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「梅雨グレ(メジナ)」狙いの磯フカセ釣り入門【魚種ごとのエサ取り回避術とは?】

TSURINEWS

メジナ(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

読者の皆さん、こんにちは!トンこと東弘幸です。最近では私の動画チャンネル「つりとんチャンネル」の視聴者からのお声がけも多く、うれしい日々を送っている。今回はこれからシーズンに突入する梅雨グレ(メジナ)に関して解説していくので、ぜひ最後までお付き合いをお願いしたい。

梅雨グレ(メジナ)の特徴

さてまず梅雨グレって何ぞや…?というところから入ろう。磯のフカセ釣りのターゲットであるグレには、口太グレと尾長グレという種類がいて、口太は春(2~4月)に産卵期を迎え、その後体力を回復するために荒食いが期待できるのが、梅雨時期と重なるので梅雨グレと呼んでいる。

ターゲットは口太がメイン(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

梅雨前線が南岸に停滞する季節で、海が荒れていたり雨が降ったり、グレだけでなく他の魚種も活発になったり…といろいろ難しい季節。その中で本命にたどり着くのは難しい…と、私も思う。しかし難しいからこそ面白い。そこに磯釣りの魅力がある。まずは準備編から解説していこう。

産卵後の荒食いが期待できるのが梅雨(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

磯釣りのレインウェア

普段磯に通っている人もこれから磯釣りを始めてみたい人も、まずは恰好からそろえるのをオススメしたい。というのもレインウエアは使用するたびに表面の撥水効果が劣化していくので、あまり古いウエアはオススメできないのだ。今回の梅雨グレシーズンに向けて私もウエアを新調した。

がまかつの新製品アルテマシールドプロレインスーツGM3718を雨天で着用してみたが、雨水の侵入なく快適に釣りができた。実はこれが重要な部分で、梅雨時期とはいえ体が濡れるとかなり寒い。濡れると体力の低下、集中力の低下は免れないので、しっかりとした撥水効果のあるレインウエアを着用することがまず大切だ。

レインウエアは撥水性に優れたものを着用しよう(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

梅雨グレのタックルと仕掛け

次にタックルだが、梅雨時期になると水温の上昇とともに魚たちは活発になる。つまり引きが強くなるのだ。よってワンランク上のタックルをオススメしたい…ところだが、私は年中同じタックルをオススメしている。

ロッド

ロッドなら私のスタンダードは1.2号相当だ。がまかつのデニオスやグレ競技スペシャルを愛用しているが、十分な強さをロッドが持っており「サオが弱くて負けた」という感覚にならない。魚に負けることはあるが、いつも原因となるのは自分。ラインを出してはいけないところで出してしまったり、ため切れず切られたりといったパターンが多い。

先日熊野で尾長グレに挑戦した時も1.2号で挑んだが、友人は0.8号で挑んでいた。ロッドは魚の引きを受け止め、操作する意味もあるが、ラインへの負担を減らすという仕事もしている。

ロッドの号数が上がれば硬く強いサオになるのだが、その分ラインに与える負担も増える。つまりは軟らかいロッドを使えば、細い号数のラインを使えるということにつながり、それが魚に対するアプローチ数につながるというワケなのだ。

サオはイトへの負担軽減の役目もある(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

リール

リールは2500番を使っている人がほとんどだと思う。私が愛用しているのは、シマノBB‐XテクニウムC3000DXXGのSUTⅡを搭載しているモデル。愛用している理由は、耐久性と機能性に尽きる。年間80日ほど磯に通う私にとって、耐久性に信頼がおけるアイテムというのは本当に心強い。

そしてSUTブレーキは、魚にリールのハンドルの振動が伝わらないので、ファイト中魚を暴れにくくする効果があったり、巻き取りスピードが速いので仕掛け回収時間を短くできたりと良いことばかりだ。少々お高いが、トータルで考えればメリットの方がデカイ。

ライン

ラインはバリバスゼロフカセ1・7号を愛用している。メインは紀東だが、四国や九州遠征に行っても基本的には変わらない。私の場合、半遊動仕掛けで挑むので本来であれば、フロートラインでミチイトを置き直しながら釣りを展開する方がやりやすいのだが、最近は潮に乗せる釣りをすることが増えてきたので、サスペンドラインの方がしっくりくる。遠投性、耐久性を考えつつ1.7号を使用している。

ウキ

ウキは釣研のゼクトシリーズを主に組み立てているが、近年遠投が必要なパターンが多くゼクトαやゼクトMRの出番も増えてきた。梅雨時期はエサ取りも活発になるので、さらなる飛距離を出せるゼクトLRの登場も視野に入れている。梅雨グレに関しては、普段よりも操作性を優先することを重要視しなければならない。つまりアソコをダイレクトに攻めたいと思ったときに、届く仕掛けとマキエが必要なるということ。届けることを優先したウキが、梅雨グレには必要になるのだ。

ウキは釣研のゼクトシリーズ(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

ハリス

ハリスは時と場合によるが、口太グレ1・5~2号、尾長グレ2~2・5号。梅雨グレ期は尾長グレの良いシーズンでもあるので、沖磯へ行くことが増える。潮通しの良い沖磯へ行くと、この時期うれしいイサキが数釣れることも多い。当然ながら尾長グレを視野に入れて仕掛けを作るので、太めのハリスを結ぼうか…となるのだ。

ハリ

ハリはがまかつのセレクトグレ、TKOで挑んでいる。口太グレ、尾長グレどちらにも対応でき、カラーコートのおかげでエサ取りの判別も可能な万能なハリかと思う。号数で言うとスタートは5号、食いが良ければ6号に上げ、悪ければ4号に下げるといった使い方をしている。スタートから小バリで挑む人がいるが、苦戦したときに逃げ道がなくなるので、私はオススメしない。

マキエ

一番重要なマキエだが、梅雨グレは年間を通して最も操作性が必要になる。魚が活発に動く時期なので、当然エサ取りも活発になる。すると分離のテクニックが必要になり、距離を稼げるマキエが必要になる。具体的にはマルキユーのV9SP、V11、アミパワーグレスペシャル、遠投ふかせTRがオススメだ。マキエの作り方は、まず乾いた状態で配合エサを全て均一に混ぜ合わせる。そして少量の水を入れてオキアミ3kgを2枚入れる。

それを適量の水を入れながら満遍なく混ぜ込んでいく。ちなみにオキアミはエサ店にいつも全解凍をお願いしているので、オキアミの粒を残したまま混ぜ合わせることができる。

完成に近づいたら足で踏み、しっかりマキエ内の空気を抜く。そしてグレパワー遠投を上からまぶしてざっくりと混ぜて完成。グレパワー遠投やグレパワー沖撃ちスペシャルを後入れすると、着水後の白い濁りで潮筋が見やすくなり、遠投性能も向上するので、ぜひ後入れをオススメしたい。

上記の配合エサの特徴としてMSPが入っているので、魚の食い気が持続しやすいということがある。梅雨グレ攻略はグレもエサ取りも寄せてコントロールし、釣り人の思うがままに釣りを展開出来ることこそがまず第1歩だと考えている。

マキエは操作性を重視(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

梅雨グレのエサ取りをかわすテクニック

次にテクニックを解説していきたい。梅雨グレ時期はエサ取りも活発になるのが特徴だ。エサ取りとひとくくりに言っても、魚種によってかわし方が違う。

梅雨グレ釣りのポイント9選(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

フグ系のかわし方

まずはキタマクラ、ハコフグ、クサフグといったフグ系から。フグ系は足が遅い上、海のどこからでもふよふよと漂って集まってくる。よってマキエを打ってすぐには反応できない。この特徴を理解すれば、マキエと仕掛けの同時打ちで沖、潮上、潮下と攻めることが有効となる。

つまりはマキエの効いてなさそうな場所を、新たなマキエとともに攻めれば良いのだ。注意したいのはマキエを本命用に打っていても、いずれはフグに包囲されるという点だ。こうなれば20mほど距離を開けて右、中央、左とマキエでポイントを作り、フグの数を分散させる。100匹のフグも3カ所に分ければ、33匹を相手にするだけで済む。足の速さではグレの方が上なので、反応できる個体さえいれば先にグレが釣れる。

スズメダイ、ネンブツダイ系

次にスズメダイ、ネンブツダイ系。これらは磯際から群れになって出てくる。よって手前にマキエを打って沖に出るのを止めた上、沖に本命、手前にエサ取りと分離するのがセオリーだ。このとき重要なのが、沖のマキエは必ず点で打つこと。

バラバラと中間地点にマキエがこぼれては、沖にエサ取りを誘導しているようなものなので、点で遠投できる技術をまず身に付けたい。そしてエサ取りのはるか先に仕掛けを届けなければ、釣れる魚も釣れない。そのため、先述したような操作性の良い仕掛けとマキエが必要になってくる。

青物系のかわし方

梅雨時期に最も強敵なのがアジ、サバといった青物系だ。磯周辺に居着いてしまったら休憩して海を休ませる。これが1番の作戦で、2番目が磯替わりというぐらい相手にしてはいけないエサ取りだ。相手にどこかに行ってもらうか、自分が移動するか…。冗談抜きで本当に手ごわい。これらをかわす仕掛けやテクニックはあるが、試合でどうしても釣らなければならないなど、「相手よりもどうしても」といった条件下でやることなのでプライベート釣行の場合、戦わないのが正解だ。

それでも教えてくれよ…という読者のために攻略法を解説すると、まず1つは徹底的に際を釣ること。足の速い青物系は沖に集中的にマキエを打って集めておく。仕掛けはハリスにガン玉を段打ちし、際数cmに落とす。沖にマキエを打って、エサ取りの頭がコチラを向いてない瞬間にマキエを1発だけ静かに入れ、際で張って待つ。際にもエサ取りがいるので成功は難しいが、何度もやるうちに1匹でも…といったイメージで攻めていく。

梅雨グレシーズンの磯ではうれしいイサキのヒットも多い(提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)

もうひとつは普通通りに釣ってサバがサシエを口にした瞬間、ラインテンションを緩めて口からこぼれさせるテクニック。アジやサバはエサを口にした瞬間、抵抗を感じるとさらに走ろうとする。つまりハリが口に掛かってしまう。ラインを出すことでサバの口からサシエを落とし、グレの元へ運んでもらって食わせるという作戦だ。

これはアタリの瞬間、サバなのかグレなのか見分ける必要があるのと、即座にラインを出すということを同時に行わなければ成功はしないので、かなりの難易度だ。これも何十回とやって1匹釣れたら成功というような確率で、時間もマキエも大量に消費する。試合じゃない限り、休憩してエサを切るのが一番だ。

サシエは生オキアミ、V9スーバーハードといった加工オキアミ、ボイルと特鮮むきエビ。エサ取りやサイズアップにも使えるので、特鮮むきエビはいざというとき用に持っておきたい。サイズが大きくある程度の硬さがあるので、つぶして切って使うことをオススメしたい。

タックルのメンテ方法

最後にタックルのメンテについて少々。ロッドメンテについて私は水洗いを全くやっていない。カーボンロッドにおいて一番の敵は水分だ。水がついたまま置いておくと表面のクリア塗装がすぐ劣化して、パリパリにはがれてきてしまう。私の場合、釣行から帰宅してすぐ(当日のうち)にタオルで水拭きをし、その後乾いたタオルで水分を完璧に取り去る。汚れと水分を落とした後にバリバスのPEにシュッ!を吹きかけて伸ばし、乾かした後に乾拭きをする。

塗膜の表面に撥水加工ができるので、ラインが張りついたり汚れが付着したりといったトラブルを防止できる。ロッドへの使用をオススメしたい一品だ。これを毎回実践していると、本当にロッドの手入れが楽だ。雨の多い梅雨時期だからこそ実践してみてほしい。

梅雨グレは最も魚が元気になる時期でパワー勝負ができ、かつエサ取り分離などのゲーム性も高くなる。難しいからこそ、次の一手を考えて攻略してほしい。それで釣れたときの喜びは、サイズうんぬんではなく、1匹の重さを感じると思う。暑くなる季節でもあるので、水分を十分持っていくことも忘れずに。無限の攻め方がある奥深い磯フカセの世界、まだ踏み出してない人はぜひその一歩を歩んでほしい。

<週刊つりニュース中部版APC・東弘幸/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年6月14日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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