英語力を確実にあげる、「ちょこっと復習」って? 『ラジオ英会話サブノート』活用ガイド2
「ラジオ英会話」のキーセンテンスに絞って手軽に復習できる『NHKラジオ英会話 サブノート1日1文! 集中トレーニング』。
その効果的な使い方を、英語講師で「ラジオ英会話」ユーザーでもある渡邉淳さんが伝授。がっつり机に向かわなくても、すきま時間で効率よく勉強する「ちょこっと復習」について紹介します。
皆さん、こんにちは。英語講師や編集者をしている渡邉淳です。 今回は、ポジティブな気持ちでできる「ちょこっと復習」をご提案します。「机に座って行うのが学習」というお気持ちもわかります。しかし、「ちょこっとした時間でも勉強できる」と「学習」の定義を広げることで、定着度が高まること間違いなしです。サブノートを活用している方はもちろん、テキストだけお持ちの方でもできますよ。
「ちょこっと復習」の対象はキーセンテンスです。2024年度のキーセンテンスは各文法事項に沿ったもの。それは英語を使ううえでの「型」です。その型に、さまざまな単語を入れ換えることができれば、確実に英語力はメキメキ上がっていきます。95%は何を話すかに頭のリソースを使う。つまり、文法は無意識下に落とし込むのです。
▼それでは「ちょこっと復習」のポイントを見ていきましょう!
英語でカッコよく言ってみましたが、皆さんはその重要性を当たり前のようにご存じでしょう。しかし、これを受け入れて、どれだけ日々の生活にキーセンテンスの「繰り返し」を入れ込むかが勝負です。1回見たり聞いたりしただけで覚えられる人はいないのです。
「ちょこっと復習」の対象は「今日の1文」であるキーセンテンスに絞ってください。ダイアログやPractice までやらなくてよいです。
テキストやサブノートを取り出すよりも、スマホや携帯電話を取り出すほうがはるかに楽ではないでしょうか。スマホでキーセンテンスを撮影して、その写真を何度も見返しましょう。
「キーセンテンスは何だっけ?」と自分にストレスをかけるのではなく、さっと写真を出して英文を確認する。そのクセがつけば、一日の中で何度も英文に接することができます。
声に出すこと、特に声量を大きくして音読することが大事です。
大学生や社会人に指導をしていく中で、音読の声の大きさはひとつのカギだと気づきました。大きな声を出す方々が、順調に英語力を伸ばしていく傾向にあります。
個人的な経験としても、小さな声よりも大きな声で音読をするほうが記憶に残りやすいです。
大きな声で音読することによって、自分で自分の英語を聞き取る機会となります。そして、それに対するフィードバックを自分で行うことができるため、英語力向上につながっていきます。
日々の心がけとして、「思い出す」という行為を取り入れることをオススメします。撮影した写真を見返せない場面がチャンスです。ふとした休憩の時間もチャンスになるでしょう。キーセンテンスを思い出して、
「声に出す」もよし。「頭の中で音読する」もよし。
「紙に書く」もよし。「音声を聞く」もよし。
もし思い出せなかったとしても、「ああ、ダメだ」と自分を責めないでください。そんなにすぐに覚えられるものではありません。四六時中、キーセンテンスのことを考えてはいられないのですから。
そんなときは、できるかぎり早く、キーセンテンスを確認しましょう。それでまた思い出せばいいのです。
渡邉 淳(わたなべ・あつし)
東京外国語大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。留学なしでTOEIC990点満点、英検1級を取得。教材制作会社を経て、現在、フリーランスの編集者・ライターをしながら、東京海洋大学で非常勤講師を務めている。ブログやXを中心に、講師としても、学習者としても、日々、英語学習に関する情報を発信。著書に『TOEIC® L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』(朝日新聞出版)などがある。
◆文:渡邉 淳
◆イラスト:倉本トルル