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桐蔭学園 小学校で環境出前授業 区と協定結び、区内全校で〈横浜市青葉区〉

タウンニュース

(上)授業を行う池上教授(下)大学院生の説明を聞く児童たち

青葉区と学校法人桐蔭学園は4月17日、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した「ペロブスカイト太陽電池」を活用し、区民に対して脱炭素化の普及啓発に取り組む連携協定を締結した。23日には同協定に基づき、鉄小学校6年生を対象に環境出前授業を実施。今後、区内全30小学校で行っていくという。

ペロブスカイト太陽電池は従来のシリコン型太陽電池と比べて、薄くて軽く柔軟で室内など低照度下でも発電でき、低コスト化も見込めるなどの特長があり、活用分野の拡大が期待されている次世代の太陽電池。横浜市は2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロを目指しており、今回の協定締結を通じて区民の行動変容を促すことが目的。それら取り組みの一環として今回、小学生向け授業が企画された。

実物に触れ

23日に鉄小で行われた授業では「クリーンなエネルギーを届けるために。ペロブスカイト太陽電池とは?」と題して実施。ペロブスカイト太陽電池の研究を行っている同大学医用工学部の池上和志教授が6年生を前に、地球温暖化が進んでいる状況や化石燃料を使わない太陽光発電が期待されている背景を説明。その上で研究しているペロブスカイト太陽電池の特長を説明し、「世界中のエネルギー問題を解決できるかもしれない太陽電池」と児童たちに語り掛けていた。

授業の後半には児童がペロブスカイト太陽電池の実物にさわり、その薄さに驚く場面も。実際に発電させて鉄道模型やプロペラを動かしている様子を見せると、児童たちは真剣な表情で説明に聞き入っていた。

また、ペロブスカイト太陽電池をどんな場所に取り付けたいか児童に考えてもらうワークショップも実施。服や家、車、にわとり小屋、スマートフォンなどのアイデアが発表された。児童たちからは「さまざまな可能性がある」「いろいろなものに取り付けられる」などの感想もあった。

授業を終えた池上教授は「最先端技術は未来へとつながっていく。(ペロブスカイト太陽電池を通じて)児童たちに直接的に感じてもらえたのでは」と振り返っていた。

環境出前授業は今年度、もえぎ野・嶮山・鴨志田緑・美しが丘東・桂小学校で実施予定。その他の小学校も2027年度までに行う計画だ。

17日の協定締結式に臨んだ(左から)池上教授、宮坂特任教授、森朋子学長、中島隆雄区長、真船かおる副区長

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