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災害を「正しく恐れて」 徳洲会災害医療活動「TMAT」〈藤沢市〉

タウンニュース

TMATとして能登半島地震被災地で活動した高力院長補佐(左)と佐藤看護師長

湘南藤沢徳洲会病院(辻堂神台)の高力俊策院長補佐と佐藤哲也看護師長が「NPO法人TMAT」の一員として、能登半島地震の発災直後に現地で医療支援活動にあたった。避難所の様子や被災地で感じた課題などを聞いた。

TMATは、全国に76の病院を展開する徳洲会グループの医師や看護師等2千人以上の会員で組織され、東日本大震災や熊本地震をはじめ、海外の災害被災地でも活動している。

高力院長補佐と佐藤看護師長は先遣隊として、地震が発生した1月1日の夜に藤沢を出発。現地について「道路被害の影響が大きかった」と口を揃える。「陥没がいくつもあり、夜間は危険で移動ができなかった」と佐藤看護師長。幹線道路に車が集中し、救援部隊や支援物資の到着にも遅れが生じた。「これまでは3日分の水と食料が備蓄の基準だったが、足りなくなることも想定しなければいけない」と高力院長補佐は訴える。

複数の避難所を見て、備蓄による環境の差も感じたという。避難所の体育館で被災者が何も敷かずに寝ている所もあれば、資材が充実している場所では温かい食事が提供できているケースもあり、「避難している人に笑顔があった」と精神面の影響の大きさを語る。

現地の医療スタッフは、これまでの患者に加え避難所で体調を崩す人も多く、水も薬も不足する中「交代もなく、使命感でひたすら働く状態」だった。TMATでは全国の病院などから順次支援を派遣し、中長期的に活動した。

関東でも大規模な災害が予想されている。高力院長補佐は地震による津波の危険性について、「海からはもちろん、川からの水、橋の破損など、これまで経験したことの無い災害も起こりうる」と警鐘を鳴らす。一方で、「東日本大震災での計画停電などを経験したこともあり、防災や災害への意識は確実に変わってきている」とし、「知識を身に着けて、過剰に恐れず、災害を正しく恐れて、正しく備えてほしい」と呼び掛ける。

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