【詐欺師のレシピ】第11回:うまい話はウソだが、ロマンス詐欺師・晴子の「和牛チャーハン」は本当にうまかった
このところ、詐欺被害のニュースが無い日は無い。「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」が急増しており、被害額は過去最悪ペースで推移している極めて深刻な状況だ。
前回登場した “詐欺師コーディネーターかおり” が私に紹介してきた晴子(28)もまた、結果的にはお金の話(投資)を持ち出してくる典型的なロマンス詐欺師であった。
しかし、私が彼女から聞き出したチャーハンのレシピは決して典型的なものではなく、シンプルながら非常に完成度の高いものだった。その名もズバリ、「和牛チャーハン」。
【動画】調理中の動画や実食の感想動画はこちらのインスタを参照
・ロマンス詐欺師・晴子(28)「和牛チャーハン」
なぜ晴子は単なる「牛肉」ではなく「和牛」を指定してきたのか。こりゃ高いチャーハンになるぞ……と思いながら「和牛」と書いてある国産牛を購入したが、食べたらハッキリとその真意がわかった。
【材料】
・和牛(食べやすい大きさに切っておく)
・冷えたご飯(大盛り1杯分)
・たまご(1個)
・玉ねぎ(半分。粗みじん切り)
・にんじん (半分。粗みじん切り)
・塩(適量)
・胡椒(適量)
・醤油(適量)
【作り方】
1:中華鍋に油を加え、和牛を炒める。この時、醤油、塩、胡椒で強めに味付けして、火が通ったら別皿によけておく。
2:油を加え、玉ねぎとにんじんを炒める。
3:しんなりしてきたら、ご飯を加えて混ぜ炒める。ピラフっぽい見た目になる。
4:溶いた卵を入れ、混ぜ炒める。炒(チャオ)りまくるとパラパラになる。
5:最後に濃い味付けの牛肉(1)を加え、味が浸透するよう、がんばって鍋振りしながら混ぜ炒めて……
完成! そのお味は?
ふつうにうまい! さすが和牛、旨味が半端ない。“味付けは牛肉のみ” なので心配だったが、ちゃんと全体に行き届いてる。
ひとことでまとめるなら、シンプルな構成ながら完成度が極めて高い。理にかなっているというか。
にんじんと玉ねぎも効いている。「みじん切り」よりちょい大きめの「粗みじん」というやつで、歯ごたえが残るサイズにしたけど、これがまた正解。
また、今回、お肉は薄いスライスではなく、焼肉用のちょっと分厚いやつを使ったのだが、これまた大正解だった。
チャーハンというよりは「焼き飯」系な味になっている。それは、牛肉の味付けに醤油を多用したからだと思われるが、牛肉の旨みがダイレクトに伝わるシンプルな味付けで実においしい。
一方で、この炒飯は「肉ありき」。肉選びで失敗したら台無しになる可能性も秘めている。それゆえ、お肉が柔らかく、食感的なストレスもない和牛をチョイスするのは必然とも言える。
和牛はもちろん、にんじん、玉ねぎの存在感もしっかり感じるし、食感もいい。最低限の食材の組み合わせであり、無駄がない。「やるなぁ……」と唸らざるを得ない完成度であった。
・引き続き詐欺には要注意
迷惑メール評論家である私の記事を古くから読んでくださっている読者の皆様は、おそらく「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」に騙される者はいないと思う。
なぜなら手口を知っているからである。
一方、警察庁の発表によると、上記2パターンの詐欺を合わせた被害額は、半年間で約650億円に上る(令和6年上半期)という。これは前年同時期の約5倍以上という異常事態。
半年間で約5000件以上発生しており、毎日どこかで高額な被害が出ている今日この頃なのである。
なお、1件あたりの被害額は平均して1000万円前後と非常に高額なのが特徴で、退職金や老後の資金をすべて失うケースも多発している。
ちなみにロマンス詐欺の主な被害年齢は、男性であれば50代・60代がボリュームゾーン。女性の場合は少し若くなり40代・50代が多くなるという。
そしてSNS型投資詐欺の場合も、やはりメインの被害者は男女ともに50代・60代。退職金や老後資金を持った「資産のある大人」が狙い撃ちにされている状況にある。
いずれにしても最大の防御策は「知ること」である。「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」という存在を知っているだけでも疑えるし、防ぐことができる。
信じるな。疑え。常に。
ネットで知り合った見知らぬ人が持ちかけてくる「うまい話」なんて全部ウソ。ただ、チャーハンのレシピだけは「本当」であり、かつ「うまい」のであった。
参考リンク:警察庁『令和6年上半期におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』(PDF)
執筆:迷惑メール評論家&チャーハン探求家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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