部下のモチベアップには「努力を褒めて期待をかける」?やる気がない人のモチベーションの上げる「ホーソン効果」とは?【相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典】
やる気を一段階上げる
ほめられることより期待されることでやる気が上がる
やる気のない部下のモチベーションを上げることほど、難しい課題はないだろう。「ガンバレ!」と応援してやる気を出させるべきか、厳しい指導によって鍛えるべきか、当然個別に適性があることは間違いないが、モチベーションを上げさせるという際に適した方法がひとつある。
それは、自分の期待値を相手にしっかりと伝えることである。心理学用語で「ホーソン効果」と呼ばれる方法だ。これは、米国ハーバード大学が、ホーソンという工場で労働者の作業効率を上げるための調査をする実験をしたときにわかったもの。
内容は工場内の照度などによってモチベーションは、どのような変化をするのかを調べたものだった。しかし、効果的だったのは、具体的な条件ではなく、ハーバード大学の実験に参加するという注目度によるものだった。
結果ではなく努力をほめるのが大事
この実験で、人間は誰かに注目されることで、高いモチベーションを維持できる、という結論が得られた。モチベーションの低い人のやる気を高めたいなら、「君しかできないことだから!」「がんばってるねー」と注目度が高いことをこまめに伝えることが効果的なのだ。
もちろん、ほめることでモチベーションを上げる手もある。次に、ワシントン大学の心理学者フランク・スモールが行った実験を紹介しよう。
少年野球の子どもたちを同程度の実力になるよう2つのチームに分け、一方は努力をほめつつ指導し、もう一方はほめずに指導した。すると、前者の方が6%も勝率が高かった。しかも、努力をほめられた子どもたちは「野球が楽しく、コーチが好きで、自分に自信がある」と答えたという。
ポイントは、結果ではなく「努力」をほめること。結果をほめる回数は限られるが、努力は無限にほめることができる。また、あまりがんばっていない人もほめる。ほめられたことで「そこまで言われたらがんばらなきゃ」と、やる気を起こさせる効果も期待できるのだ。
やる気がない人のモチベーションの上げ方
業務を託す
仕事の内容とプロセスを丁寧に説明する。
×ギリギリになってダメ出しをする
やる気のない相手だと業務がきちんと進行していない。
○注目度の高さを継続的に伝える
こまめに連絡することであまりやる気のない相手でもモチベーションを上げることができる。
【出典】『相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典』監修:齊藤勇