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高齢者の脱水予防が命を守る!

ボブとアンジーのレシピ

ボブとアンジー(R)

高齢者が脱水になりやすい理由は何か?
どのように食事や水分を取ればよいのか?
脱水を予防する食事のとり方を管理栄養士がお伝えします。

高齢者は本当に脱水になりやすの?

一般的な体重あたりの総体液量は、成人男性でおよそ60%、成人女性でおよそ55%とされていますが、高齢になるとおよそ50%まで低下します。なぜかというと、水分を多く含む筋肉が減少し、水分を保持しにくい脂肪が増加するためです。筋肉の多い男性の方が、女性よりも水分量が多いのはこのためです。そして体内の水分が失われて細胞外液の量が減ると細胞内液の移動によって補充されるのですが、高齢者の場合は細胞内液量が少なくなっているため、恒常性の維持が難しく、脱水を起こしやすくなると言われています。

その他、高齢になると体の機能の衰えにともない、腎機能が低下するため尿の濃縮力も低下することがあげられます。さらに口渇中枢の機能低下により口中や喉の渇きを感じにくくなり、「水が飲みたい」と思うころには脱水状態ということもあります。
脱水が進むと「体に必要な栄養素や酸素を取り込めない」、「不要になった排泄物を排泄できない」、「体温調節がうまくできない」などの影響が出ます。重度になると命にかかわることもあるため、注意が必要です。

甘酒 / ボブとアンジー(R)

生活習慣で差が出る脱水予防とは?

脱水は室内で起こることもあり、温度や湿度を調整することで予防できます。しかし中には、節電の習慣からどんなに暑い日や湿度の高い日でも、「エアコンがあっても使わない」、「防犯のために窓を開けない」ということもあります。その他、夜中のトイレで起きないように「夕食から水分を控える」などの習慣がある場合は脱水になるリスクが高くなります。快適な室温・湿度にし、睡眠前も水分補給を心がけましょう。

水分不足は便秘になる?

高齢になると喉の渇きを感じにくく飲水量が減ることや、「食事をきちんと食べていない」、「量が極端に少ない」など、食事からの水分と便の材料である食べ物が減ることで便を出しにくくなります。

便秘の自覚症状として、下腹の不快感、膨満感、腹痛、吐き気、嘔吐など辛い症状があります。便秘をそのまま放置しておくと便が腸の中でかたまってしまい、腸閉塞などのリスクが高まると言われています。

毎日の便秘対策には腸内環境を整え、排泄を促す食物繊維の豊富な食品を食事に取り入れましょう。食物繊維は、大麦などの穀類や海藻、きのこ、根菜などの野菜に多く含まれています。また、オリゴ糖や発酵食品も腸内環境を整えます。オリゴ糖は、市販で売られているものをコーヒーや紅茶に入れて飲むなど、砂糖の代わりに使えます。発酵食品も「ヨーグルトを1日1回食べる」「すまし汁ではなくみそ汁を飲む」など、毎食少しずつ取り入れるとよいでしょう。

高齢になると油を控える方もいらっしゃいますが控えすぎはよくありません。油は腸で潤滑油となり、便を出しやすくします。肉や魚、野菜炒め、サラダにドレッシングなど、油分も適度に食事に取り入れるといいですね。
食事量が落ちているときは口当たりのよいものや好きな食べ物、食欲増進につながるしょうがや梅干しなどを使ったメニューもおすすめです。

長いもと長ねぎの梅そうめん風 / ボブとアンジー(R)

褥瘡(床ずれ)が脱水の原因に?

褥瘡(床ずれ)とは、寝たきりなどで体が圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞るなどの様々な原因により、皮膚の一部が赤くただれたり、傷ができてしまうことです。傷口から体液がしみ出ている場合は、水分の摂取量を必要に応じて増やさなければ脱水を起こすこともあります。   

栄養状態が悪い低栄養は褥瘡の原因のひとつです。低栄養状態を確かめるには炎症や脱水がなければ血清アルブミン値や体重の減少率、喫食率などで確認します。

食事は脱水予防に最適

主食、主菜、副菜、汁物があるバランスの整った食事を1日3回とることでよい栄養の状態が保たれる他、塩分や糖分、ミネラル類などが補給できるめ脱水の予防になります。食事の用意が難しい場合は配食サービスや宅配弁当を利用する方法もあります。
そして食事以外でも水分補給をしましょう。朝起きたとき、食事のとき、食間、寝る前などのタイミングでこまめに水分補給をするといいですね。
嚥下状態の悪い方にはとろみ剤を使用したり、お茶やスポーツドリンクのゼリーからの水分摂取も有効です。
高齢者の場合、一気に脱水になるというより徐々に進行していくことも多いため、毎日の食事やこまめな水分補給が大切になります。

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

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