夏アニメ『うちの弟どもがすみません』第1話放送後:大空直美さん(成田糸役)✕増田俊樹さん(成田源役)インタビュー|源は“スルメ系ヒーロー”? 第1話で感じた成田家のあたたかさ
『別冊マーガレット』(集英社 刊)にて連載中のオザキアキラによる漫画『うちの弟どもがすみません』のTVアニメが2026年7月3日より放送スタート。
母親の再婚で、成田家に引っ越してきた糸の前に、突然現れた4人の兄弟。いきなり弟4人の姉になった糸は、新しい家族と仲良くなるべく一生懸命頑張るのだが、なぜか長男の源に舌打ちされてしまって……という第1話。果たしてこれから、成田家はどうなっていくのか。
そしてアニメイトタイムズでは、各話の放送後にインタビュー連載記事を開始。初回となる今回は、ついに放送がスタートし、第1話を終えた感想を、成田家の長女・成田糸役の大空直美さん、長男・成田源役の増田俊樹さんに、第1話放送後の感想や作品の魅力について語ってもらった。
【写真】『うちの弟どもがすみません』大空直美×増田俊樹 第1話放送後インタビュー【連載】
源と増田さんの似ているところは? 脱線して、アフレコでのエピソードに…。
──原作を読まれた印象をお聞かせください。
成田糸役 大空直美さん(以下、大空):オーディションのときに初めて読ませていただいたので、糸ちゃんの目線から物語に入っていったのですが、糸ちゃんはとっても前向きでポジティブで、素敵な女の子だなと思いました。
成田家に糸ちゃんが入って行くところから物語が始まるんですけど、話数が進むごとに、成田家の4きょうだいには素敵なところがたくさんあって、優しさに溢れているんですよね。その上で家族愛やトキメキがあるので、読んでいて心がポカポカするし、人と人が思い合う気持ちって、とっても尊くて素敵だな、そして恋っていいなと思わせてくれる作品でした。
成田源役 増田俊樹さん(以下、増田):僕もオーディションの際に作品を読ませていただいたのですが、源を受けるので、読み方も源目線になっていきました。そのとき思ったのは、糸に対しての源の感情の変化が、良くも悪くもすごくゆっくりだなということ。源の中で急激に心が動くのではなく、まずは人として尊敬するところから、徐々に変化していくんですね。ただ本質はそんなに変わっていなくて、家族として大事にしたいという部分があるんですけど……。
源って、男から見ても硬派で無骨だなと思うのですが、こんな風に誰かが隣にいてくれるのは羨ましいなと思いました。糸は、すごく世話を焼いてくれる女の子なので、いいなぁって思いながら読んでいましたね(笑)。
──放送がいよいよスタートしましたけど、率直な今の心境と、第1話を見た感想をお聞かせください。
大空:いよいよ始まりましたね!
増田:実はオーディションから、約2年近く経っているんですよ。
大空:ようやく皆さんにお届けすることができて、嬉しいです!
増田:収録自体も、約1年かけてゆっくり録っていったので。
大空:途中で休憩期間もありつつですよね。
増田:長く準備してきたからこそ、第1話の放送は感慨深いものがあります。
大空:あとは本当に絵がきれい! 難波日登志監督の演出も面白くて、ときめいたときにキラキラキラ~ってなったり。そういうアニメならではの表現も見られましたし、動いてしゃべって色が付いているみんなを見て、ようやくそのときが迎えられたんだと実感しました。あと主題歌がめちゃくちゃ良かったんですよ!!
増田:まずはオープニングのみ、みなさん楽しんでもらえたと思うんですけど。
大空:第1話はオープニング主題歌だけお聞きいただけましたね。エンディング主題歌も楽しみにしていてください。オープニングは、みんながこれからゆっくり家族になっていくんだなというのを思わせてくれるワクワクする楽曲で、素敵でした。
増田:原作自体が面白くて、それをお借りしてアニメにするわけですけど、原作の持つドタバタ感に動きが付くと、より明確に見えてくるというか。恋心もそうなんですけど、糸や類の騒がしい部分が、すごくコミカルに描かれていたので、そういった感じが好きな僕にとっては、あぁ無事に始まって良かったなという気持ちでした。
──兄弟たちの声を聞いたとき、どう思いましたか?
大空:私はしびれました!
増田:しびれました?
大空:もう、ぴったりー!って心が震えて、ドキドキしました。キャストについては、マネージャーさんからこっそり聞いていたんですけど。
増田:こっそり(笑)。いいでしょ、別に堂々と聞けば。
大空:確かに(笑)。でも名前を聞いたときは、スターたちだ!と思って緊張しちゃいました。増田さんと共演するのも初めてだったので、どんな方なんだろうと思っていたんです。
増田:まず、スターではないですからね(笑)。
大空:いざご一緒したら、芝居に対してのストイックな姿勢も尊敬する部分がたくさんあって、とても刺激的でした。第1話の収録のときも、きょうだいたちだけでなく、お父さんやお母さんも声を発するわけですけど、みんな本当にぴったり過ぎてワクワクしました。
それに、アフレコが始まってしばらくすると、皆さんがちょっとずつキャラクターに似ているなと感じるようになったんです。最初はすごく緊張していたけど、皆さんと家族役をやれて良かったですし、この作品で出会えて良かったと思う方ばかりでした。
──ちなみに、増田さんはどんなところが源に似ていると思いましたか?
大空:静かで、何を考えているかちょっと読めない感じ? 初期の増田さんは、目をつぶってスタジオのソファーの真ん中で上を向いて、じっと動かなかったんですよ。これ、休憩時間の話なのですが…!
増田:いいだろうが、どんな風に時間を使ってようが!(笑)。迷惑をかけているわけでもなしに。
大空:ホントにじっと動かないんです! これは話しかけちゃいけないということなのかな?と思ったんですが、何かのきっかけで、類役の寺澤百花ちゃんと私との会話を、増田さんが「聞いてましたよ」とおっしゃって。
増田:その文言はきしょいな(笑)。「聞いてましたよ」って。でも、みんなひそひそ話をしているわけではないので、聞こえるに決まってるんですよ。
大空:自分の世界に入って、シャットアウトされているのかと思いきや、しっかり聞いてました!みたいな感じで。私たちの会話を目をつぶりながらそっと聞いてくれていたんですよね。そのとき、みんなと一緒にいてくれていたんだと思ったんです。お一人で瞑想されていて、遠くに行かれているわけではなかったんだと。
ホントに作品に集中するために瞑想されていると思っていたから、私たちの会話に寄り添ってくれていたことにに、クスっときたし、ほっこりしちゃったんです。そこからお笑い好きなところや、麒麟の川島さんを尊敬していることとかの話をしたので、この方は芸人さんをこよなく愛する、ツッコミが上手なお兄さんなんだとわかって、私も心を開いちゃいました。
──ちなみに今、源と似ているところの話をしていましたよね?(笑)。
大空:あっ!
増田:わからないですよ。源もツッコミ上手かもしれないですから。ズバッと切り出したりするし、あまりしゃべらないけど、源も全部聞いてたりしますからね。
大空:すみません(笑)。源と似ているところは、少しわかりにくいところはあるけれど、本当は優しいとか、「本当は・・・」みたいな良いギャップがあるところが似ているなって思います。
あと、真面目でブレないところ。お仕事に対しての姿勢。役作りへのブレなさ、核をしっかり持ってお芝居されているところも源と重なるところだと思います!
家族になるという行程を蔑ろにしない作品
──増田さんは、糸役が大空さんであることについてどう思いましたか?
増田:この作品のメインキャラクターたちって、アイコンとして、こういうところもあるよねってわかりやすく作るよりも、一話一話歩むごとに、「こいつは本当に良い奴だな」とか「あまり褒められないよな、こういうところって」って感じるものだと思っているんです。
原作のオザキアキラ先生とオーディションの話をしたんですけど、先生は後ろ姿とか動きを、リモートで見られていたらしいんです。で、確か、大空さんの動きが糸ちゃんっぽくて、この人だったらいいなと思っていたという話を聞いた気がするんです。僕ら声優って音声表現だけが作品に乗りますが、実際は、収録しているときのマイク前での立ち方や、現場での振る舞い全部を見た上で、大空さんがこの作品の主役で良かったなと思うので、それを毎週毎週噛み締めながらやっている感じでした。
なので、第1話で大空さんが糸にぴったりと思ったというよりは、今思えば第1話から大空さんって糸っぽさがあったよねという感じなんです。そもそも僕、第1話は一生懸命だったなという気持ちしかないので。
──たとえば、どんなところが大変だったのですか?
増田:こういう女の子が主人公の作品だと、男性キャラは、好きになってもらうヒーローになるわけです。脚本上でそうなっているからというだけではなく、僕の音声表現が乗ることで、より源の良いところがたくさん見つかって、主役が良いお芝居をできるようになる……そう信じたいので、どうしたら糸役の大空さんに源の良さが伝わるかを考えていたら、ものすごく怖いんですよね。人を好きにさせる力ってすごく難しいので、そこが怖くて、一生懸命だったというのはあります。
──源の魅力のわかりづらさ、というのもありますよね。
増田:昨今、なかなかいない男の子ですからね。
大空:確かに、もっと爽やかで優しいみたいな子が王道なのかもしれない。でも、源はわかりにくいけど、めちゃくちゃあったかいハートを持っている子だから。
増田:それでも玄人好みな気がするなぁ(笑)。みんなスルメなんて噛まないじゃん。ひと噛みで「味がしない」とかになるじゃん。
大空:噛んでほしい。でも4兄弟、みんな人間って感じがするなぁ。わかりやすさというよりは、人としての魅力があるというか。
──第1話の内容はいかがでしたか?
大空:最初のシーンからほっこりしましたね。糸ちゃんも、これから家族になっていくんだという気持ちを持っていたし、新しくお父さんになる勲さんも、すごく糸ちゃんのことを歓迎してくれている空気感で、3人でジーンとしているシーンがたまらなくて、明るい未来を思い描けるような1シーンでしたね。
──新しい父親って警戒しそうだけど、良い人だというのがわかる感じでしたね。
大空:柔らかい感じがしましたよね。(笑ってる増田さんを見て)笑ってます?
増田:いや、マジで4人の兄弟がいるのを言わないんだなって思っていました(笑)。あれ、4人も子供がいるお父さんのテンションじゃないんですよ。
大空:お母さんも「サプライズ」ですからね。ぽわぽわぽわぽわしてる父と母なんですよね……。
──増田さんは、第1話で好きなシーンはありますか?
増田:僕は糸のシーンになるんですけど、コメディシーンが大好きなんです。入り口としては、制服を着てバタバタするシーン。あれ、小刻みに動いたりしているんです。原作漫画でも躍動感は伝わってきましたけど、その解像度がさらに上がった気がして、アニメならではだなと思いました。アニメって、提供のところとかでループで流したりするじゃないですか。そういうのを見て、微笑ましいなと思いました。
──源の糸に対する距離感はいかがでしたか?
大空:ビックリしちゃいますよね。チッて舌打ちして突き放すような対応をするかと思えば、制服のシーンで友達に会ったところでは、「こんなんでも俺の姉ちゃんだよ」って抱き寄せたり。もう本当に距離感がおかしい! 女子の心を乱してる~って思いました。
増田:まぁ、家族だからね。
大空:家族だけど、ドキドキしちゃいますよ。糸ちゃんからしたら、見目麗しい男子ですし。何だこのイケメンどもは!糸ちゃんもびっくりしていましたし、家族になりたての糸ちゃんからしたら、かっこいい男子にグッとされたら、ドキドキしちゃいます。
増田:でも、糸は金太郎の七五三だからなぁ。
大空:このあとこけしとも言われます……。源のいろんな言動にドキドキしたりビックリしたり、怒ったり笑ったりときめいたり、本当に感情が忙しく動かされて、罪づくりな源だなと思いました。だから女子のみんなも、源のいろんな言動にビックリしたり、ときめいたりすると思うので、それを一緒に味わっていただきたいです。
──今後、楽しみにしてほしいところはありますか?
増田:少女漫画原作ということで、第1話を観ると、きっと糸と源に何かしらの展開があるのかな?って、何となく頭では理解すると思うんですけど、観続けると「本当に展開あるの?」と思うくらい、不思議な距離感なんです。
でもこの作品は、家族というものを描いているので、家族になるという行程を蔑ろにせず、糸が弟たち4人ひとりひとりに向き合っていくんですよね。それを大事に紡ぎあげていく作品ですので、毎話毎話、大人になればなるほど忘れてしまうような、誰かを大切にする気持ちが、噛みしめるように味わえると思います。現代社会に疲れている人こそ、こういった作品を見ながら、明日もまた頑張ろうと思っていただけたら嬉しいです。
大空:わたしも、言いたいことは全く一緒です!
増田:ほんと? 現代社会に疲れた人たちだよ?(笑)。
大空:いや、そういうことです! みんなに観てほしいです。
[文&写真・塚越淳一]