「カチッとハマる楽曲の方向性が全然違うから、ついに交わる時が来たか!と嬉しかったです」──中島 怜さん&大渕野々花さんが語る、自然と作られた作品への一体感【スペシャル対談インタビュー】
同じオーディション出身で、同期としてそれぞれキャリアを重ねてきた中島 怜さんと大渕野々花さん。放送中の1月期TVアニメ『お気楽領主の楽しい領地防衛~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~』では、中島さんがOPテーマ「おきらくぜ~しょん」(2月18日発売)を、大渕さんがEDテーマ「Make it」(2月25日発売)を担当!
今回、同じ作品での起用を記念してスペシャル対談が実現。初対面の印象から新曲に込めた想いまで、仲のいいお二人だからこそのお話をたっぷりお聞きしました。
【写真】中島 怜&大渕野々花『お気楽領主アニメ』OP&ED担当記念対談インタビュー
憧れのお姉さんとピュアなバラエティー要員!?
――お二人は、2022年にフライングドッグが主催したオーディション「犬コン!」出身の同期。その後もラジオ「Room in the ear~わんわん!れいののラジオ」での共演など、仲の良さも周知のとおりですが、改めてお互いの第一印象を教えてください。
中島 怜さん(以下、中島):活動を始めたのと同じタイミングでののちゃんに出会ったんですけど、最初はもう“きれいなお姉さん”でした。しかも、それが初めて出会った芸能人だったから、一緒にいた母親に「芸能やっている方ってすごくきれいなんだね」と言ったのを覚えています。
大渕野々花さん(以下、大渕):やめて~(笑)。恥ずかしくなってきた!
中島:まだ高校を卒業したばかりだったし、見習いたいところがたくさんある憧れの姉さんという気持ちが強かったんですよね。
大渕:それこそ怜ちゃんの第一印象は、もうピュア! ピュアの威力がハンパなくて、風が吹きました(笑)。
中島:あいさつした時に「バラエティー要員?」みたいな会話になったのも覚えてる。
大渕:「バラエティー力、高いですね」みたいなことを私が言ったんだよね。その時から、自然体なのにどこかおもしろくて。気になる存在だなと思ったんですけど、その印象は今でも変わらないですね。ラジオを一緒にやったり、プライベートで遊んだりしているけど、怜ちゃんの魅力って底なし。今もまだ気になるところばかりです。
中島:ののちゃんには、会うたびにハッとさせられます。憧れみたいなものはずっと変わらないけど、私ももっとがんばろうと思える。真摯に相談にのってくれるし、視野が広いんですよね。外見含めていろんなところが「美」という感じです。
大渕:美!? えー!? それを言うなら、怜ちゃんは「天使の銅像」だよ。ルックスとか性格とか、何より歌声が天使なんだけど、かわいいだけじゃなくてシールドが張られているような感じで、どこか何かに守られているようなところもあって。そういう雰囲気は私には出せないなと。
――違うからこそ一緒にいて楽しいのかもしれないですね。
大渕:お互いに持ち味が違うからこそ、アドバイスしあえるのかもしれないですね。
中島:今、こうやって私のことを魅力的に伝えようとしてくれる言葉も「かっこいい」と思っちゃう。私たちの持ち味がすごく出ている回答になっているなと感じました。
大渕:私一人だと、ちょっと硬いコメントになっちゃうことが多いんですけど、今日は怜ちゃんが柔らかい表現をたくさん使ってくれるから、いい感じのインタビューになっているんじゃないかなと。今日は、大渕のトークのアレンジャー……“編曲:中島 怜”みたいな感じです(笑)。
――ちなみに、お互いにどんなことを相談するんですか。
中島:何でも相談するよね。人生についてとか。
大渕:最終的には抽象的なことの方が多いかも。相談ごとをする時って、ある種の共通言語を持っていないとなかなか難しいところがあると思うんですけど、怜ちゃんとはその言語が一緒。話していて楽なんですよね。
中島:それはめっちゃ思います。それこそ私が悩みすぎて視野が狭くなっちゃった時に、ののちゃんの言葉でパッと視界が開けたりして。ののちゃんが言ってくれたことに「そうだな」と素直に思えるんですよね。
大渕:それは、もう本当に怜ちゃんの素直さですよね。アドバイスをもらっても「そうは言ってもねぇ」みたいに思っちゃうこともありますけど、怜ちゃんは純度100%で「確かに!」と言ってくれる。
中島:安心感があるんですよ。同じ事務所で、同じレーベルだからというのもあるけど、一緒にいると「大丈夫」と自然と思えるんです。
OPとEDで交わる、真逆だった二人の音楽
――そんなお二人が今回、TVアニメ『お気楽領主の楽しい領地防衛~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~』(以下、『お気楽領主の楽しい領地防衛』)のOP&EDテーマを担当。お互いの起用を聞いた時は、いかがでしたか。
大渕:私と怜ちゃんってカチっとハマる楽曲の方向性が違うんです。デビュー曲は怜ちゃんが「サプライズ」という優しいピュアな世界の曲で、一方、私のデビュー曲はタイトルが「朱く染めて心臓」。もう真逆ですよね。それが、ここにきて交差するのか!と、すごく嬉しかったです。
中島:ののちゃんのこれまでの曲って、かっこよかったり、クールだったり。シュッとした印象があったから、今回はどんな曲になるんだろうって。すごく気になりました。
――それぞれの楽曲のこだわりも教えてください。
中島:私が歌う「おきらくぜ~しょん」は、ヒャダインさんこと前山田健一さんに作詞作曲していただいたんですけど、これがもう“ザ・ヒャダインさんサウンド”。制作前にいろいろお話させていただいたのもあって、歌詞も私のキャラクターを探りつつ『お気楽領主の楽しい領地防衛』という作品を絡めながら考えてくださって。歌う時も自分の感情をスッと出せたし、作品とも自然と一体感を作れました。
2番の頭でいきなりロック調に変わったりして、楽曲の中でいろんな物語が展開されていくんですけど、最後「よいしょ」で終わる。軽く聴けるのに気合も入る楽曲になっていると思います。
――「よいしょ」がかわいいですよね。
中島:実は、よいしょ選手権があったんです。どのテイクの「よいしょ」がいい?という感じで、スタッフのみなさんと「1がいい人?」みたいに話し合って決めていったんです。
大渕:選抜メンバーの「よいしょ」なんだ?
中島:選び抜かれた「よいしょ」です(笑)。
大渕:私は「おきらくぜ~しょん」を初めて聴いた時、とんでもない曲だなと思ったんです。もともと、小学生の時にアニメ『日常』でヒャダインさんの音楽に触れて以降ずっと好きで聴いていたからこそ、このヒャダインさん節にグッときてしまって。そこに怜ちゃんにしかない歌声が合わさって、なんて唯一無二な世界観なんだと思いました。怜ちゃんだからこそ歌える曲ですよね。
私の「Make it」は、明るくてポップでかわいいけど、地に足がついた印象の楽曲。特にAメロのベースラインがすごく印象的で、そこにカチっとハメて歌うグルーヴ感を大切にしました。リズムの波にのって逆らわずに歌っていくことが、“いろいろあるけど、その波をうまく活かして歩みを進めていく”という作品の印象とも合っているのかなと感じました。
もちろん歌詞も作品に寄り添っている内容ですけど、「君と隣り合わせ」とか、仲間たちへの想いにも取れるけど、実は自分自身の話のようでもあります。サビ頭の「ゆりかごからお墓まで」という歌詞も、ゆりかごからお墓まで一緒にいるのは自分しかないはず。そう思うと『お気楽領主の楽しい領地防衛』のキャラクターは、それぞれ複雑な背景があるけど、主人公・ヴァンくんと出会うことで自分を優しく受け止めることができたし、人生を切り拓くことができるようになったのかなとも感じるんですよね。サウンド面でも、歌詞の面でも作品にぴったりの楽曲をemon(Tes.)さんが書いてくださったなと思っています。
中島:私、「Make it」の歌詞大好き。サウンドはかわいい感じなんだけど、歌詞には静かな覚悟を感じるというか。それがいいなと思っていて、「おきらくぜ~しょん」は、私の持ち味を活かしつつ元気な感じのまさに“お気楽さ”なんですけど、ののちゃんの「Make it」は、一息ついているようなまた違ったお気楽感があるなと。ののちゃんの楽曲の中でもお気に入りです。もちろんどの曲も好きなんだけど、ののちゃんの歌い方も今までと違ってスッと歌っている感じの印象があって。今日も朝、聴いてきました!
大渕:すごく嬉しい。怜ちゃんの「おきらくぜ~しょん」は、今まで以上にポップで疾走感があって。はちゃめちゃな印象がある楽曲だと思うんですけど、私の「Make it」はパワフルさとはまた違うお気楽さがあるのかなって。
「もしもシ」と「SweetRoom823」、カップリング曲に込めた想い
――それぞれカップリング曲についてもお聞かせください。中島さんの「おきらくぜ~しょん」には、よいしょ盤(初回限定盤)・のんびり盤(アニメ通常盤)共通カップリングとして、ご自身の作詞楽曲である「もしもシ」が収録されています。CBCラジオ「中島 怜の今日もはなまる!らじお」のテーマソングですね。
中島:ラジオのテーマソングを作ろうというコーナーから生まれた曲なんですけど、そこでテーマを募集した時に「中島 怜さんは、みんなを自然と笑顔にする魔法使いみたいですね」というメールをいただいて。小さい頃から魔法少女系のアニメが好きで、魔法少女を夢見て育ってきたのもあって、“魔法使い”をテーマに歌詞を書いていこうとなりました。
ラジオ自体、楽しかったことや嬉しかったことはもちろん、悲しかったことや不安な気持ちにも寄り添って、みんなに花丸をあげよう!という番組なんですね。それを踏まえて「みんなに花丸をあげる魔法少女になりたい」という歌詞になっているんですけど、普段作詞をする時は勢いで書いちゃうことが多くて。
今回もめっちゃ早くできたんです。30分くらいかな。プロデューサーさんに送ったら「これ、いいですね」と即決してもらえて。そう言えばラップ部分も、仮歌収録の時にアドリブでやったフレーズがそのまま採用されてます。
大渕:アドリブでラップ!?
中島:そう。「ここはラップにする予定なんだけど、雰囲気を見たいから適当にしゃべってくれない?」と言われて(笑)。それがいい感じだったから、それでいこうって。
大渕:そんな収録、私だったら震え上がっちゃうよ(笑)。30分で作詞できるのもすごい!
中島:普段、お風呂で作詞とか作業することが多いんだよね。浮かんできたら一気に書かないと面倒くさくなっちゃうし。悩む時は、お風呂に2、3時間入ってることもあって。
大渕:出来上がるまでお風呂から出ないの?
中島:うん、出来た頃にはお湯も冷め冷めみたいなこともあったり(笑)。でも今回は、温かいお湯のまま出られました!
――一方、大渕さんの直筆サイン入り限定盤には、初主演ドラマ『副会長の主なお仕事』の主題歌「SweetRoom823」が収録されています。
大渕:フワリさんに作っていただいた「SweetRoom823」は、逆縞先生による原作マンガの表紙が思い浮かぶような雰囲気があって、甘やかでポップでおしゃれな楽曲になっています。ドラマがいわゆる百合作品なんですけど、そこまでラブの要素が強くないので、百合要素を少し強調できたらいいなと、少し甘めの声で歌ってみました。
『副会長の主なお仕事』は、私が演じる会長・灰屋 銀ちゃんが、副会長の栗下 涙ちゃんに偏愛を受けている設定。レコーディングでは、銀ちゃんの照れ隠ししてしまう気持ちも100%込められるよう歌いました。
「Make it」はアニメのEDテーマなので、パキッとした方が合うかなという感覚があったんですけど、「SweetRoom823」はドラマの主題歌なのでもう少し写実的に、柔らかく歌いたかったんですね。
中島:ドラマを観ていて、作品の雰囲気に溶け込む感じがすごく印象的でした。それこそ今「甘やか」と言っていましたけど、その甘い香りをふんわりをさせるのがすごいなって。
大渕:それは、もうフワリさんがすごいんですよ。マジですごいなと思ったのが、このタイトル。「SweetRoom823」って部屋番号だと思うじゃないですか。でも、この“823”ってThinking of you=あなたのことを想っています、の意味なんです。
Thinkingが8文字、ofが2文字、youが3文字という英語圏のナンバースラングらしいんですけど、甘やかな二人きりの生徒会室がスイートルームで、そこに823の想いがあると。なんだそれは!と思いますよね。そういう遊び心もすてきな楽曲です。
――では最後に改めて、この記事の読者へメッセージをお願いします。
中島:『お気楽領主の楽しい領地防衛』のOPテーマを担当させていただいております、中島 怜です。「おきらくぜ~しょん」は最初「はっ!」という気合入れの声から始まるんですけど、アップテンポでキャッチーなサウンドに負けないような、皆さんにハッとしていただけるような歌詞もあるので、細かいところまで注目して聴いてもらえたら嬉しいです。
かわいい曲ですけど、現代を生きる皆さんに寄り添ってくれるような曲でもあるので、大切に歌い紡いでいけたらと思っています。
大渕:『お気楽領主の楽しい領地防衛』のEDテーマを歌わせていただいております、大渕野々花です。「Make it」は、すごく明るくて楽しい曲。でも、どこか静かな覚悟も感じさせる曲になっています。
人生いろいろあるけど、それは通過点にしかすぎないということを前向きにとらえて、月並みな言葉ですけど自分自身を大切に愛していけるよう、この曲を聴きながら過ごしていただけたら嬉しいです。アニメと合わせてどうぞお楽しみください。
中島:今の言葉も聞いていて「かっこいい」と思っていました!
大渕:もうやめて~! 恥ずかしすぎる(笑)。
取材・文/吉田光枝