高岡駅前で愛され110年! 早くてウマいあったか食堂の人気は天玉うどん【うどん・そば 今庄】おともはガス火焚きのおにぎり、冬期間限定甘味「ぜんざい」も
スピーディーでお手頃、しかもおいしい「駅そば」。
列車の乗り降りの前にさっと食べられる提供の速さや通勤・通学の合間にさっと食べられるのが魅力で、日本ならではのファストフードとして独自の進化を遂げてきました。
鉄道利用者の減少やコンビニの普及、物価の高騰などによって、近年は各地で減少しつつありますが、ダシのいい香りやあったかい湯気に誘われて寒い時期は特に恋しくなります。
高岡駅南口にある「うどん・そば 今庄」も、駅の利用客に長年にわたって愛される店のひとつ。鉄道を利用しない近隣の住民や働く人がわざわざ食べに訪れる老舗店です。
高岡駅で110年以上愛される老舗「うどん・そば 今庄」
「今庄」の創業は1915(大正4)年。
当時は、大量輸送手段のメインが鉄道の時代。北陸本線と氷見線、城端線が交わるターミナル駅で、特急列車の停車駅や貨物駅としても多くの人に利用された高岡駅で、100年以上にわたって変わらないおいしさを提供し続けてきました。
現在の店舗は南口ロータリーの前
かつては駅内でも営業していましたが、北陸新幹線開業やコロナ禍などを経て、現在は高岡駅南口を出てすぐ、ロータリーの一角に店舗を構えます。
いわゆる「駅そば」の狭いイメージとは違い、広々とした店内。
和テイストで、どこかほっとする空間が広がっています。
テーブル席やカウンター席のほか、小上がり席もあり、小さな子供と一緒でも、周りを気にせずゆっくり食事を楽しめそうです。
かけうどん・そばは380円 手軽な価格が最大の魅力
注文は券売機で食券を購入するスタイル。
かけうどん・そばなら380円。
メニューの中ではニシンの甘露煮をトッピングしたにしんうどん・そばがもっとも高価ですが、それでも各610円。それに150円のおにぎりをセットにしても、1000円で十分お釣りがきます。
物価高騰の時代、お手頃な価格でおなかを満たせるのは、なんといっても「駅そば」の魅力です。
“変わらないおいしさ”の裏にはこだわりあり
でも、「今庄」の魅力は安さだけではありません。
「数種類の削り節でだしをとったり、ごはんはガス火炊きだったり、食材にもかなりこだわっていて、私も嫁に来たときにここまでやっているのかと驚きました」
こう話すのは、5代目店主 今庄栄司さんの奥さんです。
「今庄の創業は大正4年。もともとは、『花より軒』という名前であんころ餅を高岡駅で販売していて、うどんを始めたのは大正7年と聞いています」(今庄さん)
観光客や通勤・通学客に親しまれ、100年以上もの長い歴史を刻んできた今庄。現在も、創業当時の味わいをできる限り大切にしながら、変わらぬおいしさを追求するために食材へのこだわりや手間暇は惜しみません。
1番人気は「天玉うどん」
卵やいなり、山菜、わかめなど、定番のトッピングが並ぶなか、「今庄」の1番人気は海老天と生卵の「天玉うどん」。
関西風の昆布だし文化と関東風のカツオだし文化のちょうど境目と言われる、富山県。西部と東部では地域によってだしつゆの風味が変わりますが、「今庄」のつゆは、まろやかな口当たりで少し甘めのもの。
だしの旨みもさることながら、しっかりと濃い風味を味わうことができ、最後まで飲み干したくなるおいしさです。
「つゆもうどんも、食材の配合はほとんど変わってないんですよ」(今庄さん)
うどんは、ほどよい太さで、もちもちっとした弾力。つるっとのどごしもよく、納得の味わいです。
太く食べごたえがある海老天は、手作りなんだとか。
海老のまわりに平たく衣が伸ばしてあるのが特徴で、つゆに浸すとだしを吸った大きな衣がとろ~っとやわらかくほどけていきます。
天ぷらの油が溶け出した濃いめのだしに、卵の黄身を割り混ぜると、一気にマイルドで奥深い味わいに。贅沢な味わいに神経を研ぎ澄ませるのもいいですが、これらを一気にかきこむのが「駅そば」の醍醐味です。
名物は「チャンポン」 うどんもそばも欲張りメニュー
「今庄」の名物と言えば… 地元ではおなじみなのが、「チャンポン」です。
麺料理でチャンポンと言えば、長崎ちゃんぽんですが、こちらのチャンポンはうどんとそばの合い盛り。食券機の前でうどんかそばかを迷う必要がなく、両方を一度に味わえるのが魅力です。
「うどん2玉の大盛りを注文したお客さんから、『1玉をそばにしてほしい』という声から生まれたメニューなんです」(今庄さん)
うどんもそばも食べたい欲張り派にはたまらないメニューですが、チャンポンも「かけ」ならうどん・そばと変わらない380円。それだけにオトク感もあり、根強い人気を誇ります。
国産米をガス炊き 海苔にも昆布にもこだわりの「おにぎり」
麺類のおともに多くの客が注文するのが、おにぎり。
国産米をガスで炊き上げたおにぎりは、粒立ちがよく、甘みも旨みも抜群。
とろろ昆布をまぶした富山名物の「昆布おにぎり」には、細かく刻んだ昆布と粗めのものを2種類ブレンドして使っているんだそう。ただ、人気は海苔を巻いたほうのおにぎりです。
「海苔は、厚みがありながらも歯切れがよく、香りのよい海苔にこだわってます」(今庄さん)
どちらも1個150円で、ほっとする味。
うどんやそばと一緒に食べれば、大人の男性でもしっかりおなかが満たされます。
冬季限定のお楽しみ ほっとする甘味「ぜんざい」
冬だけのお楽しみとして人気を集めているのが、期間限定の「ぜんざい」。
北海道産の小豆を使って丁寧に手作りされた1杯は、小豆の粒感をしっかり感じられるやさしい味わいです。ほどよく効かせた塩味が甘みを引き立ててくれ、ほくほくと最後まで飽きずに楽しめます。
地元で評判の餅米100%のお餅が2つ入っていて、満腹感もあります。このぜんざいを目当てに、わざわざ足を運ぶ人もいるんだとか。
地元で愛されて110年。駅の利用客以外にも親しまれる高岡の名物店です。
【うどん・そば 今庄 高岡駅南店】
住所 富山県高岡市駅南5-1-2
営業時間 6:00~21:20
定休日 火曜