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真洋、私の新章のタイトルは「セカンドステージ」

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真洋、私の新章のタイトルは「セカンドステージ」

表現者として新たな活動に臨んでいる人物の現在地に迫るインタビュー連載「new chapter -私の新章-」。

第6回目に登場したのは、真洋。乃木坂46、Z-Girlsでのグループ活動を経て、現在は俳優/ソロアーティストとして精力的に活動している彼女は、これからどのような表現を魅せていこうと考えているのか。

真洋が、これまでの活動と表現者としての新章への想いを語る。

・真洋の写真 41枚

韓国での経験が、今、全部強みになっています

ーー真洋さんのこれまでの活動を振り返ると、日本の乃木坂46と韓国のZ-Girlsでのグループ活動がポイントになっていますよね?

真洋:
オーディションに合格して、乃木坂46に1期生として入れただけでもすごい奇跡的なことだと思うんですけど、私にとってその後の韓国での活動がさらに貴重なんです。乃木坂46での活動はもちろん、海外での生活が今の自分に繋がっていると思います。

ーー韓国時代は、かなりストイックな生活を送っていたそうですね。

真洋:
ホントにストイックでした(笑)。今だから楽しくお話しできるし、笑い話にもできますけど、当時はもう……苦しかったです。

ーーどの辺りが大変でしたか?

真洋:
韓国で生活をしてみて、日本や乃木坂46っていう場所がすごく守られていた場所で、大事にされていたんだなって思いました。もちろん当時もそのことはわかっていたのですが、より強く気づかされましたね。韓国では練習量も多かったですし、24時間の中で自由な時間がほとんどゼロで。あと、やっぱり言葉の壁もあるので、“コンビニに行きたい”の一言だけでもすごいエネルギーが必要でした。最初の頃は何か言われた時に自分の想いを伝える気力もあったのですが、だんだんそれもなくなってきて、イエスマンになってしまっていました。反論するのがしんどくて、全部“オッケーオッケー、イエス、センキュー”みたいな感じで。だから、本当の自分がどんどんどんどんいなくなっていくような感覚になっていました。

ーー孤立していく感覚があったんですね。

真洋:
ちょっと悲しいこととかつらいことがあった時にすぐに寄り添ってくれる、乃木坂46の1期生のような存在も、日本語が通じるスタッフさんもいなかったので、全部1人でどうにかしなきゃいけない感じでした。でも、その時期があったから強くなれたので、今となっては本当に感謝しています。あの経験が、今、全部強みになっていますね。

ーー真洋さんは、乃木坂46時代、歌唱力やパフォーマンス力の高さに定評がありましたが、海外に渡ってみて、まわりのパフォーマンススキルについてはどう感じていましたか?

真洋:
フィリピンとインドネシアのメンバーが、歌もダンスもすごく上手でした。向こうは先生も厳しいので、足りないところをハッキリ言われるんです。私はダンスとか表現力が評価されていたので、そこに関しては何も指摘されないというか、逆にほかのメンバーが“MAHIROを見て、頑張りなさい”みたいに言われていたんです。でも、歌に関しては、日本語を一切使わず英語や韓国語になってしまって、日本ではあれだけ大好きだったのに、ほかのメンバーについていけなくなって悔しい想いをしました。

ーーその逆境を乗り越えるために、どのようなことに取り組みましたか?

真洋:
まず、日本の曲を一切聴かないようにしました。韓国に行った時に、今までの発声の仕方を全部直してほしいって言われて。でも、ずっと続けてきた歌い方を変えて、突然違う発声にしたら喉を痛めてしまったんです。歌が嫌いになりそうだったんですけど、みんなについていくために、夜中はずっとアリアナ・グランデさんとかを聴いて耳コピしていました。

ーー自分の歌唱スタイルを変えるのは容易なことではないですよね。モチベーションを保つためには、どうしていましたか?

真洋:
ステージに立つと、ファンのみなさんがすごく反応してくださったんです。特に海外のファンの方はレスポンスが大きいですよね。その瞬間、やっぱり頑張ってよかったって思えました。フィリピンとかに行った時には、自分のことを知っている人はおらんやろうなと思っていたのですが、“MAHIRO!”って叫んでくれて。フィリピンにもずっと応援してくれている人がいるんやと思いました(笑)。

ーーそうやって言葉の壁を越えられることがエンタテインメントの素晴らしさの1つですよね。そんな中、日本に帰ろうと思った理由は?

真洋:
コロナ禍ですね。Z-Girlsはメンバー全員違う国の出身だったのですが、韓国に行くことが厳しくなってしまって。7ヵ国のメンバーが1つの国に集まって移動するのはもう無理やってなって、自然と解散状態になってしまったんです。ただ、もともと韓国に行くのは2、3年と決めていたんです。ずっと海外に拠点を置くとは思っていなかったので、いつかは日本に戻ってソロ活動をしようと思っていました。

ーーソロアーティストになることをイメージしていたんですね。

真洋:
やっぱり歌うことにすごくこだわっていました。でも、今はそのこだわりもなくて、俳優として新たに頑張っていきたいという気持ちです。今までは、“私はこうだ”みたいに縛られている感じがして。だけど、ここ数年で“これもいいし、あれもいいし”みたいに選択肢がいくつもできたんです。タレント活動もしたいし、俳優活動もしたいし、イベントでは歌ったりもしたいしという感じですね。

ーーそういう風に心境が変わったきっかけはあったんですか?

真洋:
日本に戻ってきたあとも、ダンス好きやからダンスを続けていきたかったんですけど、グループ活動をしているわけじゃないので、環境的にダンスをすることが難しくなって。TikTokで踊ったりもするけど、やるからにはちゃんとダンスをしたいっていう性格なんです。そこで新しいことをしたいなと思った時に、ちょっとずつお芝居をする機会があって、演じていてなんか楽しいかもって思えたり、“真洋、俳優向いてるんじゃない”って言ってくださる方も増えてきて。そうやってちょっとずつちょっとずつ興味を持ち始めて、ドラマとか映画をいっぱい観るようになっていった感じですね。

真洋
真洋

今まで見せてこなかった自分をさらけ出せて、開放された気分になれる

ーー自分の新しい可能性が見つかっていくのはいいことですよね。アーティストとしては安室奈美恵さんに憧れていたそうですが、俳優として憧れていた人はいますか?

真洋:
誰やろう?……特定の人はそんなにいないですけど、作品に出ていたら観ちゃう人は……中谷美紀さんです。ビジュアルとか雰囲気が好みなんですよね。あと、自分のお母さんに雰囲気が似ていることもあって、それで好きになったのかもしれない(笑)。ナチュラルで作っていない人に惹かれちゃいますね。

ーー真洋さんにとって演じることの楽しさはどういうところにありますか?

真洋:
私、子どものころからしゃべることが好きなんですけど、苦手意識があったんです。周りが大阪の友達ばかりで、みんなしゃべりがすごい上手で、ちゃんとオチとかつけられるんですけど、私は大阪出身やのに、そういう能力がないから、けっこうコンプレックスがあって。でも、台本があれば噛まずにしゃべれることに気づいたんです。普段噛み噛みやのに、演技ってなったらすごいスラスラしゃべれて(笑)。乃木坂46にいた時にはそのことに気づけなくて、それがびっくりでした。

ーー役という設定があることで、逆にスムーズにお話ができるんですね。

真洋:
あと、今まで見せてこなかった自分をさらけ出せて、開放された気分になれるんです。なんか恥じらいもなく……恥じらいがあったら演技はできないじゃないですか。カッコつけない自分を見せることがいいな、楽しいなって思いました。

ーー俳優活動をする以前は、グループ活動がメインだったじゃないですか。そうなると、自分の個性とグループ内での調和のバランスを取ることも意識していたのではないですか?

真洋:
乃木坂46に在籍していた10代のころは、そんなことを考える余裕もなかったですね。もちろんグループだから、自分をどこまで出して、どこで遠慮してとかわかるんですけど、やっぱり10代の時って必死じゃないですか。それがわかっていても、ちゃんとコントロールして表現できないっていうか……だから乃木坂46の初期の頃は走りすぎちゃったり、遠慮しすぎちゃったり、もうむちゃくちゃだったと思います。それこそキャラも迷走していたというか(笑)。みんな可愛いから、自分は可愛いキャラじゃないと思っていましたし。メンバーの間では、ご飯で例えたら西野七瀬とか白石麻衣がカレーライスとかオムライスで、私は一味(唐辛子)って言ってました(笑)。

ーーそんなことを言っていたんですか!?(笑)

真洋:
でも、一味っていうスパイスがあったら、ご飯がもっと美味しくなるじゃないですか(笑)。だから、好きな人はめっちゃ好きやし、かけへん人はかけへんしみたいに割り切ってました。高校生ぐらいにすごく悩んでて、AKB48さんの映像を観た時に、板野友美さんだけが金髪でキャラクターが違っていたんですよ。でも、グループには板野さんのような存在が必要だと思えて、“自分、これや”って。その時、乃木坂46のマネージャーさんに、“私、このポジションに行ってもいいですか? 髪の毛染めてもいいですか?”って言ったんです。最初は黒髪ロングストレートだったんですけど、途中から染めましたね。

ーー自分が信じたことを貫いたことで、グループの中での立ち位置を確立することができたのですね。信念を持って臨んだ韓国時代には修行のような日々を過ごしたわけですが、その時の経験が現在の俳優活動にも生きているんじゃないですか?

真洋:
めっちゃ生きてると思います。海外の生活の中で、いろんなことを学んで、いろんな景色を見てきたので、感情の作り方などはそこから来てますね。例えば、泣く演技をしますってなった時に、海外での生活がなかったら、できなかったと思います。向こうでのレッスンは、歌とダンスだけだったんですけど、人間対人間のぶつかり合いがあって。そこで相手の感情を知ることができましたし、自分のすべきことなどを勉強できました。

ーー人間力を高めることができたので、演技の仕方も自然と掴めたのでしょうね。

真洋:
そうだと思います。乃木坂46の時はみんなが泣いてても、私はずっと笑顔、“ろってぃー=笑顔”みたいなキャラクターだったんです。でも、それは意図的じゃなくて。今、メンバーと映画とかに行くと、なんかもう涙が止まらなくて、自分でも本当に変わったなと思います(笑)。ちょっとしたことでも、胸にすごい突き刺さっちゃうんですよね。例えば、友達の誕生日を祝うシーンとかを観ていると、“それが当たり前じゃない”と思って、すっごい泣けてくるんです。だから韓国にいたことは、自分の人生にとって本当に貴重だったんだなって思います。

ーー日本では当たり前だったことが、韓国では当たり前ではなかったという経験は、真洋さんにとって大きなものだったと。

真洋:
そうですね。だから感情の波がすごく大きくなったんだと思います。友達に会えなくて地下の部屋にずっと篭もっていたから、日本に戻ってきてからは人と会えるだけでとても嬉しくなっちゃうんです(笑)。

ーー当たり前のことに感謝する気持ちは忘れがちになるので、当時は大変だったと思いますが、いい経験をしたんでしょうね。

真洋:
神様が教えてくれたんだなと思います(笑)。

真洋
真洋

“望美、外でパンツ脱ぐのヤバい! でも、面白いな”と思いました(笑)

ーー8月10日(土)から放送されるドラマ『闇金ドッグスX』では、闇金の債務者となる悲劇のヒロイン・江川望美を演じていますね。

真洋:
大変でしたけど、やりがいのある仕事でした。

ーー大変だったところは?

真洋:
最初台本をいただいた時に、“セリフ量が(これまでの出演作品の中で)1番多いやん”って思って(笑)。いろんな感情になったり、精神的にもけっこう追い詰められる役でした。見どころはいっぱいあるんですけど、今回パンツを脱ぐシーンがあったんですよ。

ーーそれは、体当たりシーンですね。

真洋:
それだけでもすごいじゃないですか。私は絶対室内だと思っていたんですけど、そのシーンは撮影初日で、しかも路上だったんです。“望美、外でパンツ脱ぐのヤバい! でも、面白いな”と思いました(笑)。

ーー非日常的ですね(笑)。

真洋:
非日常すぎますよね。でも、私が知らないだけで、実際あるっちゃあるんだろうなと思いました(笑)。

ーーそんな望美の役作りで気を配ったポイントを教えてもらえますか?

真洋:
実際に闇金とか、望美が勤めている裏ガールズバーは経験できないじゃないですか。だから、そういう人たちがいそうな場所に行ってみました。もちろんお店の中には入らなかったですが、うろうろしながら、そういう場所を歩いている女の子の服装とかを見ていました。

ーー服装を見て、役へのイメージを膨らませたのですね。

真洋:
私が子どもの時に見ていたギャルと今のギャルって、服装が違ったりするじゃないですか。最近の子は、この丈の靴下履くんだなとか、こういう靴を履いてるんやなとか思って。そこから“望美、どんなパンツ脱ぐんやろう?”とかイメージしました(笑)。

ーーその役作りはユニークですね(笑)。そのほかに撮影中の印象的だったエピソードはありますか?

真洋:
裏ガールズバーでお尻を触られるシーンがあったんですけど、セリフがアドリブだったんです。“もっと〜♡”とかは普通でおもんないなと思って、“お手柔らかに♡”って言ったら、監督がすごく気に入ってくださったのが嬉しかったですね(笑)。メンバーとふざけてしゃべっていた時のワードがぽんって出てきて、面白い友達がおってよかったなって思いました。

ーー今回の作品を乃木坂46の同期が観たら、どんな反応をしますかね?

真洋:
どんな反応するんだろう?……“頑張ったね”って言われそうです(笑)。今回の役は、ほぼすっぴんのようなメイクだったので、普段見せない私というか……でも、乃木坂46の時はすっぴんでお仕事に行ったりもしていたから、なんか久々に“真洋のすっぴん見た”って言われるのかな。もともとすっぴんで外に出ることに抵抗があって。だけど、女優のお仕事をするにあたって、これからはすっぴんもさらけ出すことになるのかなって、お仕事以外の時は、なるべくすっぴんで出歩くようになったんです。それが普通の子もいますけど、私にとってはけっこうトライでした(笑)。あと、最初の衣装合わせの時に、衣装さんから“今回、望美は可愛い服を着れません。ダサいです! 真洋さんのインスタのフォロワーが減るかもしれません”って明るい口調で言われて、“はい!”って答えました(笑)。

ーーフォロワーを諦めて、女優魂を見せたんですね(笑)。

真洋:
でも、みなさんがそうやって明るく楽しい空間を作ってくださったので、そういう地味な格好も楽しくできました(笑)。ホントに感謝しています。

ーー今後、俳優としてどんな役に挑戦してみたいですか?

真洋:
今はまだやったことがない役の方が多いのですが……関西弁の役もやりたいし、友達には普段ふわふわしてるから、すっごい意地悪な役をやってほしいって言われたこともあって。それは確かに自分でも合うかもと思っています(笑)。舞台がアジアとかの、ちょっと変わった内容の恋愛系とかにも挑戦してみたいですね。

ーー演技だけではなく、歌にも取り組んでいきますよね?

真洋:
はい。音楽が関わっている作品もいっぱいありますので、今後は、ダンスとか歌が俳優業で生きる場所があればいいなと思っています。

ーーこれからも真洋さんの多彩な表現を見ることができそうですね。

真洋:
夢が、ドラマに出て挿入歌を歌うことなんです。柴咲コウさんみたいになりたいですね!

ーー先ほど名前が挙がった中谷美紀さんも歌っていますよね。歌える女優さんは、それほどたくさんいるわけではないので、真洋さんはそのポジションでも活躍していけそうだと思います。

真洋:
ありがとうございます!

ーーそれでは、最後に現在活動中の真洋さんの新章のタイトルを教えてもらえますか?

真洋:
「セカンドステージ」。“セカンドステージ”に立って、次の景色を見たいっていう気持ちです。

真洋

【インフォメーション】 『闇金ドッグスX』

『闇金ドッグスX』前編(©2024「闇金ドッグスX」製作委員会)
『闇金ドッグスX』後編(©2024「闇金ドッグスX」製作委員会)

■出演
佳久創
池田匡志 真洋
永野宗典 カトウシンスケ 佐藤五郎/石田隼 松永有紗 伊藤幸司(ランジャタイ)/大島蓉子

監督:西海謙一郎
脚本:池谷雅生
企画:AMGエンタテインメント
製作:「闇金ドッグス X」製作委員会(AMG エンタテインメント・日活)
日本/カラー/ビスタサイズ/前編:60分 後編:65分

2024年8月10日(土)21:00 映画・チャンネルNECOにて放送

©2024「闇金ドッグスX」製作委員会

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