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本流釣り入門解説 【大型魚が釣れるポイント・時期・タックル・エサを解説】

TSURINEWS

まばゆいばかりの完璧な魚体(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)

今回の解説が本流釣り初心者や、本流魚になかなか出会えないアングラーにとって、魚を手にするためのヒントになればと思う。

ポイント選択

本流は広大でダイナミックな流れだ。大淵、大エン堤、荒瀬、急瀬、早瀬、大トロなど魅力的な流れが数多く点在する。魚のエサとなるカワムシも豊富で、本流魚は大型化する傾向にある。釣れてくる本流魚は幅があり、魚体も洗練されたまばゆいウロコに覆われている。河川やタイミングによっては尺クラスも夢ではない。

また海からの遡上魚も本流では狙える。遡上魚ともなれば、サイズは40cmを超える。しかし本流は渓流と違ってフィールドが広く、ポイントが絞りにくい。タックルも長ザオが必要となる。

本流魚は幅があり大型化する傾向が強い(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

広大な本流で本流魚が釣れるポイントを見つけるのは、渓流よりも難しい。根本的に渓流より本流の方が魚影は薄いし、川幅が広く水深もあるので、絞りにくいのが要因だ。今回はある程度本流で魚に出会えるポイントをいくつか紹介したい。

エン堤近辺

エン堤近辺は本流釣りの定番ポイント。時期にもよるが、尺超えの大物に出会えるのもエン堤付近が多い。しかしエン堤下は誰でも分かる好ポイントなので、すぐに釣れなくなる。そんなときはエン堤下流にあるちょっとした淵や、流れ込みを狙ってみると良い。

エン堤まで遡上してきた魚が、そんな場所でひと休みすることは珍しくない。エン堤下の着き場は、エン堤の流れが落ちた脇と流芯の流れが遅くなる所。元気のある本流魚と言えど、流芯に長く居着いているのは楽ではない。楽にエサが捕食できて、居心地の良い流芯脇の流れになる。

支流の合流点付近

支流の合流点付近は、その支流からアマゴが本流へ出てくる時期がある。そのため魚影が濃いことが多い。それは大きな支流でなくても、小さな谷でも同じなので見逃したくない。着き場はやはり支流と本流が合流する地点と、合流した流れが遅くなる所だ。その近辺に深場や大石裏があれば狙いめ。

大淵または大淵の上下の瀬

大淵は言わずと知れた好ポイントだ。大淵に多くの魚が居着いている。また大淵上下の瀬も狙いめで、増水後に狙うと思わぬ入れ食いになることもしばしば。大淵の着き場は、流れ込みの頭と淵のヒラキ。上下の瀬は瀬肩を手前から攻める。石があれば石の横や石裏が着き場になる。

中州周り

本流の流れには中州があり、流れが分かれるポイントがある。特に初期の本流では、こうした流れの分流側が狙いめだったりする。まだ活性が上がり切っていない場合だと、流れが弱い方にいることが多いからだ。また増水時は特に狙いめだ。

初期の本流は上流部が狙いめ

釣れ始めは本流の上流部が多いと思う。理由は上流部ほど支流や谷が多く、比較的魚影が濃いからだと思う。上流部なのでイワナも交じることが多い。特に出始めは尺イワナに出会えることもあるので見逃せない。

大物が釣れる時期

本流釣りの最大の魅力は、大物に出会えることだ。しかしシーズン中、常に大物が狙える訳ではない。本流で大物が狙える時期は、春の桜が咲き始めたころ。梅雨入りし、川が増水傾向にある時。秋の台風シーズンだ。

春の桜の咲き始めは大物に限らず、魚が動きだす時期。数も狙えるが大物も動きだす。そして梅雨に入る6月~7月中ごろ。梅雨の影響で川が増水傾向になると、尺アマゴ、サツキマスのベストシーズンだ。

ダイナミックな本流釣りに挑戦しよう(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

そして本流釣りが終盤となる9月。このころになると、頻繁に台風が発生する。釣行する河川に台風が上陸しなくても、川が増水することはよくある。このころなると本流で大物を狙う釣り人も減り、狙ったポイントへ難なく入川できる。そして思わぬ大物に出会えることもある。この時期の本流魚は婚姻色が出ており、いかつい顔つきの本流魚も珍しくない。

釣り方

釣り方は通常の渓流釣りの延長のようなもので、サオが長くなった分振り込みが多少やりにくい。サオは片手持ちだと疲れてしまうので、両手持ちが基本となる。サオ先をブラさず、目印を安定させる。支流域との大きな違いは、水量が多く流れが速いこと。仕掛けがうまく流れにナジまないと、渓魚の元までエサを持っていけない。

本流上流ではイワナのチャンスも(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

オモリを支流域よりも重くして対応する。もちろん重すぎてもエサは自然に近い状態で流れないので、最初はオモリを重くして川底をしっかりキープすることに専念し、慣れてきたら適正な重さに調整する。言うはやすしだが、こればかりは経験で覚えていくしかない。

本流釣りでは、狙った筋を長くエサを流すのが基本。広大な本流で長ザオを手にした釣り人は、どうしても遠くのポイントへエサを投入しがちだが、エサを流しているサオ先と仕掛けが直角に近い感じで流れていることが重要。サオ先と仕掛けが鈍角の角度で流れていると、本流魚がエサをくわえた際にアワセが遅れるし、掛かった魚が大物だとバラしたり最悪イト切れのトラブルになる。またサオの角度が仕掛けに対して直角に近い角度だと、やり取りもしやすくハリ掛かりもいいと思う。

本流の渓魚は粒ぞろい(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

後はエサを流すスピード。基本は渓流釣りと同じで良いと思う。しかし大物を狙う際は少し遅く流すのがコツ。オモリをワンランク重く、目印を水中へ付けて抵抗を増やし、仕掛けを遅く流すやり方もある。

タックル

サオは数用と大物用と使い分けた方が釣果は上がる。また季節ごとに釣れるエリアも違うので、サオの長さも変えた方が良い。数釣り用は6~7mの硬調タイプで、硬過ぎず軟らか過ぎずがベスト。

大物用は8~10mの硬調がおすすめ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

大物釣り用は8~10mの硬調タイプ。ただし50cm超えるような渓魚を狙う際は、もっと硬い調子のサオでないと対応できないので、狙う河川やサイズによって合わせていきたい。長さは川幅によって使い分ける。天上イト、水中イト、オモリはタックル図を参考にしてほしい。

本流釣りのタックル(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

ハリは使用するエサによって種類は変える。使用するエサがカワムシなら、オーナーのカッパ極3~6号、忍ヤマメ4~7号、カッパマタギ3~7号。ミミズがエサならオーナーのきじ鈎6~8号、サクラマススペシャル8~11号。がまかつのハイパー渓流8~9号を使い分けている。

エサ

本流釣りのエサは、桜が咲くころはカワムシ。キンパクとヒラタが基本的なエサだが、大物狙いならクロカワムシが有効だ。桜が散り始め、初夏の陽気になり始めたころにオニチョロが効くことがある。クロカワやミミズに比べバラシが少なく、意外に食いが良い。

春はカワムシが効く(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

梅雨入り以降はミミズが基本的なエサになる。ミミズは大きめのものと普通サイズとあるが、よほどの高活性でない限り普通サイズを使うことが多い。大きいミミズはアピール度は高いが、食い込みは普通サイズのミミズが良いと思う。

梅雨時期以降はミミズが基本のエサ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

ミミズの通し方

チョン掛けでミミズをハリに付けるときは、ミミズの胴体の真ん中辺りに差すとクネクネ動いてアピール度抜群だが、外道の格好の的にもなる。大抵はミミズ通しと呼ばれるアイテムを使う。長いまっすぐなハリにミミズを差して、そのハリの先に穴が開いているのでその穴に使うハリのハリ先を付けて、そのまま通すやり方だ。

ミミズ通しで付ける(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

基本は少し遊びを出してアピール度を高めるが、遊びは出さないようにする。すると外道が釣れることが少なくなる。遊びを出すと、その遊びの部分だけ外道に食いちぎられて、結局付け直す羽目になる。

本流釣りのマナー

まずは、狙ったポイントに先行者と思われる車が駐車してあったら、そのポイントは諦めよう。本流は広大だが、誰もがそのポイントでのんびり釣りたいものだ。他にもポイントはたくさんあるので、事前にポイントをいくつかピックアップしてから釣行しよう。

本流釣りの可能性は無限大(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

当然ながら駐車禁止の場所には駐車しないでほしい。地元の人に嫌な思いをさせては、釣り人の肩身はどんどん狭くなる。ゴミも当然ながら持ち帰ろう。今年もマナーを守り広大な本流で気持ち良くサオを振り、記憶に残る本流魚に出会おう。

<週刊つりニュース中部版 松森渉/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年2月23日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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