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【学生考案の企画が商品に】開志専門職大学で「商品開発実習」、学生がアイデアを企業へプレゼン(新潟市中央区)

にいがた経済新聞

商品のアイデアだけでなく、市場や利益計画、競合商品との比較、販売チャネルなども合わせて発表した

7月30日の商品開発実習の様子

開志専門職大学事業創造学部の授業「商品開発実習」で7月30日、学生たちが県内企業へ向けて新商品の企画をプレゼンテーションした。商品をつくる仕組みを学ぶ授業の一環で、今回は15のアイデアが企業に採用。今後、商品化へ向けて動き始める。

「商品開発実習」は学事業創造学部の2年生を対象とした授業で、今年から開講。会社が商品をつくる仕組みを、実際に企業と関わりながら学ぶことを目的としている。授業には、株式会社丸屋本店、株式会社鈴木コーヒー、株式会社いえい、にいがた匠の杜株式会社、新潟県観光物産株式会社、新潟かがやき農業協同組合、スーパーいまがわやが協力した。

学生たちは5月に各企業・組織から課題や要望をヒアリングし、グループに分かれてそれぞれ商品を考案。7月30日のプレゼンテーションでは、39のアイデアが発表された。発表の場では教師陣だけではなく協力企業の社員も参加。学生たちは利益計画や競合商品との比較、販売チャネルなども合わせて解説し、アイデアの有効性とそこへ込めた熱意を伝えた。

商品のアイデアだけでなく、市場や利益計画、競合商品との比較、販売チャネルなども合わせて発表した

発表のあと、何人かの学生に感想を聞いた。どら焼きとポッポ焼きをかけ合わせたアイデア「銅鑼パン」を考案した学生は「ポッポ焼きの形を変えるような既存商品がなかったので、そこからスタートして商品を考えた。周りの人に『こし餡がいいか、つぶ餡がいいか』なども聞いて商品の中身を考えていった」と振り返る。苦戦した点については「原価計算。どうしても類似の既存商品より高くなってしまって……。どこを削っていくかに頭を使った」という。

県内のブランド甘栗を使った「Le Marron Delice」を考案した学生は「(今回の授業で)販売時期もてきとうに選べないと知った。最初はオールシーズン作れると思っていたが、素材が市場に出回っている時期などを調べたら、保存期間などの問題から販売は収穫時期の秋に限定しないといけないと分かった」と話した。単にアイデアを発想するだけでなく、それを実現するまでの過程や苦難も学んだようだ。

一方で、発表を聞いていた鈴木コーヒーの佐藤俊輔代表取締役社長は「少しブラッシュアップすれば、本当に商品化までいけると思えるアイデアばかり。弊社へ向けたアイデア以外にも、ポッポ焼きの形を変えた『銅鑼パン』など、確かにその発想は今までなかったな、と思えるものもあった」と評価した。

今回の発表の結果、15案が商品化に採用された。授業を担当する開志専門職大学の庄司義弘氏によると、「今後、一旦企業に商品企画を預け、商品化に入っていただく。試作品や商品ラベルなどの進捗があった時、企業から(商品を企画した)学生にコンタクトがあり、実際の商品化まで関わっていく予定」だという。

【関連リンク】
開志専門職大学 webサイト

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