【2023年最新】報道の自由度ランキング 日本は68位に上昇、世界のワーストは?
報道の自由度ランキングとは
報道の自由度ランキングとは、名前のとおり、各国の報道の自由度について評価した国際ランキングだ。毎年、国境なき記者団(Reporters Without Borders、RSF)が発表を行っている。
報道機関が事実をそのとおりに伝えられなければ、国民は正しい情報を得ることができない。そのため、報道機関の独立性や透明性についてスコアで評価し、順位をつけたものが、報道の自由度ランキングだ。その国において、報道や言論の自由がどのくらいあるのか判断することができる。
評価の基準は5項目
報道の自由度ランキングを出すうえで、RSFは以下の5つの項目について100点満点で評価している。
・政治的内容
・経済的内容
・法的枠組み
・社会文化
・安全性
【最新】報道の自由度ランキング2023
2022年のランキング
2021年のランキング
主要国の順位・ワースト国は?
1位はノルウェー
1位に輝いたのはノルウェーだ。2021年、2022年に続き、7年連続で1位の座を獲得した。またトップ10には、2位のアイルランド(前年6位)、3位のデンマーク(前年2位)、4位スウェーデン(前年3位)など、ヨーロッパ勢が占める結果となっている。
日本は68位 前年より3ランクアップ
日本は68位で、2022年の71位から3ランク上がった。だがスコアは、2022年の64.37に対して、2023年はは63.95と若干下がっている。RSFは日本について、「報道の自由と多元主義の原則があるものの、伝統、経済的利益、政治的圧力、男女不平等といったことにより、ジャーナリストは政府に責任を追及する役割を十分に発揮できていない」と評価している。
日本はG7で最下位
G7(主要7か国首脳会議)の結果は、以下のようになる。日本はG7で最下位だ。この傾向は近年変わっていない。
「非常に低い」が31カ国に増加
ランキングの下位について見てみると、報道の自由度についてRSFが「非常に低い」と評価した国は、世界31か国におよぶ。2022年は28か国でそれまでの最多だったが、2023年はそれを上回る数となった。
2022年2月から始まったウクライナ侵攻によって、ロシアは国内での報道の規制を行っていると言われている。ロシアのランキングは2022年の155位(スコア:38.82)から、2023年は164位(スコア:34.77)に落としている。RSFも「ウクライナへの侵攻開始後、ほぼすべての独立系メディアが禁止された」ことを指摘している。このような社会的背景も、報道の自由度が低い国が増えていることの一因だろう。
最下位は北朝鮮
最下位は2022年と変わらず、北朝鮮だ。世界でもっとも権威主義体制の政権であり、情報を厳しく管理している同国。RSFは「独立したジャーナリズムを厳しく禁止している」と低評価している。
報道の自由度ランキングでわかる世界や日本の情勢
実際に起きたことを事実のまま正しく伝え、ときには国の姿勢や政治のあり方について指摘することが、報道機関のあるべき姿だ。一方で、報道を規制したり、検閲を行ったりする国があるのも事実だ。報道の自由度ランキングは、そんな各国における報道の信頼性や透明性をあらわすひとつの指標となるだろう。
※ World Press Freedom Index|国境なき記者団 (Reporters Without Borders)