確保してある。

ジャガイモは5か所に分けて植えた。露地だと収穫は6月。それを1か月早めたくてこのビニールハウスに植えたのだ。

さてと、今日は畑とは別に大仕事がある。気象庁の3か月予報では、4月以降、気温はかなり高くなり、かつ雨量が多くなるとのことだ。大仕事とは雨漏り対策である。これまで何年も、瓦屋根をビニールで覆い、土嚢で押さえるというやり方だった。しかしそれだと、土嚢は劣化し、強風でビニールが煽られる。やり方を変えよう。

ビニールの上から、畑で使っているブルーネットでカバーしようと思うのだ。ただし、それには長さ20メートルのネットが必要。1枚で20メートルはない。10メートルを針金でつなぐ。それを15セット・・・大仕事なのである。

その作業をしながら、昨夜寝床で聴いたNHKのラジオニュースを思い出す。なんと、東京の賃貸マンションはさらに値上がりが続き、単身用が11万円、家族用は25万円もするのだという。すごいね。給料も上がっているだろうとはいえ、仮に手取り30万の独身者は収入3分の1を家賃に支払う、夫婦共働きで、もし月給手取りが60万円としても25万が家賃というのは我が感覚ではものすごいことだ(もしかしたら給料はもっと高いのかも)。

それ以外にも光熱費は2万か3万かかるのではないか。人は何のために働くのか・・・僕はここでチョッピリ哲学的思考に走る。田舎暮らしを始めるには、出発点でまとまった出費を要する。僕の場合、1500坪の土地と66平方メートルの新築同様の家屋とで2600万円だった。その購入から40年が経過した。

家族用マンションの家賃25万円を当てはめて考えてみようか。40年だとトータル1億2000万だ。僕の投資2600万円、それはとっくの昔に償却した計算になる。のみならず、畑からの収入は、零細農業ゆえ月々の金額こそ少ないけれど、40年分なら5000万に近い額を得たことになる。

都会でのハイカラな暮し。対して泥臭い田舎暮らしという生活。こうして両者を数値化して比較してみるのもなかなか面白い。僕の畑での年間労働は365日休みなしで日々平均9時間だ。加えて、今日みたいに、老朽化した家をDIYで手入れする手間も生じる。よって田舎暮らしバンザイとはいかないけれど、人は何のために働くのか、生きるのか・・・いっとき、哲学的命題を掲げて思考してみるのも無駄ではないかもしれない。

ランニング×田舎暮らし、これって最強の幸福ホルモン産生法かも

セロトニンがストレスを追い払ってきた

朝夕はまだ寒い。しかし日中は動くと暑い、すぐ汗が流れる。今日もまたランニングで我が1日は始まる。お気に入りのランニングシューズが2足ある。さて今朝はどっちのシューズにしようか・・・そのチョイスはちょっとばかり楽しい瞬間。

つい先日、ランニングがもたらす幸福因子についての専門家の論述を目にした。有酸素運動であるランニングはストレスを遠ざけ、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌を高める・・・。我が人生もけして順風満帆ではなかったが、幸いにも全く医者の世話にならず80年近く生きてきた。すでに56年・・・いや大学運動部でのロードワークまで含めると60年近くになるランニングがストレスを追いやってくれたのではなかろうか。

晴天の空に浮かぶ雲は夏を想わせる。気温も20度ある。ここ数日、新しいビニールハウスの設置に汗を流している。外からの作業が半分、あと半分は内部に入ってやる。入ると同時に体温が上がり、たちまちにして汗が噴き出る。

拾い集めたパイプは10か所から概算100本以上。長さが違い、曲がりが違う。そんなパイプを、どれとどれを組み合わせればほぼ同じ角度と寸法になるかを考えるのは、まるで子供が知恵の輪をやっているみたいだ。ハウスの長さは10メートル、幅は4メートル50。ここにナスとピーマン、それぞれ30本を植えるつもり。

いつもの荷造り作業を終えてから、2月に植えたブロッコリーのケアをする。ずっとほったらかしで、草が生え、根の周りの土が硬くなっている。その作業の合間、ずっと膝をつき、下ばかりに目をやっていた僕が、立ち上がり、背中の方に視線をやった瞬間、満開のサクラが目に入った。うちのサクラは毎年、東京より10日か半月遅れて咲く。だからまだ先のことだと勝手に考え視線を送ることがなかった。こりゃいつの間に・・・スコップ作業の手を休め、しばし見とれていると、そのサクラの方向から楽しそうなカエルの鳴き声が聞こえてきた。そうか、カエルにもやっと春が来たんだなあ・・・。

光、睡眠、食事、風景、幸せの4条件を田舎暮らしは全部満たす

ランニングと幸せホルモンの話に戻そう。先ほどの記事の筆者は、セロトニン分泌を促すものとして、ランニングの他に質の高い睡眠、バランスの良い食事、そして、周囲の風景を愉しみつつ太陽の光を浴びることだと述べている。それを読んで、僕はポンと膝を叩きながら思ったのである。

「ランニング×田舎暮らし」。これこそ最強の幸せホルモン産生法じゃないのか。

晴天の日、僕は9時間くらい光を浴びる。光を嫌う人もいるが、僕は大好きだ。と同時に、日々の肉体労働はイヤでも深い睡眠をもたらし、労働で得られた畑からの産物はバランスの良い食事にもちろんつながる。今日のサクラがそうであるように、田舎暮らしはわざわざ遠くに出かけずとも、季節ごとに周囲の風景が変化する。手前みそと言われるかもしれないが、幸せの条件を完全に満たしているのである。

走らない理由はない、ランニングの圧倒的な善

さてこれとは別に、先ごろの朝日新聞には『走ってますか』という記事があった。担当編集者は言う。

面倒くさい、どうしてわざわざ苦しい思いを、そう考える人もいようが、ランニングは現代人にとって圧倒的な善。寿命を延ばし、精神を安定させ、認知症を予防するという信頼できる研究もある。もはや走らない理由はない・・・。

毎朝、走りながら今日の作業の一覧と手順、それを頭の中に紙を広げながら考える。我が暮らし、じつに変化に乏しい。目の前の風景こそ変化はするが、宅配業者に荷物を出しに行く以外は外出せず、外界との接触という意味では、じつに変化に乏しい。それでも、不思議と心の内には広がりがある。

小さな働き者に自分を重ねる春の終わり

蜜蜂の働き一途見て飽かず 高松守信

晴天で気温の高い日にはミツバチが飛ぶようになった。花から花へ徘徊するが、僕が野菜洗いをする水場で水を飲むような仕草もする。読売新聞「四季」で長谷川櫂氏は上の句にこう解説する。

蜜を求めて花から花へ。それが植物の繁栄を支える。造化の神はどれほど蜜蜂を愛していたか。いい役ばかり与えたものだ。蜜蜂の働きぶりに感じ入っているところ。

日々の仕事で出会う生き物はみな好きだが、とりわけミツバチに僕は親しみを感じる、小さい体、めまぐるしく動き回る働き者・・・自分に似ている気がするからであろうか。

3月が終わる今日、終日雨で、激しく物音を立てるほどの強風が吹いた。しかし、GWまで1か月足らず。人々の心が沸き立つ時もそう遠くない。我が暮しにGWは無縁。それでも・・・ジャガイモ、ソラマメ、エンドウ、タケノコの収穫時期を迎え、ウメの実、アンズの実が熟すのを待つ。仕事の合間には空を仰ぎつつ赤いイチゴを口に放り込む・・・田舎暮らしにもまずまずのGWはあるのである。

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