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デザインコンセプトをより力強く印象づける使命│ポルシェの重要デザイナーに聞く

ClassicPORSCHE.jp

この記事は『類をみないスポーツカーの登場│トランスアクスルポルシェが生まれるまで』の続きです。

当初、924はフォルクスワーゲンとアウディの部品を流用して生産されたが、その独特の駆動レイアウトとデザインがなぜすぐにポルシェに相応しいものとして具現化したのか。

ラガーイは、これはフォルクスワーゲン向けの企画だったにもかかわらず、実はデザインの初期段階ですでに彼はポルシェを思い描いていたと明かす。「924 のデザイン設計は直感で生まれた部分が多いのです。斬新なサプライズも秘めていました。それまでのポルシェにはなかったタイプでしょう」これは当事者たるラガーイだからこそ、語ることのできるデザインの裏話である。

若かりしラガーイがデザインを手がけた 924と時を同じくして誕生したポルシェ 928。ちなみにポルシェのデザインセンターには、今も両モデルが並んだ写真が飾られている。この 928 プロジェクトは 924 と同様にアナトール・ラピーヌが指揮を執り、デザイナーのヴォルフガンク・メビウスが新たなグランツーリスモ像をあみだした。924 と 928 に共通するのは、フロント・エンジン+リア・トランスミッションという ”トランスアクスル・レイアウト” だ。

「この駆動コンセプトは重量配分をフィフティ・フィフティにする目的で採用されました。両モデルの近似性は、ボディのプロポーションを見れば一目瞭然です」とラガーイはいう。確かに、両モデルともフロントとリアのオーバーハングが短く、エンジンフードとルーフが長いという共通点を持っている。特にリアの短いオーバーハングは、アクスル後方にトランスミッションを持つレイアウトを暗示する。

928のリアアクスルには、ジオメトリーを機械的に可変させ、さらなる車輌安定性をもたらすヴァイザッハアクスルも採用されていた。この先進的な技術は高い評価を受け、1978年には自動車業界で最高峰に位置づけられる ”ヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤー” に選出された。「当時はポルシェ特有の遺伝子をいかに後続モデルに受け継がせるかが最大の課題でした。私の任務はポルシェだとひと目で分かるデザインのDNAを継承させながら、3種類のモデルを刷新することだったのです」とラガーイは振り返る。

こうしてポルシェは1991 年に968と928 GTS をリリース。「当時求められたのは、戦略上のデザインコンセプトをより力強く印象づけることでした」。1993年には、先代モデルであるタイプ 964 よりもさらにポルシェ的な特徴が強調されたタイプ 993が登場した。そのフロントセクションには、968や928の影響が確認される。しかしトランスアクスル時代は、その2年後に終焉を迎えている。1995 年夏、ラガーイはすでに新たなる道を模索し始めていた。「時代を超えたデザインを生み出そうと思っていました」という言葉通り、ラガーイは初代ボクスターと 911(タイプ 996)を世に送り出す。再び ”将来のポルシェのあるべき姿” にひとつの答えを提示したのだ。

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