「ダート釣法」で魚が釣れる理由 小エビの動きとリアクションバイトがキーワードか
ルアーフィッシングの対象魚は、「ダート釣法」に反応しやすい。ダートとは、ルアー(主にはジグヘッド単体リグ)を左右に跳ねさせるような動きだ。こと日中のオカッパリの対象魚は、ダートアクションにメロメロである。その理由はなぜだろうか?筆者は、「エビの動きに似ているからだ」と推測する。
各種の魚に有効なダート釣法
ダート釣法、ダーティングともいわれる釣り方は、本当にいろんな魚に反応がいい。日中は特にしれーっとワームをエサっぽく見せるよりも、リアクションバイト誘発のためにキビキビと動かすべきで、ダートは基本アクションである。
また、どういうわけかボトムについた夜の激渋アジが、ボトムでダーティングさせると飛びついてくることがある。堤防際に身を隠したスレ倒したシーバスやチヌに対する最終手段としても、ダーティングが有効となったりする
比較的最近の釣り「岸ジギ」、堤防際でのジギングも、ダーティングアクションと似たところがある。筆者も岸ジギで何度もシーバスや小型青物を掛けているが、「沖に投げるよりこっちの方が釣れるじゃないか」とすら思う。果たして――なぜこのようにも、ダーティングは効きまくるのだろうか?
「リアクション」と「エビの模倣」で魚を魅了
ダーティングが有効なのは、まず、ひとつには「リアクション」で間違いないだろう。魚は、本能的に”視界を飛び跳ねる何か”に対して大きな興味を示す。発作的に飛び掛かる習性があるようだ。これはフィッシュイーターほど顕著で、メタルジグに飛びついて青物も、ワームを丸のみするアジも、リアクションで食うときの本能は共通するものと思われる。
第二に、筆者が個人的に考えているのが、「ダートアクションが、とあるベイトの動きに似るからではないか」というものだ。それは、そう、「小エビ」である。実際、小エビは水槽なんかで見ていても、ジグ単をダーティングさせているときのような、ぴょんぴょん左右に跳ねる動きをする。
「エビで鯛を釣る」という慣用句があるが、本来の意味とは違うところで、いやこちらこそ本来的にというべきか――実際、エビで鯛は釣れるし、「エビが嫌いな魚はいない」。これは間違いのない事実である。筆者はエビそのまんまを模したルアーで、メバルを釣ったこともある。とにかく、エビが嫌いな魚はいない=エビの動きに似るダートアクションに魚は反応しやすい、というわけだ。
・リアクション誘発
・小エビに似る動きで食わせる
この2つの理由で、ダートアクションはかくも効果的なのだと思われる。
注意点「スレるのも早い」
そんなにも釣れるのだったら、ずーっとダートアクションばっかりやっていればいいのだが、話はそう簡単にはいかない。ダートアクションには、ひとつ、大きな弱点がある。それは、「魚がスレやすい」ということだ。見切られるのが早い。特に居着きの大型魚はそうで、一発目で食わなければ、二発目では絶対に食わない。メバルのような賢い魚も、一回で完全に学習して、二回目以降は食わない。
小エビに似はするが、反面、「疑似餌アクション丸見え」の釣法でもある。またアクション時に水中でイト鳴りがするせいで、魚がビビるのかもしれない。とにかく、スレやすい。これも知っておきたい。
専用ヘッドとワーム推奨
ダートアクションに使うジグヘッドは、専用品を推奨する。もっとも一般的なのが、下の画像のようなやじり型のジグヘッドだ。このタイプのヘッドは、水切りが非常にいい。ピンテールのワームと組み合わせると、素晴らしくキレよく水中で跳ねる。これは釣れるはずだ、と日中に見てみるとわかる。
上でも触れたが、ダート型ヘッドと組み合わせるべきは、ピンテールのワームだ。ピンテールとは、尾っぽがまっすぐになった形状のこと。尾がクルクルと回るシャッドテールでダーティングさせると、アピール過多で見切られやすく、また水切りが悪くなりダーティングを妨げる。やはりピンテールだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>