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障害のある息子に習い事はまだ早い?5歳での挫折と、9歳で「好き」を見つけるまで

LITALICO発達ナビ

障害のある息子に習い事はまだ早い?5歳での挫折と、9歳で「好き」を見つけるまで

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

首すわり、歩行、発語、オムツ外れもゆっくりだった息子。将来へ母の切なる願い

さて、今年10歳になったきいちゃんですが、ダウン症という障害ゆえに、成長スピードも定型発達のお子さんの約2倍。首すわり、歩行、発語、オムツがいつ取れるのか、就学は……?と不安になりながらも一つひとつ、クリアしてきました。

そしてその心配を一つひとつクリアして、一息ついた時、思ったのです。そろそろきいちゃんに習い事をさせてあげたいなあと……。

子どもの習い事に対する姿勢は親御さんによってさまざまだと思いますが、小さい時に始めた習い事を極めて、将来その道のプロやスペシャリストになってくれたら親としてはとてもうれしいですよね。

現在、障害があっても活躍されている方はたくさんいらっしゃって、障害のある子たちに限らず、私含めいろいろな人々に感動や勇気を与えてくださっています(ダウン症のある方も、アーティストやモデル、俳優さんなど、いろんな分野でプロとして皆さんイキイキと活動されています)。

もちろん、わが子がそんな存在になってくれたらうれしいけれど……私自身は、きいちゃんがきいちゃんの人生において、「何か好きなこと」を見つけてくれたらこれほどうれしいことはないと思いました。

勉強や仕事など、外からの評価だけではなく、本当に自分の「好き」だと思えることがあったら、それが自分の人生を明るく、豊かなものにしてくれると思っているからです。

私自身、趣味の「絵を描くこと」や「漫画」があったから、それが支えになって乗り越えられてきたことがたくさんあります。

わが子の「好き」が分からない!初めに体験したのは

さて、そこで問題なのが、「何を習うか」ということだと思うのですが、音楽、お絵かき、運動各種、選択肢はたくさんあって親としては迷います……!「好き」なことを習わせるのが一番いいのは分かってはいるのですが、一体何が好きなのかいまいちまだ分からない……。

悩みましたが、「ダウン症のある子は踊ることが好きな場合が多い」ということを耳にし、きいちゃん自身もよく家でふざけて踊ったりしていたので、きいちゃんが5歳くらいの時に近所のダンス教室の体験教室に行ってみることにしました。運動にもなるし、いいことづくめかも……!

(もちろんダンス教室のほうにはきいちゃんに障害があることを事前にお伝えし、それでも教室に通えるかどうか電話で確認をしました。)

さて、ダンス教室体験当日。

そのダンス教室はできたばかりで、たまたま体験の時は先生とマンツーマンで教わることができました。初めて見る鏡ばりの教室に、きいちゃん大興奮……!!ダンスそっちのけで、なんと教室中を興奮して這いずりまわる始末。

先生が一生懸命教えてくれるのに、全く聞かず、教室をただ這いずり回るだけのわが子……気まずい空気の中で、きいちゃんに習い事はまだ早いのかも、と断念しました。

最初の挫折から数年。ついに運命の出合いが!?

それから時が経ち、昨年、きいちゃんが小学3年生になった時に、2回目のチャンスがやってきました。

小学校の発表会で、特別支援学級のみんなで和太鼓の演奏を披露してくれたきいちゃん。とってもイキイキと、太鼓を叩いています。

「……これだ……!!」「そういえば、ダウン症のある人の和太鼓サークルもあったよな……!太鼓とか得意なのかも……!」と思い、今度はドラムの体験教室に行くことに。

当時小学3年生、9歳になっていたきいちゃんは、前回のダンス教室の時とは違って、落ち着いてドラムの椅子に座り、先生の指示も聞くことができていました。そして、決して上手とは言えないものの、しっかりドラムを叩くこともできたのです。

何より、本人に「ドラム続ける?」と聞くと、「やりたい」という返答が……!

オムツはずれもそうなのですが、習い事に関してもその子その子のタイミングがあるんだなと感じた出来事でした。

きいちゃんは今でも楽しくドラム教室に通っています。なんと、春には初めての発表会にも出演したんですよ。親の心配どこ吹く風、しっかりと本番も落ち着いて演奏することができました(私がビックリ……!)

もちろん、なんの問題もないわけではありません。ドラム教室でもいろいろありましたが、それはまたの機会で執筆できればと思います。

執筆/星きのこ

(監修:鈴木先生より)
定型発達でも障がいや特性があるお子さんでも、ダンス教室やドラム教室はいい習い事だと思います。ダンスは音楽に合わせて手足を動かしながらバランスよく踊ることで脳にいい影響があると考えられています。左右交互に動かすロコモーションによって左脳と右脳を刺激すると同時に、身体のバランスを保つことで小脳を鍛え体の軸を安定させるからです。究極のダンスはラジオ体操です。協調運動を高めることで感覚統合訓練にもなりえます。最近夏休みに自治体でラジオ体操をやらなくなってきていることを危惧しております。また、太鼓やドラムをはじめとするパーカッションは、リズムに乗って演奏する中で、脳の活動も活性化され、心身をバランス良く鍛えることにつながると考えられています。いろいろな習い事を試してご本人が気に入ったものから始めればよいのです。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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