公開直前!映画『種まく旅人~醪のささやき~』のメイン舞台・淡路市『千年一酒造』を訪問 淡路市
10月10日から全国公開される映画『種まく旅人~醪のささやき~』は、淡路島が舞台。老舗酒蔵『千年一酒造』をはじめ島内各地でロケが行われた本作品では、美しい景色の中で淡路島の酒造りをテーマとした物語が展開されます。
「映画を通して第一次産業の素晴らしさや豊かさを伝えていきたい」という想いのもと製作される『種まく旅人』シリーズ。本作品が第5作目となります。
公開が間近に迫るなか、記者は本作品の中心舞台となる『千年一酒造株式会社』(淡路市)にお邪魔して来ました。
千年一酒造株式会社は明治8年に創業し、今年でちょうど創業150年。「昔ながらの造り酒屋」を信条として、伝統の製法を守りつつ、数多くの名酒を製造しています。現在淡路島にある酒蔵は、千年一酒造を含め2か所のみ。同酒蔵では、一般客の酒蔵見学を常時受け付けていています。
記者はまず、同社代表取締役の上野山善彦さんにお話を伺いました。
映画については、撮影場所の提供と蔵名の使用のみで、物語は完全なフィクションとのこと。「『千年一酒造』の名前を全国の人に知ってもらう良い機会になると思います」と、上野山社長。
現在千年一酒造では上野山社長と5名の蔵人が、年間約550石10万ℓの日本酒を醸造。作業は毎年秋から春にかけて行われ、今年も10月半ばから同蔵での酒造りが開始されます。
見学は1年中可能ですが、醸造期間中に酒蔵見学に訪れると、酒造りに関する様々な風景を目の当たりにできます。
上野山社長と一緒に酒蔵を見学しました。作業場の中には、大きな醸造タンクがずらりと並んでいます。このタンクの中で、蒸された酒米が麹の力を借りて発酵し、醪(もろみ)として熟成していきます。
酒米を蒸す「甑(こしき)」の大きさに、記者はビックリ!また蔵の構造の説明を聞いて、古い酒蔵の機能性の高さに感心しました。実は、酒造りの現場をここまでじっくり見学できる酒蔵は、全国的にも珍しいそう。
「酒造りは繊細な作業。昔ながらの製法は大変なことも多いが、基本的なことをコツコツと積み上げて、千年一酒造の暖簾をこれからも守りたい」と、上野山社長は穏やかな笑顔で話します。
酒蔵の2階にあるミニギャラリー。ここでは酒造りの道具等が展示されるほか、千年一酒造の銘酒の数々やお酒に合う淡路島の食品等が販売されています。
淡路島の素材のみを使用した銘柄も、もちろんあります。島内で収穫された「百万石」を100%使用した純米吟醸「郁(かおり)」と、「山田錦」を使用した純米酒「穂(みのり)」。どちらも人気の銘柄です。
なんとこちらは、阪神タイガース・近本光司選手にちなんだ特設展示!実は酒蔵がある淡路市東浦地区は、近本選手の故郷。しかも酒蔵には、選手のお母さんが勤務されています。
映画に導かれて訪れた『千年一酒造』。その壮大な歴史や暖簾を守る人の深い想いに触れて、記者は温かく優しい気持で現地を後にしました。
ちなみに本映画作品公開を記念し、淡路島内21か所を巡るデジタルスタンプラリーが現在実施されています(11月30日まで)。
場所
千年一酒造株式会社
(淡路市久留麻2485-1)
営業時間
10:00~16:00
定休日
年末年始
連絡先
TEL 0799-74-2005
FAX 0799-74-3122