南神大寺小 松本中 通級指導教室を新設 市教委、来春指導開始へ
横浜市教育委員会は、発達障害など特別な支援を必要とする児童生徒が利用する「通級指導教室」(通称「通級」)を、神奈川区内の2校に新設すると発表した。設置されるのは南神大寺小学校と松本中学校で、指導開始は来年4月以降の予定。
通級指導教室は、発達障害など特別な支援が必要な児童生徒が、普段は通常の学級に在籍しながら、科目学習とは異なる個々の状況に応じた困難の改善・克服を目指す指導を個別に受ける場。
各学校の個別支援学級とは異なり、普段は一般学級で授業を受けつつ、それとは別に定期的に通級へ通う。利用を希望する場合は、横浜市特別支援教育総合センターでの教育相談が必要となる。
10年間で利用者1・8倍
今回の新設は「第4期横浜市教育振興基本計画」に基づき、利用ニーズの増加に対応するため決定された。市教委によると、通級の利用者は年々増加傾向にあるという。2012年度からの10年間で約1・8倍に増え、2023年度は2758人だった。
これまで市内の通級は小学校16校、中学校4校だったが、入級希望者の増加に伴い1校あたりの受け入れ人数も拡大。指導時間の確保が難しい状況となっていた。
両校に設置されるのは、情緒障害や学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などのある児童生徒を対象に、他者との関わり方や集団生活への適応などを学ぶ通称「まなびの支援教室」。
南神大寺小学校の教室は神奈川区全域および港北区の一部小学校に通う児童が対象。松本中学校の教室は鶴見区、神奈川区、港北区の中学校に通う生徒が対象となる。
新設校の選定にあたっては、現在通級を利用している児童生徒が多い学校の状況や、対象地域からの通学の利便性、学校内の空き教室の状況などが総合的に考慮された。
これまで神奈川区内には「まなびの支援教室」はなく、児童生徒は近隣の西区や港北区、青葉区の学校に通っていた。現在、通級を利用している児童生徒は来年度以降、従来の教室か新設校に通うかを選択できる。
受入れへ教室改修
両校では設置に伴い、今年秋以降に教室の改修工事を行い、通級指導に適した教室を整備する。具体的には1対1またはグループ指導用に仕切りを変更。南神大寺小では通学に同伴する保護者の待機スペースを確保するほか、教室とは別に体を動かすプレイルームを設ける予定。