多摩高野球部 野球の魅力、知って 児童対象に交流イベント
県立多摩高校(多摩区宿河原)の野球部による「野球交流イベント」が1月26日、同校グラウンドで開催された。地域の小学生1、2年生を対象に、同部の部員らが技術を指導したり試合形式で対戦したりして、野球の魅力にふれあった。
学校の通年科目「総合的な探求の時間」で、野球の科学的な研究に取り組んでいる同部。このイベントは、地域の野球人口拡大を図るため、昨年度から実施されている。
学童野球チームに声をかけ、当日は午前の部に多摩区、午後の部に高津区の小学生計約120人が参加。部員から「守る」「投げる」「打つ」の指導を受けたり、野球を簡易化した「BTボール」で対戦したりした。
加えて今回は、チームに所属している児童だけでなく野球をしたことがないという子どもにも機会を提供しようと、午前の部で未経験者を募集。8人が参加し、その保護者に対しては、子どもが野球を始めるにあたっての不安を取り除くため、説明会も実施した。説明する際は、昨年度、学童野球チームに所属する児童の保護者らに対して行ったアンケート調査の結果を活用した。
今回の企画を担当したのは2年生の稲毛暸介さんと鈴木諒介さん。児童に成功体験を持ってもらうためプレーの難易度を調整し、自信をつけさせるような声がけを意識したという。稲毛さんは「満足げな表情で帰ってくれる子や保護者がたくさん見受けられた。少しでも多くの子が野球を始めてくれたらうれしい。また、小学生に限らず、多くの人に野球人口減少に関する問題を身近に感じてもらうことが一番」と感想を述べ、鈴木さんは「子ども同士の試合後、異なるチームに所属する児童が仲良く話していてうれしかった。説明会に参加した保護者も積極的に質問してくれ、事後アンケートでも前向きな意見が多く寄せられた。初めての試みだったが、取り組みを実施して良かった。活動を通じて多くの人に野球の楽しさを知ってもらうことが何よりも大切」と話した。
同部顧問の飯島佑教諭(37)は「昨年度までの研究成果が今回、直接反映できていることに大きな価値がある。未経験の児童と、保護者へのアプローチの根拠を生徒自身の研究から導き出せたことが昨年と比較して大きな進歩。次年度以降もイベントは継続して実施していく」と話していた。