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【町田市】稲垣市長が選挙で主張 「インクルーシブ教育」とは? 専門家に聞く

タウンニュース

質問に答える高野さん

 今月就任した稲垣康治市長が「(子どもが)多様性を学び思いやりのある心を育てる」として選挙中から推進に意欲を示してきたのがインクルーシブ教育だ。インクルーシブは「包括的な」の意。インクルーシブ教育とは何か、専門家に話を聞いた。

 文部科学省のWEBサイトでは「障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み」と紹介されている。

 インクルーシブ教育の研究を行っている横浜国立大学ダイバーシティ戦略推進本部D&I教育研究実践センターの高野陽介さん(教育学博士)によると、1994年に採択された「サラマンカ宣言」で「障害のある子どもも含めた万人のための学校」が提唱されたことが大きな契機となっているという。

 海外では障害以外にも言語、性別、人種、社会的背景など違いによって教育参加が制限されないようにするという広い概念で捉えられることもあるが、日本では障害のある人を念頭に論じられることが多い。さらに近年、「通常学級の中にも発達障害がある人は珍しくない」との認識が広まってきたことをうけ、通常学級であっても配慮の必要性が考えられるようになった。

選べる自由

 障害のある人が教育を受けるために大きな選択を迫られる場面として進学が挙げられる。通常の学級、特別支援学級など複数の選択肢があるが、通常学級で受けられる配慮が不十分であれば選択肢を狭められることになる。

 町田市教育委員会は、「障害を理由に一般の学校への入学を断ることはない」といい、高野さんは「適切な教育環境を選択できるように重視しているのが日本のインクルーシブ教育の考え方です」と話す。

 そうした状態を作る上でキーワードとなるのが「合理的配慮」。この場合の「合理的」とは「一人ひとりに合わせた」という意味。高野さんは「配慮が必要な一人ひとりに対して話し合い、すり合わせを行うことが必要」と指摘する。

互いの理解必要

 インクルーシブ教育の実践には課題もある。例えば、一人ひとりに対応することによる教員や学校の負担増。バリアフリー化がなされているかなどのハード面の問題。いじめにつながる可能性などだ。

 また教員や学校の正しい理解も必要で、障害のある当事者が学校に配慮を求めすぎてしまうケースも存在するという。「当事者や保護者もニーズを適切に伝え、双方の対話と合意形成が不可欠」という。

周囲への影響は研究中

 稲垣市長は選挙中、「インクルーシブ教育は多様性を学び、思いやりの心を育てる効果がある」とした。

 高野さんはこの点について「周囲への影響はセンターとして研究を行っているところ」と話した上で「多様な子どもが共に学ぶことにより相互理解や共生力の育成が期待される。周囲の子どもに良い影響をもたらすこともインクルーシブ教育の目的になりうる」との見解を示している。

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